幽霊祓い

akade

文字の大きさ
上 下
215 / 236
第3章 ゴースト・キング編

第215話 雷霊

しおりを挟む
「今度こそお終いだ、青山  優牙ッ!!雷術・奥義・秘伝雷電閃らいじゅつ  おうぎ  ひでんらいでんせんッ」

「終わらねぇよッ、蒼天術・守閣そうてんじゅつ  しゅかくッ」

ものすごいスピードで飛んでくる秘伝雷電閃。ギリギリのところで守閣で防ぐことができた。しかし、ここは主殿の中。俺の蒼天術の威力は半減されるため、守閣はすぐに壊れてしまった。

「そろそろ、使うか・・・。四神・朱雀ししん  すざく

雷がそう唱えると、雷の背後に巨大な鳥のような紋様が現れた。そして、それは光の粒になり、雷の体に入っていった。

「何をした?」

雷術・奥義・秘伝雷電閃らいじゅつ  おうぎ  ひでんらいでんせんッ」

「なッ!?またッ!?」

俺の質問に答える様子もなく、再び、雷は秘伝雷電閃を使った。しかし、何回も見ているんだ。そろそろ、見慣れてきた。俺はギリギリではあったが、秘伝雷電閃を避けた。

「まぐれだな。雷術・奥義・秘伝雷電閃らいじゅつ  おうぎ  ひでんらいでんせんッ」

何でそんなに使えるんだよッ!?再び、雷から放たれた秘伝雷電閃は俺に向かって飛んで来た。流石にもうダメかと思った、その時だった。雷轟雷恐宮主殿が解け、大量の幽霊たちが現れたのだ。そのうちの一体に、秘伝雷電閃が当たり、俺は危機を免れることができた。

使か?」

雷がぼそっと呟く。

「雷ッ、それはどういうことだッ?」

俺は次々と迫り来る幽霊たちを祓いながら、雷に問いかけた。

「教えねぇよッ」

幽霊を祓いながら雷が答えた。なら、雷をぶん殴って、答えさせるのみだ!!俺は幽霊たちを祓いながら、雷との距離を詰めた。しかし、それと同じペースで、幽霊を祓いながら、俺との距離を離していく雷。俺らの距離は縮まらなかった。それが5分ほど続いたが、突如として、終わりがやってきた。一体の巨大な幽霊が雷の首を掴み、持ち上げたのだ。その幽霊は身長が3mほどで、左手には不気味な形をした剣を持っており、魔王のような格好をしていた。

「チッ、離せッ!!雷術・雷針らいじゅつ  らいしんッ」

必死に抵抗する雷。俺も助けに入ろうとしたが、その間を惜しむこともなく、その幽霊は自身の口に雷を放り込んだ。

しおりを挟む

処理中です...