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《裏技》マスター、魔族と戦う
脱! 初期装備!
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レカとテントに戻ると、魔族の全員が跪いた。
そしてレカ・ワーモットという名前になったと説明をし、これからは魔王様か、レカ様と呼ぶ事になった。
まあ魔王様と呼ぶ事が癖になっているだろうから、対して変わらないだろうが。
「今から何するんだっけー?」
「今から魔王様の反対派との戦いを今後どうやっていくかという会議をいたします」
「うーん……難しそう……」
「そうですね……しかし小耳に挟む程度には聞いていた方が良いかと。魔王様の今後に関わる事でもありますので」
「分かった!」
レカが近くの椅子に座ると、地図を囲って会議が行われた。
「まず、ギラ台地の反対派の対処を考えましょう」
「そうだな、まずはそこを潰さないとだしな」
ギラ台地……遮蔽物なんて呼べる物は一つもない完全な更地のあそこか……。
「反対派はギラ台地の東側に拠点を築いているので、やはりここをどうにかしないと……」
「しかしな……あいつらの守りは強固だ。誰でも簡単に使えるのに、遠距離から凄まじい攻撃ができる聖魔法を習得しているからな」
聖魔法というのは唯一魔族に効く魔法だ。
しかし聖魔法はどれも個性が強く中々扱いにくい。
そして扱えたとしても普通の魔法と同じくらいの強さなので、魔族を狩る者以外は誰も手にしない魔法だ。
俺は扱えるには扱えるのだが……聖魔法は大半が使い道があまりない裏技だし、強い裏技も状況にかなり左右される裏技なので、取っていない。
「その魔法は何か突き止めたか?」
「申し訳ありません……まだ何の魔法か分かっておりません……」
「うぅむ……向こうは隠すのも上手いのか……」
な、なんか聞いてる限り俺らが凄い不利に聞こえるんだけど?
というか不利じゃなかったら援軍なんて呼ばないか。
「拠点に変化は?」
「今のところ見られません」
「ならば……【透明化】を使い、近くまで忍び寄り聖魔法、もしくは弓矢や剣などの物理攻撃をするしかないか……」
「そんな古典的な方法ではすぐにバレてしまいます!」
「ではどうすれば良いのだろうか……」
ちょーっと発言してみるか。
「あのぉー……」
全員が俺を見る。
いやぁー圧が凄いっすね!
「えと……俺が片付けてこようか?」
「「「は?」」」
皆口をポカンと開ける。
「すまない、今なんと?」
「俺が片付けると言った」
「ふざけているのか?」
ガッシリとした鎧を着た奴が俺を睨む。
「いや、全然」
「ギラ台地の魔王反対派拠点はここ数ヶ月全部返り討ちになっているんだ。
君は確かに魔力が凄い様だが、一人で片付ける? ハッ、笑わせるな」
「なら大爆笑してろ、やってやる」
そう言うと悔しそうな顔をしてどこかへ行ってしまった。
「ねえイイジマー」
いつの間にか背後にいたレカに声をかけられた。
「どうした?」
「その服で戦うのー?」
あ、完全に忘れてた。
俺今初期装備じゃねぇか。
「あー……どうしようかな……」
「服あげる!」
「え!?」
服くれるってマジすか?
インワドでは服はかなりの貴重品になる。
そりゃあ素材の入手先が大抵魔物だからそうなる。
なのでそれを貰えるってのは凄いありがたい。
「着いてきて!」
リレオとルリカと共にレカに付いていく。
魔王城に入り、レカが何やら厳重そうな扉を開ける。
「おおおお……」
「うわぁ……!」
「どれか選んでいーよー!」
ルリカが口に手を当てて驚いている。
部屋には沢山の高級そうな服が大量にあった。
いやエッグ! この量はエグい!
普通に何百着かはありそうだ。
「本当に良いのか?」
「イイジマなら良いよー! あっ、ルリカさんも良いよー」
という訳で部屋に入って沢山の服を見る。
うーんて…どれもこれも凄い服だ。
一応触ると防御力とかそこら辺が見れるのだが、全部高い。
「これにしようか……あいやこれにするか……」
無茶苦茶悩む。
流石に何着も持っていくのは失礼だと思うので一着だけにするのだが、色々ありすぎてヤバい。
「マジでどれにしようか……うん?」
一つの服が目に入る。
「これは……」
触って効果とか防御力を見てみる。
『黒龍の皮服(一式)
防御力:1136
効果:物理攻撃耐性大幅UP 魔法攻撃耐性大幅UP 自動HP回復(中) 自動MP回復(中) 自動修復(超) 気温耐性(大)』
待て待て待て待て性能がバグってるだろこれ!
攻撃耐性大幅UPに自動回復、さらには自動修復と気温耐性!?
インワド作者これ設定ミスってるぞ絶対!
しかもこれ見た目カッコいいし!
