幽霊祓い外伝シリーズ

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幽霊祓い 『橙島高校』

第1話 怪物爆誕

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ある日、珍しく、羽川さんが休みを取れたので、俺、雷翔、柊、羽川さんの4人でティータイムを楽しんでいた。

「なぁ、優牙、お前はGEAに入る前、青山事務所っての開いてたんだろ?開いた経緯とか教えてよ」

突然、雷翔がそんなことを言い出した。そういえば、柊にも詳しく話したことなかったし、話すか・・・。

2020年  3月10日  午前7時45分

「え~、試験開始15分前です。御手洗などを済ましておくように」

真新しいそうなスーツを来た若い試験官がそう言った。僕は中学で配られた「3年間の五教科まとめ」という3年間の五教科の内容が詰め込まれた参考書を読んでいた。そう、今日はここ、橙島高校の受験日なのだ。受験会場とは言え、試験開始前なので辺りはまだ少しざわついていた。眼鏡をかけたガリ勉そうなやつ、少しイキったような容姿のやつ、はたまためちゃくちゃ美人の子など、色んな人がいた。時計を見た。あと10分か。

「優牙、トイレに行っとこうぜ」

同じ中学だった友達にそう言われた。一応、トイレに行っとくか。僕は席を立ち、トイレへと向かった。トイレは少し混み合っていた。トイレを済ませ、いざ、教室に戻ろうとした時だった。トイレを出てすぐ横にある階段から霊気を感じた。それも普通の霊気じゃない。何か気持ちの悪いものだった。

「おい、優牙、何ぼーっとしてんだよ。早く戻ろうぜ」

友達にそう言われ、仕方なく、俺は教室に戻った。そして、試験が始まった。午前は国語、数学、社会の3教科で試験時間はすべて1時間。数学が少し解けなかったぐらいで、あとは手応えがあった。試験に集中していると時間もあっという間に経ち、お昼になった。

「優牙、テスト解けたか?」

「まぁな」

「そうか、早く弁当食べようぜ」

「うん、でも、その前に、ちょっと用事済ませてくる」

友達にそう言い残して、俺は教室を出た。やっぱり、あの階段が気になる。俺が階段の方へと向かった、その時だった。

「ウォアアアアアアッ!!」

見た感じで3mはある人ではないものが目の前に現れた。気配からして幽霊だ。その幽霊は凧のような見た目をしているが、凧の後ろから蛸の足が生えていた。辺りにいた人は悲鳴をあげて逃げ出した。
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