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《裏技》マスター、海水浴をする
クラーケンからの頼み事
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『あのー、少しお話しを聞いて貰えませんかね?』
「「「……は?」」」
え、喋ってる? クラーケンが?
「喋って……え?」
ルリカも凄い動転してるな。
「話って……何だ?」
『おお、聞いてくれますか、実は最近この海を荒らすモンスターがいて困っているのです』
「あんた自身で何とか出来ないのか? こう言っちゃなんだがあんたデカいし多分強いだろ?」
『自分でやりたいのは山々なのです……しかし、あのモンスターの力は強大で、一人では太刀打ち出来ませんでした……』
はぁ? クラーケンでも無理なら俺でも無理だろ。
「なら無理だな」
『なっ、何故です!?』
「あんたでも無理なら俺でも無理だろ」
先程思った事をそのまま言う。
『せめて、そのモンスターが何なのか聞いてから判断して頂けないでしょうか?』
「……分かった』
「ありがとうございます。まずそのモンスターの名前なのですが、シーサーペントと言います』
「よし、帰るぞ」
「ちょ、うぇ!? 何で!?」
「何でー!?」
「何で……そうなる……」
シーサーペントて、勝てるわけないじゃ無いですかヤダー。
「だってシーサーペントだぞシーサーペント。あの気性の荒いバケモンやぞ? 死んじゃうって」
『お待ち下さい、もちろん貴方方だけで行かせません』
「……と言うと?」
『私も共に戦います』
「おおおお」
なんかそれなら行ける気がしてきた!
逆に何でクラーケンも来ないと思ってたんだよ俺。
「まあ、俺らが行ったところで勝てるかどうか分かんないが……良いよな?」
「私は良いわよ」
「私もー!」
「私も……大丈夫……」
全員OKっぽいな。
「んじゃ、協力するよ」
『ありがとうございます!』
クラーケンはめちゃくちゃ喜んだようで触手をペチンペチンとし始める。
「うぉいうぉい死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!」
『ああ、すみません。嬉しくてつい……』
「で、シーサーペントってどこにいるんだ?」
『着いて来て下さい』
クラーケンはグルゥッと方向を180°変えると、そのまま進み始めた。
「よし、じゃあ行くぞ!」
「行きましょ!」
「イカさーん!」
「レカちゃん……先に行っちゃダメ……」
そして俺らもクラーケンに置いていかれないように泳ぎ始めた。
『見えますか?』
「すまん、あんたがデカすぎて見えない」
『おっと、それは失礼』
ズズッと右にずれてくれた。
「ありがとう」
そしてクラーケンが見ている方向を俺も見てみる。
うーん……色々泳いではいるなぁー。
でもシーサーペントっぽくないんだよなぁー。
「どこにいるんだ?」
『ほら、あそこ』
触手を前の方に突き出して方向を教えてくれたが、見えない。
「距離はどんくらいだ?」
『およそ……800mくらいですかね』
「遠いわ! 見えねぇよ普通!」
『そ、そうでしたか! すみません……』
……今更だが、なんか、クラーケンって感じのキャラじゃなくね……?
「いや、別に構わない。視力が抜群に良いってだけだろ?」
『そう思って頂けて幸いです』
「ところで」
『なんです?』
「何で言葉を喋れるんだ?」
クラーケンが喋って、しかもこんな敬語で喋ってるのなんて聞いた事がない。
『魔法を使って、私の意思を貴方の脳に直接送っています』
「へぇ、要するに【テレパシー】的なのを使ってるって事か」
『そういう事です』
意外とモンスターにもそういうのを持ってる奴っているんだなー。
「うし、じゃああと800m分頑張って進むぞ」
『そうしましょう』
そして俺らは進――もうとした。
「…………あれ?」
「どうしたのイイジマ?」
「どうしたの……?」
『どうされました?』
「……レカは?」
「「『え』」」
辺りを見回すとレカがいなかった。
おいおい嘘だろ!? こんな場所で迷子かよ!
「本当だ! レカちゃんがいない!」
「一体……いつ……!?」
『私にも分かりませんでした……!』
くそ! 今度はレカが迷子になるとはな!
でもこのとんでもなく広い海で人探しなんて絶望的過ぎる。
一体どうすれば……!
『私に任せてくれないでしょうか?』
「何か手があるの!?」
ルリカが涙目でクラーケンにそう質問する。
『私のスキルで近くにいる超音波を出せる魔物を沢山テイムします。そしてその子達に探して来てもらいましょう』
「ナイスアイデアだ!」
それならすぐに見つかるかもしれない!
『ではやりますね……! 【招集】!』
すると、海水がグワンと揺れた。
そして物凄い勢いでこちらに迫って来たのは……
『『『『『キュキャキャキャキャ!』』』』』
イルカ……みたいなモンスターだった。
『【テイム】!』
よし、これでこのイルカ達はクラーケンにテイムされた状態になったのだろう。
『貴方方にはこの方達の仲間であるレカさんを探して来て頂きたいのです。出来ますか?』
『『『『『キュキャキャ!』』』』』
そう鳴くと、イルカ達は猛スピードで四方八方に散った。
『では、我々は先を急ぎましょう!』
「え、ここで待つんじゃないのか?」
『シーサーペントとの距離はまだまだあります。仮に戦闘になったとしても、途中で彼らがレカさんを運んで来てくれます』
「分かった、なら行こう」
そして俺らは、シーサーペントの元へと向かって進み始めた。
「「「……は?」」」
え、喋ってる? クラーケンが?
