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第23話 ホームパーティ
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「今度の金曜日、ウチに遊びに来ないか?」
バイト先で仲良くなった中山からの誘いだった。
「両親が出かけていないんだよ。宮本さんも来るって」
バイトリーダーの宮本さんのことだ。
バイト歴が一番長く、仕事も真面目なのだが、女好きでAVマニアの一面もある。
「宮本さんが来るっていうことは……」
「なんかまた、新しいエロ動画がいろいろあるらしいから、見せてもらえることになってるんだ」
「行く! 行くよ、絶対!」
興奮して二人で話していると、
「どこに行くんですか?」
いつの間にか背後に桜井さんが立っていた。
「い、いや。本屋に。本屋に行こうかなーって。中山が参考書を買いたいって言うから」
「そうそう。いいのないかなって相談してたんだ」
「ふーん。なんか、怪しいですね……」
「そんなことないよ。たしかに俺たち、ちょっとミステリアスなところがあるけど、まあ、それが女の子達に魅力的に映るのかな……」
と、ごまかしたが、かなり怪しまれていたようだ。
そして当日。
バイトが終わると、中山と一緒に家に向かった。
途中のコンビニでジュースやお菓子を買う。
店を出ると、
「お腹に溜まるものがあった方がいいかと思って、おにぎりを作ってきました」
大きな袋を持った桜井さんが立っていた。
いきなりの出現に驚いていると、
「さぁ、行きましょう」
と言って、さっさと歩き出す。
こっそり、反対側から家に行こうとしたが、すぐに気づかれてしまった。
嬉しそうにニコニコ笑っている桜井さんを追い返すわけにもいかず、3人で中山の家に入った。
桜井さんは、あたかも自分主催のパーティーの準備でもするかのように、テキパキと皿やコップを並べていった。
そうしているうちに宮本さんが到着した。
桜井さんがいるのに驚いていたが、短いスカートと、胸元の大きく空いた服を見て、嬉しそうにニヤニヤ笑って、「いいじゃん、いいじゃん」と言っていた。
「あれー、これ、お酒じゃないですか」
宮本さんが持ってきた袋を開けて並べていた桜井さんが驚いた声で言った。
「ダメですよ、みんなまだ高校生なんですから」
「いいじゃん、少しくらい」
変に真面目な桜井さんをなだめながら準備を続ける。
「かんぱーい」
いろいろなフルーツ味のチューハイで乾杯した。
「けっこう美味しいですね。ジュースみたいです」
「だろう。いっぱい持ってきたから、じゃんじゃん飲んでいいぞ」
「よーし、吐くまで飲むぞ!」
「やめろ、吐くなら自分ちで吐け」
「このおにぎりも美味しい!」
「やったー、私が握ったんですよ」
「ん?なんだこれ? ……バナナだ!」
おにぎりの中にバナナが入っていた。
「なんか、具を探したんですけど、何もなくて。時間もなかったから、近くにあったもので、ご飯に合いそうなものを入れてみたんです」
「バナナは合わない」
「だって、カレーとかに入れることもあるじゃないですか」
「カレーはいいけど、これはおにぎり!」
「もしかして、全部バナナ?」
「あとは、納豆、ミニトマト、お寿司風にワサビ、昨日の夕飯の残りのミートボールのも2個だけあります」
「おれそのミートボールがいい」
「おれも」
「あとは全部罰ゲームじゃん……」
そんなことを言いながら騒いでいると、急に桜井さんが真面目な顔で言い出した。
「ところで、何か見せてもらえるって言ってましたけど、何ですか? 何か宮本君が持ってくるって」
「えっ」
「……」
みんな固まってしまった。
ちょっと気まずい空気が流れる。
「もしかして、あたしに見せられないようなものなんれすか」
桜井さんが、座った目で身を乗り出して迫ってくる。
前屈みになった姿勢なので、大きく開いた胸元から、ピンクのブラジャーが見える。
しかも、あまり胸が大きくないため、ブラジャーとの間に隙間ができて、胸のポッチが見えている。
見えているのは自分だけではないようだ。
他の二人も目を皿のようにして覗き込んでいる。
「聞いてんれすか」
全然迫力のない口調でせまってくる。
胸元が見えなくなったのか、宮本さんが我に返ったように鞄から何かを取り出す。
DVDだ。
桜井さんが手に取る。
