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第3章 選抜会編
第189話 気づけ
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「何に気づけばいいんだよ」
「それが分からない限り、あなたはこの先、負け続けます」
「・・・」
「分かりませんか?賭けには必ず必要なことですよ」
「・・・あッ!!緊張感か!?」
「えぇ、その通りです。あなたは少し、自分の博徒術に頼りすぎたんですよ」
「頼りすぎた?」
「今回のように術が使えない相手の場合、あなたが博徒術しか使えなければ、あなたの負けは確定しますよ?」
「じゃあ、どうしろって言うんだよ。術が使えないんだぞ?」
「だから・・・」
「あ、技か!」
「そういうことです。術になる前、つまり、術として成り立っていないものが技。それは時に対術になる。術が使えないなら技を使う。祓い師なら技の一つや二つ知っててもいいものですよ」
「なるほどな」
「やっと、理解されたようですね」
「あぁ、俺はちょっと博徒術に頼りすぎたんだよな。なぁ、仮面男、お前がいいなら、技、教えてくれないか?」
「まぁ、私の圧勝でしたけど、少しは楽しめましたし、今回は特別に教えてあげましょう」
「ありがとう、仮面男」
「泉陽様、どんな時でも、緊張感を大切に」
「応ッ!!」
ありがとう、仮面男、気づかせてくれて。賭けには、緊張感が大事だよなッ!!
「天莫ッ!!」
「何ッ、生きていたのかッ!?」
天莫。この技は、相手が自身の空間に引き込んだ時に有効なもので、その空間から脱出する事ができる。使用後、魍忌の空間が解かれ、会場に戻った。魍忌の姿を見て、会場は騒然としていた。斧戯田会長がマイクを持ち、
「柳君、これはどういうことですかッ?」
と俺に問う。
「ヤツの名は魍忌。吉良 反五に化けていた幽霊だッ」
迫ってくる魍忌。
「次はお前を閉じ込めてやるッ!!博徒術・私場賭場ッ」
俺がそう唱えると、いつも通り、カジノ場へと俺らは移動した。
「おかえりなさいませ、泉陽様。そして、ようこそ、我が主を痛めつけた魍忌様」
「ふッ、こんなところ、すぐに抜け出してやるッ!!忌術・疏刻纏楼」
魍忌が再び、疏刻纏楼を使用した。
「無意味なことを・・・」
そう仮面男が呟く。疏刻纏楼が発動することはなかった。
「それが分からない限り、あなたはこの先、負け続けます」
「・・・」
「分かりませんか?賭けには必ず必要なことですよ」
「・・・あッ!!緊張感か!?」
「えぇ、その通りです。あなたは少し、自分の博徒術に頼りすぎたんですよ」
「頼りすぎた?」
「今回のように術が使えない相手の場合、あなたが博徒術しか使えなければ、あなたの負けは確定しますよ?」
「じゃあ、どうしろって言うんだよ。術が使えないんだぞ?」
「だから・・・」
「あ、技か!」
「そういうことです。術になる前、つまり、術として成り立っていないものが技。それは時に対術になる。術が使えないなら技を使う。祓い師なら技の一つや二つ知っててもいいものですよ」
「なるほどな」
「やっと、理解されたようですね」
「あぁ、俺はちょっと博徒術に頼りすぎたんだよな。なぁ、仮面男、お前がいいなら、技、教えてくれないか?」
「まぁ、私の圧勝でしたけど、少しは楽しめましたし、今回は特別に教えてあげましょう」
「ありがとう、仮面男」
「泉陽様、どんな時でも、緊張感を大切に」
「応ッ!!」
ありがとう、仮面男、気づかせてくれて。賭けには、緊張感が大事だよなッ!!
「天莫ッ!!」
「何ッ、生きていたのかッ!?」
天莫。この技は、相手が自身の空間に引き込んだ時に有効なもので、その空間から脱出する事ができる。使用後、魍忌の空間が解かれ、会場に戻った。魍忌の姿を見て、会場は騒然としていた。斧戯田会長がマイクを持ち、
「柳君、これはどういうことですかッ?」
と俺に問う。
「ヤツの名は魍忌。吉良 反五に化けていた幽霊だッ」
迫ってくる魍忌。
「次はお前を閉じ込めてやるッ!!博徒術・私場賭場ッ」
俺がそう唱えると、いつも通り、カジノ場へと俺らは移動した。
「おかえりなさいませ、泉陽様。そして、ようこそ、我が主を痛めつけた魍忌様」
「ふッ、こんなところ、すぐに抜け出してやるッ!!忌術・疏刻纏楼」
魍忌が再び、疏刻纏楼を使用した。
「無意味なことを・・・」
そう仮面男が呟く。疏刻纏楼が発動することはなかった。
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