「これにする」
「おー! おめがーたかい? ね!」
「ありがと」
早速部屋の隅っこに行って着替える。
「結構着心地良いな……」
なんかサラサラしてる感じだ。
因みに見た目はどんなもんかというと、黒くてシュッとしたコートみたいな感じだ。
さてさて、ルリカの方は……
「わ、私はこれにしようかしら」
普通に、冒険者っぽい服を選んでいた。
まあ効果に『自動修復(超)』が付いていたので壊れる事はないだろうし、中々良い選択だろう。
「んじゃ、行ってくるか」
「行ってらっしゃーい!」
そしてリレオとルリカと共に、ギラ台地へと馬に乗って向かった。
そしてレカ・ワーモットという名前になったと説明をし、これからは魔王様か、レカ様と呼ぶ事になった。
まあ魔王様と呼ぶ事が癖になっているだろうから、対して変わらないだろうが。
「今から何するんだっけー?」
「今から魔王様の反対派との戦いを今後どうやっていくかという会議をいたします」
「うーん……難しそう……」
「そうですね……しかし小耳に挟む程度には聞いていた方が良いかと。魔王様の今後に関わる事でもありますので」
「分かった!」
レカが近くの椅子に座ると、地図を囲って会議が行われた。
「まず、ギラ台地の反対派の対処を考えましょう」
「そうだな、まずはそこを潰さないとだしな」
ギラ台地……遮蔽物なんて呼べる物は一つもない完全な更地のあそこか……。
「反対派はギラ台地の東側に拠点を築いているので、やはりここをどうにかしないと……」
「しかしな……あいつらの守りは強固だ。誰でも簡単に使えるのに、遠距離から凄まじい攻撃ができる聖魔法を習得しているからな」
聖魔法というのは唯一魔族に効く魔法だ。
しかし聖魔法はどれも個性が強く中々扱いにくい。
そして扱えたとしても普通の魔法と同じくらいの強さなので、魔族を狩る者以外は誰も手にしない魔法だ。
俺は扱えるには扱えるのだが……聖魔法は大半が使い道があまりない裏技だし、強い裏技も状況にかなり左右される裏技なので、取っていない。
「その魔法は何か突き止めたか?」
「申し訳ありません……まだ何の魔法か分かっておりません……」
「うぅむ……向こうは隠すのも上手いのか……」
な、なんか聞いてる限り俺らが凄い不利に聞こえるんだけど?
というか不利じゃなかったら援軍なんて呼ばないか。
「拠点に変化は?」
「今のところ見られません」
「ならば……【透明化】を使い、近くまで忍び寄り聖魔法、もしくは弓矢や剣などの物理攻撃をするしかないか……」
「そんな古典的な方法ではすぐにバレてしまいます!」
「ではどうすれば良いのだろうか……」
ちょーっと発言してみるか。
「あのぉー……」
全員が俺を見る。
いやぁー圧が凄いっすね!
「えと……俺が片付けてこようか?」
「「「は?」」」
皆口をポカンと開ける。
「すまない、今なんと?」
「俺が片付けると言った」
「ふざけているのか?」
ガッシリとした鎧を着た奴が俺を睨む。
「いや、全然」
「ギラ台地の魔王反対派拠点はここ数ヶ月全部返り討ちになっているんだ。
君は確かに魔力が凄い様だが、一人で片付ける? ハッ、笑わせるな」
「なら大爆笑してろ、やってやる」
そう言うと悔しそうな顔をしてどこかへ行ってしまった。
「ねえイイジマー」
いつの間にか背後にいたレカに声をかけられた。
「どうした?」
「その服で戦うのー?」
あ、完全に忘れてた。
俺今初期装備じゃねぇか。
「あー……どうしようかな……」
「服あげる!」
「え!?」
服くれるってマジすか?
インワドでは服はかなりの貴重品になる。
そりゃあ素材の入手先が大抵魔物だからそうなる。
なのでそれを貰えるってのは凄いありがたい。
「着いてきて!」
リレオとルリカと共にレカに付いていく。
魔王城に入り、レカが何やら厳重そうな扉を開ける。
「おおおお……」
「うわぁ……!」
「どれか選んでいーよー!」
ルリカが口に手を当てて驚いている。
部屋には沢山の高級そうな服が大量にあった。
いやエッグ! この量はエグい!
普通に何百着かはありそうだ。
「本当に良いのか?」
「イイジマなら良いよー! あっ、ルリカさんも良いよー」
という訳で部屋に入って沢山の服を見る。
うーんて…どれもこれも凄い服だ。
一応触ると防御力とかそこら辺が見れるのだが、全部高い。
「これにしようか……あいやこれにするか……」
無茶苦茶悩む。
流石に何着も持っていくのは失礼だと思うので一着だけにするのだが、色々ありすぎてヤバい。
「マジでどれにしようか……うん?」
一つの服が目に入る。
「これは……」
触って効果とか防御力を見てみる。
『黒龍の皮服(一式)
防御力:1136
効果:物理攻撃耐性大幅UP 魔法攻撃耐性大幅UP 自動HP回復(中) 自動MP回復(中) 自動修復(超) 気温耐性(大)』
待て待て待て待て性能がバグってるだろこれ!
攻撃耐性大幅UPに自動回復、さらには自動修復と気温耐性!?
インワド作者これ設定ミスってるぞ絶対!
しかもこれ見た目カッコいいし!
「これにする」
「おー! おめがーたかい? ね!」
「ありがと」
早速部屋の隅っこに行って着替える。
「結構着心地良いな……」
なんかサラサラしてる感じだ。
因みに見た目はどんなもんかというと、黒くてシュッとしたコートみたいな感じだ。
さてさて、ルリカの方は……
「わ、私はこれにしようかしら」
普通に、冒険者っぽい服を選んでいた。
まあ効果に『自動修復(超)』が付いていたので壊れる事はないだろうし、中々良い選択だろう。
「んじゃ、行ってくるか」
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