幽霊祓い

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第3章 選抜会編

第179話 第一試合・赤石 柊VS鍵蔵 鉄地

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「それでは、試合開始ッ」

その合図と共に、俺は鉄っさんに全力で向かっていった。

「鉄っさんなんて久しぶりに呼んでくれたじゃないか、柊ッ」

鉄っさんは手を叩いた。その瞬間、俺の体は動かなくなった。

「何だ、これ?」

次の瞬間、俺は鉄っさんに殴り飛ばされた。

「驚いたか?これは術出はないんだぜ?俺が修業して身につけた能力だ。その効果は、手を叩いてから、5秒間、相手をフリーズさせるってものだ。その間に俺がフルパワーで殴りかかる。俺のゴリラパワーにはベストマッチな能力だろ?」

「相変わらず、強すぎです」

そう、強すぎる!!一撃くらっただけなのに、既に鼻血が出ている。もし、鉄っさんが、術を修得しているなら、さらに厄介だ。ただ、あの能力が対象一体を止めるというものなら、俺に勝率はある。試してみるか・・・。

「水術ッ」

パンッ

「ふぅんッ!!」

「グハッ!!」

俺は再び殴り飛ばされた。

「柊、どうして俺が今回の選抜会に参加したか知っているか?斧戯田会長に進められたってのものあるけど、それだけでこの選抜会に出ているじゃない」

「他にどういう理由があるんですか?」

「それはな・・・、俺もッアメリカにッ行きたいッからだーッ!!」

その声は会場中に響き渡った。

「・・・え?」

「そりゃあ、行きてぇだろ、USA!!」

「えーっと、あのー、鉄っさん、アメリカには遊びで行くわけではないのはお分かりで?」

どゆこと?っていう顔しながらこっちを見てくる鉄っさん。

「え、ラスベガス行ったり、ニューヨークの町を観光したりするんじゃないの?」

「いや、ゴースト・キングっていう幽霊を祓いに行くんですよ」

「そんな~」

あー、そうだった。この人、あんまり人の話聞かないタイプだった。鉄っさんはしょんぼりとしていたが、すぐに開き直った様子で

「まぁ、でも、そのゴースト・キング祓うのも面白そうだ。柊、全力でいくぞッ」

鉄っさんはこちらに向かってきた。



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