異世界転生して魔法使いになったが、両手持ち用の杖が意外と軽かったので沢山持つ事にしたらいつの間にか最強になってました

鬼来 菊

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4 両手持ち用の杖は自爆する

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 両手持ち用の杖を束にしていると形がすこし歪な杖を見つけた。

「何だこれ?」

 手に取るとその杖はほかの両手持ち用の杖より非常に軽く、先端部分のオレンジ色の何かが点滅している。

「この杖は一体なんだったっけ?」

 そう思いタグを見る。そこには

『自爆杖』と書いてあった。

「自爆杖!?」

 多分結構ヤバめなやつな気がする。

 説明も見ておく。

『敵をターゲットにして飛んでいき自爆する。自爆するのでこの自爆杖は木っ端微塵となる』

 とだけ書いてあった。

 ……へぇー、結構すごそうだなぁ~。でも1回キリっていうのはなぁ~
 ……あ

 ここで思いついた。この杖に魔法をかければ何とかなるんじゃないかと。

 やってみよ!

 ということで両手持ち用の杖で【完全防御パーフェクトウォール】をかけてみる。

 だが結果は······

「かからない……」

 自爆杖に魔法はかかんないのかぁ~。

 まあ、予想はしていたけどね。だがここで私は諦めない!

 だってもう1つ可能性があるんだもん。 

 それは……

 これ壊れた後に魔法ってかけれないのかな?

 というものだ。

 壊れた後に修復魔法なんかをかけられたら無限に使うことが出来るんじゃね?

 ……やるしかないじゃん!!

 ということで宿屋の庭へ窓から自爆杖を投げる。

 庭からボォーン!! と大爆発する音が聞こえた。

 急いでそこに向かい【完全修復パーフェクトリペア】を使ってみる。すると……

「……直った」

 直ってしまった。

 あちゃ~めっちゃやばい裏技見つけちゃったじゃん。

 これやばいなぁ~。

 自爆杖結構威力高そうだし。

 これを何回もできるって……うん、ホントにこれやばいな。

 もうこれ最強やろ。

 マジで『称号:両手持ち用の杖の覇者』を獲得出来て良かった。

「これでツリーウルフ倒すか」

 でもなぁ~外は真っ暗なんだよなぁ~。

 明日でもいいけどやっぱやりたいことってやりたい時にするもんじゃん? 

 だから今やりたいんだよなぁ~。

 ……あ。

 光魔法を上にはなったら擬似的な太陽作れねぇかな?

 という事で実験してみる。

 無限収納袋から両手持ち用の杖の束を取り出し

 「【ライト】! 」

 と唱える。

 するとほとんどの杖から【ライト】が放たれる。

 あれ? なんかめっちゃ光強くね?

 そして光が辺り一面に広がる。

「ぎゃああああ目がぁー! 目がぁー!」

 痛ってぇ! くっそ目が痛てぇ! おかげてム〇カみたいになっちまったじゃねぇか!

 まじで目が痛い。速攻で目に【完全回復パーフェクトヒール】をやる。

 すると目の痛みが引いて目が治った。

 よし! 【ライト】やめよ! これは危なすぎる。

 だけどここでまた思いつく。

重力無効サイレントグラビティ】を杖にかけて上に持って行って【ライト】をやったら大丈夫じゃないか?

 はいやろう、今すぐやろう。

 という事で【重力無効サイレントグラビティ】で杖を上に持っていく。

 そして結構上に行った所で【ライト】をやる。

 すると辺りが一気に明るくなった。

 昼と変わらないくらい明るい。

 因みにこの翌日夜の時間帯なのに昼になったので

「これはきっと女神様のお告げだ!」

 という噂話で持ち切りになったがこの事をこの時の私はまだ知らないし、知った後も知らん顔した。

 よし、取り敢えずこれでツリーウルフを狩れる。

 ついでに庭も直しておいた。

 という事でツリーウルフがいるという森林にやってきたわけですが、……めっちゃ見通しが良い。

 普通こんな見通しがいい所に住まんやろ。

 まあ、ギルドミッションランクEだから簡単になってるんやろ。

 よし、入ってツリーウルフボコしますか。



 と、意気込んでから1時間経った。え? 居なくね?

 どこにもおらんやん。もうくっそ歩いたと思うんだけど。

 これはおかしい。……もしかして先に狩られた?

 いや、それはないと思う。

 だって今日の昼受理されたんだよ? そこからだいたい8時間よ?

 普通先に狩られんやろ。

 ……待てよ、なんでツリーウルフって名前なんだ? 

 森林に居るんだからフォレストウルフとかじゃないのか? 

 ……もしかして

 という事で木の隙間から中を除く。

 ……なんか居る。

 暗くてよくわからないけど確実になんか居る。

 ほぼ確実にツリーウルフだろう。

 うわぁ~面倒くさぁ~、これどうやって倒すん? 倒すのめっちゃ難くね?

 よし、ゴリおそう。

 という事で無限収納袋から自爆杖を取り出す。これを【重力無効サイレントグラビティ】で浮かせる。

 そして飛ばす。

 すると木が一本灰になった。

 因みに私の気持ちはめっちゃハイになりました。

 ……さーせん。

 誰に謝ったのかは自分でも分からないが取り敢えず同じく灰となった自爆杖に【完全修復パーフェクトリペア】をやる。

 すると先程の自爆杖となった。

 ハハッ、やべーなこれ。

 爆風で分かる。

 威力半端ない。
 
 いやーほんと、この再利用する方法を考えた私っててんさーい!

 ……一体何を考えてるんだ私は。

 そして自爆杖で木々を燃やしているとさすがにツリーウルフも攻撃をしてきた。

 だけど私にはこれがある!

 今杖達は【ライト】をやってもらう為上にある。

 その為手元にあるのは自爆杖と【重力無効サイレントグラビティ】を発動するようの2本だ。

 という事で【重力無効サイレントグラビティ】を自分にかけて上に行く。

 この時、上を見ずに下を向いていた。

 じゃないと【ライト】の光のせいで目が死ぬ。

 そして束になっている杖の高さを越すと束になっている杖から魔法を下に向かって放つ。

「【地獄の業火ヘルファイアー】!!」

 そう言った。

 すると昼が夜に戻り、代わりに【重力無効サイレントグラビティ】をやっている杖以外の全ての杖から【地獄の業火ヘルファイアー】が放たれた。

 今度は地面が昼の明るさ、もしくはそれ以上の明るさになった。

 この翌日、近くの森林から突然とてつもない量の炎が出て、ツリーウルフの住処が全て焼けたらしい。

 というか森林自体全てが焼けてしまったらしい。

 この事を冒険者ギルドの受付嬢に言われて

「何か心当たりありませんか?」

 と聞かれたが

「いいえありません」

 と知らん顔した。

 だがこの時の私はまだ知らなかった。

 ここら一帯のツリーウルフがほぼ全滅したという事が悲劇を招く事を……
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