幽霊祓い

akade

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第2章 学校霊編

第128話 悪は生きている

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「殺害されたのは宮内  修。殺害したのは影山  零。影山は宮内を教室内で殺害後、窓から逃亡したとのことです。今は行方不明です。本来、霊力を使った事件では、加害者当人の霊気が残るはずですが、影山の霊気ではなく、凪澤の霊気が確認されたということは・・・」

「凪澤は生きているんですか?」

「幽霊になって、影山君に取り憑いたってことか」

「正解のようでそれは少し違うぜ、斧戯田会長。あいつは霊から霊へと進化したんだ」

「どういうことだね、佐神君」

「日本旋廻時、凪澤は霊体化して、すでに幽霊になっていた。そして、仮に日本旋廻で凪澤を祓えていたとするのなら、あいつは幽霊から幽霊へと進化して戻ってきたということになる」

「そ、そんなことが有り得るのか」

「天界大会で似たような経験をしましてね。まぁ、簡単に言えば、なかなか成仏出来ない地縛霊みたいな感じですかね」

「なるほど、凪澤という恐ろしき悪はまだ形を変えて生きているというわけか」

「凪澤が生きているのか?」

向こうから男の人がそう言いながら歩いてきた。

「これはこれは片山君。どうやら、その可能性が高いようだ」

「片山って一帝の・・・」

「斧戯田さん、こいつらは?」

「ああ、青山君、佐神君、羽川さんだよ。天界大会から戻ってきた子達だよ」

「青山?おい、お前が士郎が期待していた祓い師か?」

「・・・はい」

「俺はとても強そうには見えないな。てめぇが士郎の変わりになれば士郎は死んでいなかったんだぞ?」

「おいっ、一帝でもそれは言い過ぎだろッ」

「いいんだ、雷翔、事実だし」

「でも・・・」

片山さんは俺を睨みつけて、向こうへと歩いていった。

「すまないね、彼も精神的にかなりショックを受けているようなんだ。許してやってくれ」

「いえいえ、俺が弱いのも事実なんで・・・」

「とりあえず、今後の方針を決めようか」

その後、今後の方針が決められた。GEAはこれから、影山の行方を追いながら、凪澤の情報を集めていくという方針になった。俺や雷翔、柊も幽霊祓いの任務を行いながら、凪澤の情報集めをした。
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