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《裏技》マスター、教会と戦う

体バラバラだけど、当たり判定はあるんだよね……え? グロい? ……気にするな

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 俺はその場でバク転をした。

「あ゛ぁ? 何してんだ?」

「ふっ、まあ見てろ」

 そう言って俺はすぐさま左右にステップを踏んだ。

「! アイツ! 世界の不備をやろうとしてるぞ! 止めろ!」

「はいっ!」

「ふははははははははは!」

 三人が俺に向かって迫って来た……が、

「よし、

 俺は彼らが迫ってくるのを待つ。

 ――まだだ。

 ――まだだ。

 ――まだだ。

 ――まだだ。

 ――――今だ!

「おらっ!」

「「「!?」」」

 俺はその瞬間、裏技バグを発動した。

「な、何だそりゃあ!?」

 そして俺は、バラバラになった。

「ど、どうなってるのよそれ!?」

 イライザからそうツッコミが入る程バラバラになる。

「よぉーし……」

 俺は約3m程離れた右手をニギニギする。

 ちゃんと反応してるな。

 どうやら、裏技の裏技バグは起きてなさそうだ。

「てめぇ……どんな世界の不備だよそれぇ!?」

「えーとだな、ダメージを受けずに体を四角形に分解出来る裏技だな。あっ、因みにやるには方角とかに注――」

「んなこたどぉでも良いんだよ!」

 えぇ……今お前が聞いて来たじゃないか……。

「お前ら! あのバラバラのやつ全部巻き込むように殺れぇ!」

 ビラナとビレッドがすぐに攻めて来て、ヴァイナが少し遅れてだがやって来る。

「よっ!」

 俺は体のブロックの感覚を物凄い広げ、右手でビラナに向かって拳を放った。

「【風壁ふうへき】!」

 普通であれば、俺のパンチはその【風壁】によって弾かれるだろう。

 だが、今の俺は違う。

「おらっ!」

「何っ!?」

 俺は手を分解して、【風壁】の上と左右に分かれて、ビラナの顔面に近くなったところで集め、顔面に思いっきり勢いに乗った拳を当てた。

「があっ!」

 ビラナは大きく吹っ飛び、動かなくなった。

 まあ一応あごらへんを狙ったからな……気絶しているのだろう。

「くそ……ビレッド! 気を付けろよ!」

「分かっているとも! あぁだが! これが逸脱者! ふははははははは! 素晴らしい! 素晴らしいぞぉぉぉぉぉぉ!」

 ビレッドが闇を複数個放つ。

 そしてそれに紛れて俺に接近してきた。

「ふはっ!」

 そしてビレッドが俺に向かって小さな闇を放った。

 それはまるで俺の銃の弾丸の様だった。

 まあ、ブロックを移動させて避ける。

刮目かつもくしろぉ!」

「!」

 避けた瞬間、その小さかった闇が急激にデカくなった。

 俺はすぐに体のブロックの位置を変え、何とか死なずに済んだ。

「あぁ! やはり避けるか! 素晴らしい! あああああああ! 素晴らしい!」

 変態ビレッドが大量のあの小さな闇を放ってくる。

 俺はそれをバックステップで回避して、バラバラになった体を動かす。

 そう、こうする事によって頭だけ上に持ち上がった状態の、言わば俯瞰ふかん視点状態を作り出す事が出来る。

「ビレッドォ! どけぇ!」

「ほっ!」

 今のこの攻撃も、いつもの視点だったらビレッドが死角になって見えず、対処が遅れただろうが、この俯瞰視点によって筒抜けである。

 俺はヴァイナが突いて来た部分を空け、そのまま膝の部分のブロックって膝蹴りをした。

「チィッ! ちょこまかと……!」

 俺はブロックを別の場所へ移動し、そこでくっ付いた。

 まあ頭以外だが。

 側から見ると完全にデュラハンである。

 おぉ、俺の服装ってあんな感じになってたんだなぁー。

 あんまりよく見てなかったから、こう見ると新鮮だなぁー。

 まあ、こんな視点自体が新鮮なんだけど。

「ふっははははははは!」

 小さな闇と、

「おら゛あぁぁぁああああ!」

 ヴァイナの持つ杖が同時に体に迫って行っていた。

 俺は体を動かし、バラバラになって地面に1m感覚で配置した。

「あ゛ぁ?」

 攻撃を回避した俺は、それをスィーっと移動させて、遠くの方へ逃げた。

「あの体、あんな動きも出来るのかよ。ウザってぇな」

「だがあれでこそ流石逸脱者というものだ!」

 そうして二人は俺の体を追う。

 やっぱこのバラバラ裏技強いなぁ……。

 銃を発砲し、牽制する。

 そして忍ばせていた爪先つまさきをヴァイナとビレッドの背後に回し、尻を蹴る。

「痛っ!?」

「何だ!?」

 その隙に、俺は彼らに向かって再度発砲し、脚を動かせなくした。

「があぁぁぁああああああああ!」

「逸脱者……逸脱者あぁあああああ! 素晴らしいぃぃぃぃいいいい!」

 倒れた彼らを見ながら、俺は頭を体に戻す。

 こうして、俺は何とか大司教達に勝ったのだった。
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