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51 災厄
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着の身着のままでこの世界に放り込まれてから一年半。
いろいろあったが、なんとか生き伸びている。
というか、この世界の基準で見れば、結構良い暮らしを満喫しているのだった。
衣食住に困ってもいないし、手足のように動いてくれるシモベもいるし、少々狂暴だが良く出来た妻までいるのだから、不満を言うと罰が当たりそうだ。
「う~ん、暇すぎて怖いくらいだな……」
『これ! 暇なら魔導師らしく、魔術の研究でもすべきじゃろうが。
人の命は短いのじゃから』
『でもなぁ。こういう暇な時間って嫌いじゃないんだよなぁ。
ある意味、これこそが俺の求めてることだし』
『前にも言ったが、こういう時こそ危険なのじゃ。
思わぬ災厄に見舞われるかもしれぬ。気を引き締めるのじゃ』
『なんか戦国武将みたいなこと言うよな』
『戦国武将じゃと? なんじゃそれは?
ムム……、ほぉ、なるほど。確かにそうじゃのぉ』
クロゼルが俺の記憶をたどって、独りで納得した。
俺はスケルトンやゴーレムたちの記憶をデータベースにしているが、クロゼルも俺の記憶をデータベース代わりにしている。
言葉がスムーズに間違いなく伝わるから楽といえば楽だが、嘘やごまかしはまったく通用しない。あまり深く考えると息が詰まるので、俺としては半分諦めの境地というか、神様と話をしていると思うようにしている。
疲れを知らず、肉体由来の欲もないクロゼルは知識欲が旺盛なのだ。何かことあるごとに俺の記憶を読んでは、知見を広げている。そんなクロゼルでも俺の記憶を好きなように全て読み尽くすことはできないらしい。人の記憶を漫然と閲覧することは結構難しいらしく、記憶をたどる都度、何かしらのキーワードが必要になるのだと言う。よく分からないが、大昔のコンソールアプリでネット検索するような感じだろうか。
「イチロウ、今晩何が食べたい?」
クロゼルの姿が見えないリサが話をぶった切った。
食材の調達にあまり困らなくなったので、リサは最近料理にハマっている。
味にうるさい俺の影響を受けたのか、調味料もそれなりに買い集めているのだ。
俺としては和食が恋しいのだが、米も醤油も味噌も見つからないからなぁ。行商人たちの話では海のある国には、魚醤があるらしいのだが、この辺りでは全く流通していない。海産物など夢のまた夢だ。ひょっとしたら、干物なら手に入るかもしれないが……。
「じゃぁ、天ぷら」
天ぷらは俺がリサに教えたものだ。
油と小麦粉と卵が手に入れば、中身は何でもいいし、作るのもそれ程難しくないしな。
鹿の脂なら余りまくってるから、それを使った揚げ物は我が家では定番メニューになっている。鹿肉のカツや野鳥の唐揚げなんかもよく作る。
野菜を煮詰めて酢と塩で味を調えたリサ特製のソースは、こういった揚げ物によく合うのだった。天ぷらなら、天つゆと大根おろしが欲しいところだが、材料が手に入らないからなぁ。
「良いねぇ! 天ぷら! 野菜採ってくるね」
天ぷらはリサも大好物だ。しかし、あまり揚げ物ばかりだと健康に悪いかもしれない。
今晩の天ぷらの具材は、野鳥の肉、鹿肉、ニャガ芋、ナース、カブーラの葉、シイタケ(によく似たキノコ)、どれも畑や森でとれたものだ。サツマイモやカボチャも欲しいところだが、この辺りでは見かけない。まぁ、ないものねだりをしても仕方がないか。
天ぷらの衣は、めんどくさがりが作った方が上手くいく。小麦粉のダマが残って粉っぽいくらいがちょうど良いのだ。だから、衣作りは俺の担当。
リサが温めの魔法で鹿の脂を加熱。
薪だと火加減が難しいが、魔法だから温度調節は自由自在だし、熱が通るのも早い。それに、かまどで調理する必要もないのだ。
