幽霊祓い

弥生 啓

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第2章 天界大会編

第114話 極奥

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「君に天界の神になってほしい」

「天界?」

「現世とあの世の狭間の場所だよ。君は天主術の使い手だろ?神の役職につく方が、今よりずっといいと思うんだ」

「人間が神になれる訳がなかろう。そもそも、死ななければ、あの世へ行けないのに、現世とあの世の狭間なんて、どうやって行くのだ?」

「そこまで考え込まなくていい。私が手伝いはするから」

「いい加減、遠回しに言うのはやめたらどうだ、鬼魅宮。目的を言え」

「相変わらず、勘が鋭いねぇ、獄宮大納言たきのみやのだいなごん。やはり、嫌いだよ。●●術・極奥きょくおう・●●●●●●●ッ!!」

「今、ここで終わりにしてやろう、鬼魅宮ァッ!!天主術・極奥・天下暴命の天命てんしゅじゅつ  きょくおう  てんかぼうめいのてんめいッ!!」

・・・極奥これを使うのは、あの時以来か?奥義のその上の術の最終形態、極奥。俺が知る歴史上で極奥を使えたのは俺と鬼魅宮猛子の2人だけ。久々に使うから成功するかは分からないが、手っ取り早い方法だ。やってみようじゃないか。

「・・・チッ、また閉じ込められた。なら、また、破るッ!!奥義ッ・・・」

「どうして、俺はあの時、生きたいという道を選んだのだろうな。ダルガ・ドルガ、十分に楽しめたよ。だから、もう、おしまいだ。天主術・極奥・天下暴命の天命てんしゅじゅつ  きょくおう  てんかぼうめいのてんめいッ」

ダルガ・ドルガは一瞬にして消し飛んだ。天命は相手の存在意義すらも無視し、消し飛ばす術だ。存在意義を無視された場合、死後、何も形として残らない。その対象が人であろうと幽霊であろうと、天国、地獄へ行くなどは関係なく、存在が消えるのだ。そういえば、あの後、鬼魅宮はどうなったのだろうか。まぁ、どうでもいいか・・・。俺は奥義を解き、佐神の元へ向かった。

「獄様、やつは?」

「消したよ、存在ごとね。さて、大会の続きを始めようか・・・」

ー天界大会終了まで残り1時間3分、残り人数62人ー
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