幽霊祓い

第1章 日本旋廻 常紋トンネル及び慰霊の森編

第62話 嵐前の静けさ

10月31日  午後6時  GEA本部内にて

「これより、明日に迫った凪澤との決戦についての要項の最終確認を行う。と、その前にまずは先日、GEAに加わることが決まった佐神  雷翔から話がある。佐神君、壇上へ」

蔵宮さんがそう言うと、端にいた佐神が壇上に上がり、話し始めた。

「佐神  雷翔です。噂で聞いている人もいるかもしれませんが、この度、GEAに加わることになりました。10日前ほどから取り調べを受け、今日、正式に加わりました。よろしくお願いします。ここにいる全員に俺のことを信じろとは言いません。ですが、今、俺がここにいるのは凪澤を倒すためです。もし、俺が裏切るような行為をとったら即座に殺してもらって構いません。それぐらいの覚悟でここにいます」

そう言って一礼をし、壇上を降りると、僕と柊の方へと近づいてきた。

「お前たちと行動を共にしてもいいか？」

佐神に問われた。完全に信用はまだできないが僕は

「あぁ、いいぜ。これからよろしく」

と答えた。そんな感じで僕に新たな仲間ができた。再び、蔵宮さんが壇上に上がると要項について話し始めた。

「では、これより明日の決戦の要項についての最終確認を開始する。まず、凪澤がいると思われるのが恐山頂上だ。そして、佐神の話によると、KUシリーズと呼ばれる10体の苦レベルの霊が山の中に配置されるそうだ。師帝には基本的に頂上を目指してもらう。対凪澤は鳩山に任せ、対主霊を残りの4名に任せる。師帝以外の祓い師たちにはKUシリーズを祓いながら頂上を目指してもらう。何としても凪澤を止めてみせるぞッ!!それでは解散ッ」

そうして、要項最終確認の会議は終わった。明日、何としてでも、凪澤を止めてみせるッ!!

ーその頃、一方では・・・

「凪澤様、明日はとうとう決戦でございますね」

「あぁ、明日、僕たちは新たなる日本の支配者になるんだよ。こっちの方が有利な立場にあるし、向こうに忍ばせている彼もいるからねぇ」

「彼・・・と言いますと？」

「それは明日のお楽しみ・・・。それじゃあ、僕たちも準備しておこうか」

「・・・御意ッ」

これより、人間と霊による決戦が始まるのであった・・・。