「じゃあ、どんどん揚げていこう!」
食卓に置いた鍋で食材を揚げつつ食う。やはり揚げたてが一番。
こういう食事ができるのもリサの生活魔法があるからだな。
残念ながら、天ぷらには硬いパンが合わないので、今晩の主食はニャガ芋。米ならたいていのものが合うんだけどなとか、またないものねだりをしてしまう。
ワイワイ言いながら天ぷらを食ってると、ベロニカがのっそりと起きてくる。
俺たちの夕飯がベロニカにとっては朝飯になるのだ。
夜中は適当な食材をあさって食ってるらしい。
「ベロニカ、今日は街へ行くのか?」
「今日は行かないわ」
「じゃぁ、夜の間は何してるんだ?」
「空を飛んだり、森の散策したり、部屋で本を読んだりよ」
「ふぅん。ちゃんと護符を身につけておくんだぞ」
「わかってるわよ、うるさいわね!」
バンパイアハンターが持っていた邪眼除けの護符がちょうど三枚あったので、俺たちがそれぞれ身につけておくことにしたのだ。護符の効果はさほど大きなものではないが、身一つでいるよりはだいぶマシだろうからな。
ベロニカは一度さらわれてるし、ちょっと考えが足りないところがある。専属の護衛としてニンジャを一体つけているが、さすがにニンジャでも空は飛べないからな。上空で何かあっても対処が出来ないし。
「だいたい私はあなたたちよりもずっと年上なのよ。
なんで子供に心配されないといけないのよ!」
ベロニカはぶつくさ言いながらも、天ぷらをほおばり、酒をあおる。
「それはお前がマヌケだからだろうが。
俺はお前のマスターだし、年は関係ないの!」
「もう! イチロウ、やめなさいよ」
「リサはベロニカに甘すぎるぞ。
だいたい、この生活のどこに不満があるって言うんだよ。
高い服、美味い酒、安全な住処、全てそろってるだろうが」
「それは、そうだけど」
「ぐぬぬぬ……」
「いい機会だから聞いてやる。ベロニカ、なにか不満でもあるのか?」
「うぐっ。べ、別に不満はないわよ……」
なぜかベロニカがあわてだす。
いったい何を隠しているのか。
『あやつには肉体があるからのぉ。肉体由来の欲が残っておるのじゃ。
もう不要なはずじゃが、食欲もあれば、睡眠欲もある。それに、フフフ……』
『つまりあれか? あっちの欲がたまって、イライラしてるってことか?』
『フフフ、そういうことじゃ。これじゃから吸血鬼は面倒なのじゃ。
放っておいても死にはせんが、いずれ近いうちに正気を失うじゃろうの』
『うわっ。なんとかならないの?』
『そんなもの、お主が抱いてやれば簡単に解決するわぃ』
『う~ん。こんなことなら、あの時の救出は遅らせるべきだったか……』
気は進まないが、やはりリサにも事情を話しておくべきだろう。
どういうリアクションが返ってくるかは予想できるから怖い。
「あの、リサお嬢様、ちょっと……」
「なっ! なによイチロウ、変な呼び方してぇ」
「いいから、ちょっとこっちへ」
「えぇ、なに?」
「かくかくしかじかでゴニョニョ――」
「……えぇ!? もう!」
ドスッ!
リサのボディブローが炸裂する。
「ぐふっ! でも仕方ないだろうが」
「……わかったわよ! もう!」
ドスッ!
リサのボディブローが再度炸裂した。
「ぐぇ! すまない……」
リサは寝室に引っ込んでしまった。
「ベロニカ、一緒に来るんだ」
「なに? なにするつもりよ!」
「ナニするつもりだ」
「ちょっ! ちょっと、待ちなさいよ!」
「ダメ。これは命令な」
「うぐっ!――かしこまりました。マスター」
俺とベロニカは連れ立って地下室へ降りた。
小一時間後。
なんだか肌がツヤツヤになり、満足そうな顔で横になっているベロニカを残して、地下室を出た。通常のナニよりも疲労が激しく、クラクラする。
『しものほうから精気を吸われたのかもしれん』
『ふむ、その可能性もあるのぉ。フフフ……』
「リサお嬢様。入りますよ」
俺は寝室の扉を慎重に開ける。
「なによ、もう!」
ドスッ!