「喋って……え?」
ルリカも凄い動転してるな。
「話って……何だ?」
『おお、聞いてくれますか、実は最近この海を荒らすモンスターがいて困っているのです』
「あんた自身で何とか出来ないのか? こう言っちゃなんだがあんたデカいし多分強いだろ?」
『自分でやりたいのは山々なのです……しかし、あのモンスターの力は強大で、一人では太刀打ち出来ませんでした……』
はぁ? クラーケンでも無理なら俺でも無理だろ。
「なら無理だな」
『なっ、何故です!?』
「あんたでも無理なら俺でも無理だろ」
先程思った事をそのまま言う。
『せめて、そのモンスターが何なのか聞いてから判断して頂けないでしょうか?』
「……分かった』
「ありがとうございます。まずそのモンスターの名前なのですが、シーサーペントと言います』
「よし、帰るぞ」
「ちょ、うぇ!? 何で!?」
「何でー!?」
「何で……そうなる……」
シーサーペントて、勝てるわけないじゃ無いですかヤダー。
「だってシーサーペントだぞシーサーペント。あの気性の荒いバケモンやぞ? 死んじゃうって」
『お待ち下さい、もちろん貴方方だけで行かせません』
「……と言うと?」
『私も共に戦います』
「おおおお」
なんかそれなら行ける気がしてきた!
逆に何でクラーケンも来ないと思ってたんだよ俺。
「まあ、俺らが行ったところで勝てるかどうか分かんないが……良いよな?」
「私は良いわよ」
「私もー!」
「私も……大丈夫……」
全員OKっぽいな。
「んじゃ、協力するよ」
『ありがとうございます!』
クラーケンはめちゃくちゃ喜んだようで触手をペチンペチンとし始める。
「うぉいうぉい死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!」
『ああ、すみません。嬉しくてつい……』
「で、シーサーペントってどこにいるんだ?」
『着いて来て下さい』
クラーケンはグルゥッと方向を180°変えると、そのまま進み始めた。
「よし、じゃあ行くぞ!」
「行きましょ!」
「イカさーん!」
「レカちゃん……先に行っちゃダメ……」
そして俺らもクラーケンに置いていかれないように泳ぎ始めた。
『見えますか?』
「すまん、あんたがデカすぎて見えない」
『おっと、それは失礼』
ズズッと右にずれてくれた。
「ありがとう」
そしてクラーケンが見ている方向を俺も見てみる。
うーん……色々泳いではいるなぁー。
でもシーサーペントっぽくないんだよなぁー。
「どこにいるんだ?」
『ほら、あそこ』
触手を前の方に突き出して方向を教えてくれたが、見えない。
「距離はどんくらいだ?」
『およそ……800mくらいですかね』
「遠いわ! 見えねぇよ普通!」
『そ、そうでしたか! すみません……』
……今更だが、なんか、クラーケンって感じのキャラじゃなくね……?
「いや、別に構わない。視力が抜群に良いってだけだろ?」
『そう思って頂けて幸いです』
「ところで」
『なんです?』
「何で言葉を喋れるんだ?」
クラーケンが喋って、しかもこんな敬語で喋ってるのなんて聞いた事がない。
『魔法を使って、私の意思を貴方の脳に直接送っています』
「へぇ、要するに【テレパシー】的なのを使ってるって事か」
『そういう事です』
意外とモンスターにもそういうのを持ってる奴っているんだなー。
「うし、じゃああと800m分頑張って進むぞ」
『そうしましょう』
そして俺らは進――もうとした。
「…………あれ?」
「どうしたのイイジマ?」
「どうしたの……?」
『どうされました?』
「……レカは?」
「「『え』」」
辺りを見回すとレカがいなかった。
おいおい嘘だろ!? こんな場所で迷子かよ!
「本当だ! レカちゃんがいない!」
「一体……いつ……!?」
『私にも分かりませんでした……!』
くそ! 今度はレカが迷子になるとはな!
でもこのとんでもなく広い海で人探しなんて絶望的過ぎる。
一体どうすれば……!
『私に任せてくれないでしょうか?』
「何か手があるの!?」
ルリカが涙目でクラーケンにそう質問する。
『私のスキルで近くにいる超音波を出せる魔物を沢山テイムします。そしてその子達に探して来てもらいましょう』
「ナイスアイデアだ!」
それならすぐに見つかるかもしれない!
『ではやりますね……! 【招集】!』
すると、海水がグワンと揺れた。
そして物凄い勢いでこちらに迫って来たのは……
『『『『『キュキャキャキャキャ!』』』』』
イルカ……みたいなモンスターだった。
『【テイム】!』
よし、これでこのイルカ達はクラーケンにテイムされた状態になったのだろう。
『貴方方にはこの方達の仲間であるレカさんを探して来て頂きたいのです。出来ますか?』
『『『『『キュキャキャ!』』』』』
そう鳴くと、イルカ達は猛スピードで四方八方に散った。
『では、我々は先を急ぎましょう!』
「え、ここで待つんじゃないのか?」
『シーサーペントとの距離はまだまだあります。仮に戦闘になったとしても、途中で彼らがレカさんを運んで来てくれます』
「分かった、なら行こう」
そして俺らは、シーサーペントの元へと向かって進み始めた。
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※ この小説は『小説家になろう』にも掲載しています。
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