どのパッケージも、裸のお姉さんがこっちにエロい視線を投げかけている。
「これって、アダルトビデオじゃないですか」
バイト先で仲良くなった中山からの誘いだった。
「両親が出かけていないんだよ。宮本さんも来るって」
バイトリーダーの宮本さんのことだ。
バイト歴が一番長く、仕事も真面目なのだが、女好きでAVマニアの一面もある。
「宮本さんが来るっていうことは……」
「なんかまた、新しいエロ動画がいろいろあるらしいから、見せてもらえることになってるんだ」
「行く! 行くよ、絶対!」
興奮して二人で話していると、
「どこに行くんですか?」
いつの間にか背後に桜井さんが立っていた。
「い、いや。本屋に。本屋に行こうかなーって。中山が参考書を買いたいって言うから」
「そうそう。いいのないかなって相談してたんだ」
「ふーん。なんか、怪しいですね……」
「そんなことないよ。たしかに俺たち、ちょっとミステリアスなところがあるけど、まあ、それが女の子達に魅力的に映るのかな……」
と、ごまかしたが、かなり怪しまれていたようだ。
そして当日。
バイトが終わると、中山と一緒に家に向かった。
途中のコンビニでジュースやお菓子を買う。
店を出ると、
「お腹に溜まるものがあった方がいいかと思って、おにぎりを作ってきました」
大きな袋を持った桜井さんが立っていた。
いきなりの出現に驚いていると、
「さぁ、行きましょう」
と言って、さっさと歩き出す。
こっそり、反対側から家に行こうとしたが、すぐに気づかれてしまった。
嬉しそうにニコニコ笑っている桜井さんを追い返すわけにもいかず、3人で中山の家に入った。
桜井さんは、あたかも自分主催のパーティーの準備でもするかのように、テキパキと皿やコップを並べていった。
そうしているうちに宮本さんが到着した。
桜井さんがいるのに驚いていたが、短いスカートと、胸元の大きく空いた服を見て、嬉しそうにニヤニヤ笑って、「いいじゃん、いいじゃん」と言っていた。
「あれー、これ、お酒じゃないですか」
宮本さんが持ってきた袋を開けて並べていた桜井さんが驚いた声で言った。
「ダメですよ、みんなまだ高校生なんですから」
「いいじゃん、少しくらい」
変に真面目な桜井さんをなだめながら準備を続ける。
「かんぱーい」
いろいろなフルーツ味のチューハイで乾杯した。
「けっこう美味しいですね。ジュースみたいです」
「だろう。いっぱい持ってきたから、じゃんじゃん飲んでいいぞ」
「よーし、吐くまで飲むぞ!」
「やめろ、吐くなら自分ちで吐け」
「このおにぎりも美味しい!」
「やったー、私が握ったんですよ」
「ん?なんだこれ? ……バナナだ!」
おにぎりの中にバナナが入っていた。
「なんか、具を探したんですけど、何もなくて。時間もなかったから、近くにあったもので、ご飯に合いそうなものを入れてみたんです」
「バナナは合わない」
「だって、カレーとかに入れることもあるじゃないですか」
「カレーはいいけど、これはおにぎり!」
「もしかして、全部バナナ?」
「あとは、納豆、ミニトマト、お寿司風にワサビ、昨日の夕飯の残りのミートボールのも2個だけあります」
「おれそのミートボールがいい」
「おれも」
「あとは全部罰ゲームじゃん……」
そんなことを言いながら騒いでいると、急に桜井さんが真面目な顔で言い出した。
「ところで、何か見せてもらえるって言ってましたけど、何ですか? 何か宮本君が持ってくるって」
「えっ」
「……」
みんな固まってしまった。
ちょっと気まずい空気が流れる。
「もしかして、あたしに見せられないようなものなんれすか」
桜井さんが、座った目で身を乗り出して迫ってくる。
前屈みになった姿勢なので、大きく開いた胸元から、ピンクのブラジャーが見える。
しかも、あまり胸が大きくないため、ブラジャーとの間に隙間ができて、胸のポッチが見えている。
見えているのは自分だけではないようだ。
他の二人も目を皿のようにして覗き込んでいる。
「聞いてんれすか」
全然迫力のない口調でせまってくる。
胸元が見えなくなったのか、宮本さんが我に返ったように鞄から何かを取り出す。
DVDだ。
桜井さんが手に取る。
どのパッケージも、裸のお姉さんがこっちにエロい視線を投げかけている。
「これって、アダルトビデオじゃないですか」
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