リサの怒りのボディブローが炸裂する。
「ぐふっ!」
洗濯の魔法と回復の魔法をかけられた俺は、この日は朝まで眠らせてもらえなかった。
「腎虚」という単語が頭にチラつきだしたころ、ようやくリサは許してくれたのだった。
『災厄ってこのことだったのかよ』
『フフフ……』
いろいろあったが、なんとか生き伸びている。
というか、この世界の基準で見れば、結構良い暮らしを満喫しているのだった。
衣食住に困ってもいないし、手足のように動いてくれるシモベもいるし、少々狂暴だが良く出来た妻までいるのだから、不満を言うと罰が当たりそうだ。
「う~ん、暇すぎて怖いくらいだな……」
『これ! 暇なら魔導師らしく、魔術の研究でもすべきじゃろうが。
人の命は短いのじゃから』
『でもなぁ。こういう暇な時間って嫌いじゃないんだよなぁ。
ある意味、これこそが俺の求めてることだし』
『前にも言ったが、こういう時こそ危険なのじゃ。
思わぬ災厄に見舞われるかもしれぬ。気を引き締めるのじゃ』
『なんか戦国武将みたいなこと言うよな』
『戦国武将じゃと? なんじゃそれは?
ムム……、ほぉ、なるほど。確かにそうじゃのぉ』
クロゼルが俺の記憶をたどって、独りで納得した。
俺はスケルトンやゴーレムたちの記憶をデータベースにしているが、クロゼルも俺の記憶をデータベース代わりにしている。
言葉がスムーズに間違いなく伝わるから楽といえば楽だが、嘘やごまかしはまったく通用しない。あまり深く考えると息が詰まるので、俺としては半分諦めの境地というか、神様と話をしていると思うようにしている。
疲れを知らず、肉体由来の欲もないクロゼルは知識欲が旺盛なのだ。何かことあるごとに俺の記憶を読んでは、知見を広げている。そんなクロゼルでも俺の記憶を好きなように全て読み尽くすことはできないらしい。人の記憶を漫然と閲覧することは結構難しいらしく、記憶をたどる都度、何かしらのキーワードが必要になるのだと言う。よく分からないが、大昔のコンソールアプリでネット検索するような感じだろうか。
「イチロウ、今晩何が食べたい?」
クロゼルの姿が見えないリサが話をぶった切った。
食材の調達にあまり困らなくなったので、リサは最近料理にハマっている。
味にうるさい俺の影響を受けたのか、調味料もそれなりに買い集めているのだ。
俺としては和食が恋しいのだが、米も醤油も味噌も見つからないからなぁ。行商人たちの話では海のある国には、魚醤があるらしいのだが、この辺りでは全く流通していない。海産物など夢のまた夢だ。ひょっとしたら、干物なら手に入るかもしれないが……。
「じゃぁ、天ぷら」
天ぷらは俺がリサに教えたものだ。
油と小麦粉と卵が手に入れば、中身は何でもいいし、作るのもそれ程難しくないしな。
鹿の脂なら余りまくってるから、それを使った揚げ物は我が家では定番メニューになっている。鹿肉のカツや野鳥の唐揚げなんかもよく作る。
野菜を煮詰めて酢と塩で味を調えたリサ特製のソースは、こういった揚げ物によく合うのだった。天ぷらなら、天つゆと大根おろしが欲しいところだが、材料が手に入らないからなぁ。
「良いねぇ! 天ぷら! 野菜採ってくるね」
天ぷらはリサも大好物だ。しかし、あまり揚げ物ばかりだと健康に悪いかもしれない。
今晩の天ぷらの具材は、野鳥の肉、鹿肉、ニャガ芋、ナース、カブーラの葉、シイタケ(によく似たキノコ)、どれも畑や森でとれたものだ。サツマイモやカボチャも欲しいところだが、この辺りでは見かけない。まぁ、ないものねだりをしても仕方がないか。
天ぷらの衣は、めんどくさがりが作った方が上手くいく。小麦粉のダマが残って粉っぽいくらいがちょうど良いのだ。だから、衣作りは俺の担当。
リサが温めの魔法で鹿の脂を加熱。
薪だと火加減が難しいが、魔法だから温度調節は自由自在だし、熱が通るのも早い。それに、かまどで調理する必要もないのだ。
「じゃあ、どんどん揚げていこう!」
食卓に置いた鍋で食材を揚げつつ食う。やはり揚げたてが一番。
こういう食事ができるのもリサの生活魔法があるからだな。
残念ながら、天ぷらには硬いパンが合わないので、今晩の主食はニャガ芋。米ならたいていのものが合うんだけどなとか、またないものねだりをしてしまう。
