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《裏技》マスター、温泉に入る

お、お前らって温泉入れるの!?

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 温泉。

 それは、体と心の洗濯。

 入れば体の芯から温まり、めっちゃ良い気分で出られる。

 ――そのはずなんだが。

「えぇ……」

 脱衣所で周りを見る。

「いやー、温泉が楽しみだ」

「今日はどこの湯に?」

「白い湯に」

「良いねぇ~」

 一見普通の会話だろう。

 だが、喋ってる奴がおかしい。

 めっっちゃ、体が、機械なのだ。

 つまり、機械族マシットだ。

「なんで機械族がこんな所に……」

 一応機械族って精密機械だよな?

 じゃあ温泉に入っちゃダメだろ!

 取り敢えず俺も服を脱いで小さめのタオルを手に持って風呂場に入る。

 シャワーを浴びていると、機械族が普通にお湯に入っているのが見えた。

 し……信じられない……。

 インワドだったら機械族は水に入った瞬間故障しちゃうからな……。

 シャンプーやボディーソープを一通りやり、早速一番広い湯に入る。

 あったけぇー!

 ユ国がインワドでもかなり人気の国だったのがよく分かるぜ!

 ただなぁ……さっきから言ってるが、ホントなんで機械族が温泉に入ってるんだ……。

 いつか会おうかなーなんて思ってはいたがこんな所で会うとは思わなかった。

 一応俺は機械族達と仲が良い。

 流石に裏技バグの存在を教えたりはしなかったが、かなりの量のクエストをやって、よく物々交換をしていた。

 懐かしいーなー。

 そう思いながら湯を変える。

 脱衣所で聞いた白い湯だ。

「うわっ、本当に白いんだな……」

 足元に注意しないと転びそうだ……。

 ソーッと足を入れて段差に注意しつつ入る。

 おぉ~……さっきまで入ってた風呂より熱い……。

 でも普通に良い!

 その後、露天風呂へと向かった。

 風呂から出て外に行ったから、結構寒く感じた。

 というか露天風呂って外の気温と温度の熱さが混ざってちょうど良い温度になるから何気に好きだ。

「ふぃ~」

 近くの石に座るおじさんがいた。

 石の上ってひんやりしてて気持ち良いよなぁ~座る気持ち分かるわぁ~。

 と思った瞬間、そのおじさんが左胸に手を突っ込んだ!

「!?」

 な、何をしてるんだあのおじさん!

 すぐ止めようとしたが、おじさんが胸から何かを取り出したのを見てやめた。

 胸から取り出されたのは、プラグだった。

 ……え? プラグ?

 そしてそのおじさんは……。

「よいしょ」

 近くにあったコンセントにそれをブッ刺した。

「……」

 いや充電かよ!

 てかそんなプラグで充電出来んのかよ!

 しかもここ温泉なのに……なんでコンセントがあるんだ……。

 そう思いつつ中に戻ってサウナに入る。

 いやーサウナって木の匂いが良いんだよなぁー。

 ……でもな、ちょっと差別的な発言かもしれないが……。

 何で汗が出ない機械族がサウナに入ってるんだ?

 サウナって確か汗を流して体の汚れを流そうってやつだよな?

 え、ホント何でいるんだ? 単純に熱さを楽しみたいアッチ系の人達か?

「おい、どんくらい入ってる?」

「んー……7時間くらいかなぁー」

 猛者もさいた!

 サウナの猛者いた!

 てか余裕で世界記録超えてるなぁ!

 機械族……恐るべし……。

 そしてその後、水風呂に入る。

 水風呂はリアルでの温泉で一時間くらいずっと入ってた事があるくらい好きだ。

 足を入れて徐々に体を入れて行く。

 そして……

「ふぅ~……」

 肩まで浸かる。

 気持ちえぇ~……。

 そして普通に一時間入り続けた。

 そして最後にシャワーを浴びて、出た。

「いやぁー良かったなぁー」

 服を着て、近くの自販機に行く。

「やっぱ温泉から出たらこれだろ」

 お金を入れ、横にあるパネルから番号を入れる。

 そしてゴトンと音がして……

〝コーヒー牛乳〟が出てくる。

「これこれぇ~」

 腰に手を当て、グビッと一気飲み。

「ぷはぁー! 最高!」

 近くの瓶置き場にからになった牛乳瓶を置き、温泉を出た。

「あ、イイジマ来た!」

「イイジマー!」

「イイジマ……」

「温泉どうだった?」

「凄い気持ちよかったわ。でも……」

 ルリカが周りの人を見る。

「分かってる。機械族だろ?」

「ええ」

「まぁ、温泉に入りたすぎて防水機能でも手に入れたんじゃないか?」

「そんな理由な訳ないでしょ!」

 ルリカが大爆笑する。

 それに釣られてレカもニルも笑う。

「んじゃ、宿に帰って少し休んだら早速クエスト受けるぞー」

「「「おー!」」」

 そして俺らは宿に帰った。
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