幽霊祓い

第2章 再臨編

第155話 化身VS化身

そもそも、化身とは、簡単に言えば、その術をもとである。術というのは、最初、どの術でも玉響現象などで説明される光球（オーブ）のような形をしている（1部例外を除く）。それが、霊感のある人（自然と霊気を持っている人）の中に入り、蒼天術や赤輪術といった術に覚醒するのだ。そして、光球（オーブ）の状態はすべて仏術である。つまり、ややこしくはなるが、すべての術のもとは仏術なのである。そして、覚醒した光球（オーブ）には化身が宿る。その化身と自然と契約（光球が当人の体内に入った時点で契約は完了している）することで、当人が術を使用できるようになるのだ。化身召喚をするには、術を使用する当人が化身召喚について、学ぶか、学ばないかである。

「ウォォォォォォォォッ!!」

赤水竜神が水竜神に拳を振り落とした。水竜神はそれを避け、赤水竜神を殴り飛ばした。赤水竜神は自分の胸元にある穴に手を突っ込んだ。そして、そこから2本の剣を取り出した。それを真似するかのように、水竜神も自分の胸元から1本の剣を取り出した。そして、両者同時に解放フォルボースした。水竜神が赤水竜神を斬った。

「ヴー、ヴーッ」

水竜神と赤水竜神が持つ剣・水裁剣すいさいけん。斬った者の力を半減させる解放フォルボースを持つ。そこに水竜神自身の持つ能力ものってくるため、赤水竜神はかなり追い詰められている・・・はずだった。しかし、それは水竜神の思い込みであって、赤水竜神は1ミリも追い詰められてはいなかった。なぜなら、赤水竜神が持つもう1本の剣・赤裁剣せきさいけんがすべてを無効にしているからだ。赤裁剣の解放フォルボースの能力は、化身による攻撃をすべて無効にするというもの。赤水竜神が水竜神に向かっていった。水竜神が水裁剣を振り下ろした。しかし、赤裁剣の能力により、無効化され、赤水竜神が水竜神に水裁剣を振り下ろした。水竜神は真っ二つに分かれ、消えた。

「赤水竜神の勝ちだな。さて、続きを始めようか、兄貴」