ワイワイ言いながら天ぷらを食ってると、ベロニカがのっそりと起きてくる。
俺たちの夕飯がベロニカにとっては朝飯になるのだ。
夜中は適当な食材をあさって食ってるらしい。
「ベロニカ、今日は街へ行くのか?」
「今日は行かないわ」
「じゃぁ、夜の間は何してるんだ?」
「空を飛んだり、森の散策したり、部屋で本を読んだりよ」
「ふぅん。ちゃんと護符を身につけておくんだぞ」
「わかってるわよ、うるさいわね!」
バンパイアハンターが持っていた邪眼除けの護符がちょうど三枚あったので、俺たちがそれぞれ身につけておくことにしたのだ。護符の効果はさほど大きなものではないが、身一つでいるよりはだいぶマシだろうからな。
ベロニカは一度さらわれてるし、ちょっと考えが足りないところがある。専属の護衛としてニンジャを一体つけているが、さすがにニンジャでも空は飛べないからな。上空で何かあっても対処が出来ないし。
「だいたい私はあなたたちよりもずっと年上なのよ。
なんで子供に心配されないといけないのよ!」
ベロニカはぶつくさ言いながらも、天ぷらをほおばり、酒をあおる。
「それはお前がマヌケだからだろうが。
俺はお前のマスターだし、年は関係ないの!」
「もう! イチロウ、やめなさいよ」
「リサはベロニカに甘すぎるぞ。
だいたい、この生活のどこに不満があるって言うんだよ。
高い服、美味い酒、安全な住処、全てそろってるだろうが」
「それは、そうだけど」
「ぐぬぬぬ……」
「いい機会だから聞いてやる。ベロニカ、なにか不満でもあるのか?」
「うぐっ。べ、別に不満はないわよ……」
なぜかベロニカがあわてだす。
いったい何を隠しているのか。
『あやつには肉体があるからのぉ。肉体由来の欲が残っておるのじゃ。
もう不要なはずじゃが、食欲もあれば、睡眠欲もある。それに、フフフ……』
『つまりあれか? あっちの欲がたまって、イライラしてるってことか?』
『フフフ、そういうことじゃ。これじゃから吸血鬼は面倒なのじゃ。
放っておいても死にはせんが、いずれ近いうちに正気を失うじゃろうの』
『うわっ。なんとかならないの?』
『そんなもの、お主が抱いてやれば簡単に解決するわぃ』
『う~ん。こんなことなら、あの時の救出は遅らせるべきだったか……』
気は進まないが、やはりリサにも事情を話しておくべきだろう。
どういうリアクションが返ってくるかは予想できるから怖い。
「あの、リサお嬢様、ちょっと……」
「なっ! なによイチロウ、変な呼び方してぇ」
「いいから、ちょっとこっちへ」
「えぇ、なに?」
「かくかくしかじかでゴニョニョ――」
「……えぇ!? もう!」
ドスッ!
リサのボディブローが炸裂する。
「ぐふっ! でも仕方ないだろうが」
「……わかったわよ! もう!」
ドスッ!
リサのボディブローが再度炸裂した。
「ぐぇ! すまない……」
リサは寝室に引っ込んでしまった。
「ベロニカ、一緒に来るんだ」
「なに? なにするつもりよ!」
「ナニするつもりだ」
「ちょっ! ちょっと、待ちなさいよ!」
「ダメ。これは命令な」
「うぐっ!――かしこまりました。マスター」
俺とベロニカは連れ立って地下室へ降りた。
小一時間後。
なんだか肌がツヤツヤになり、満足そうな顔で横になっているベロニカを残して、地下室を出た。通常のナニよりも疲労が激しく、クラクラする。
『しものほうから精気を吸われたのかもしれん』
『ふむ、その可能性もあるのぉ。フフフ……』
「リサお嬢様。入りますよ」
俺は寝室の扉を慎重に開ける。
「なによ、もう!」
ドスッ!
リサの怒りのボディブローが炸裂する。
「ぐふっ!」
洗濯の魔法と回復の魔法をかけられた俺は、この日は朝まで眠らせてもらえなかった。
「腎虚」という単語が頭にチラつきだしたころ、ようやくリサは許してくれたのだった。
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『フフフ……』
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