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3話 ボクの未来を変えるには?②
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3話
「……ねぇ、冒険者ギルドに連れて行ってよジョセフ~!お願いだからぁ!」
「ダメですよフルーリ様、そんな野蛮なところに連れて行ってフルーリ様が怪我でもしたら俺が罰せられてしまいます!」
そうして、ボクは掃除をしていたまだ歳若い新人の使用人……ジョセフにおねだりをしていた。
だって、その辺にいたメイド長のリゼットに「強くなるにはどうしたらいいの?」って聞いたら、「そうですねぇ、冒険者ギルドの依頼を受けて魔物でも狩ればいずれは強くなるでしょう、死ぬかもしれませんが」って言われたんだよ。リゼットはボクにそんな度胸が無いと思って冗談で脅したのかもしれないけど、ボクは本気だからね。
「……ボクの美しい顔に免じてもダメ?」
「……ダメです」
「だいじょうぶだよ、お父様もお兄様たちもボクのことなんか気にしてないからさ、ちょっとお出かけするって言ったらバレないよ」
「……」
「ジョセフ、とっても強いって聞いたんだ」
「まあ、この屋敷の中でも腕が立つ方ではありますがね?」
「ボク、強くなるためにジョセフに剣や魔法を教わりたいんだ。それに、早めに冒険者ギルドの仕組みを知っていて悪いことは無いでしょ?」
「……まぁ、確かにそうですね」
計算通り。頭の固い中堅、ベテランの使用人じゃなくて新人のジョセフっていうところがミソだよ。それに、ジョセフが魔法や剣の使い手としてとても優秀なのは事実だしね。だからジョセフに着いてきて貰えばボクが怪我をさせられることは無いだろう。それにジョセフは脳筋っぽいからチョロそうだし……まあ実際その通りだった訳だけど。
「リゼットさんや他の使用人には内緒ですよ?」
「分かってるよぉ」
そうしてジョセフは荷物やらを準備し始めた。ジョセフはよく休みの日に冒険者ギルドへ依頼を受けに行ってるのを見るからなあ。慣れているんだろう。ボクの服も動きやすいものを用意してくれた。
「フルーリ様は特に髪色が目立ちますので……この服を着て、必ずフードを被っていてくださいね」
「はーい」
確かに、ボクの髪色は目立つ。こんな他の色素が存在しない綺麗な銀髪の人、他にいないだろうからね。ふふん。
外で待っていると、しばらくして支度を終えたジョセフが竜を連れてやってくる。
赤っぽい鱗を持つ、おおきな竜だ。ボクなんか踏み潰されそうだな……
「では、出発しましょうかね」
そう言いながらボクを竜の背に乗せ、自分も乗り込む。
「やったあ、この子に乗って行くの?」
「そうですよ。冒険者ギルドは少々遠いですし、早く帰って来なければなりませんからね」
ボク、竜に乗ってお出かけするの初めてだな。というか、あんまり屋敷から出たことないからすごく新鮮。いつぶりかも分からないけど、街に出るの、すごく楽しみだ。
「……ねぇ、冒険者ギルドに連れて行ってよジョセフ~!お願いだからぁ!」
「ダメですよフルーリ様、そんな野蛮なところに連れて行ってフルーリ様が怪我でもしたら俺が罰せられてしまいます!」
そうして、ボクは掃除をしていたまだ歳若い新人の使用人……ジョセフにおねだりをしていた。
だって、その辺にいたメイド長のリゼットに「強くなるにはどうしたらいいの?」って聞いたら、「そうですねぇ、冒険者ギルドの依頼を受けて魔物でも狩ればいずれは強くなるでしょう、死ぬかもしれませんが」って言われたんだよ。リゼットはボクにそんな度胸が無いと思って冗談で脅したのかもしれないけど、ボクは本気だからね。
「……ボクの美しい顔に免じてもダメ?」
「……ダメです」
「だいじょうぶだよ、お父様もお兄様たちもボクのことなんか気にしてないからさ、ちょっとお出かけするって言ったらバレないよ」
「……」
「ジョセフ、とっても強いって聞いたんだ」
「まあ、この屋敷の中でも腕が立つ方ではありますがね?」
「ボク、強くなるためにジョセフに剣や魔法を教わりたいんだ。それに、早めに冒険者ギルドの仕組みを知っていて悪いことは無いでしょ?」
「……まぁ、確かにそうですね」
計算通り。頭の固い中堅、ベテランの使用人じゃなくて新人のジョセフっていうところがミソだよ。それに、ジョセフが魔法や剣の使い手としてとても優秀なのは事実だしね。だからジョセフに着いてきて貰えばボクが怪我をさせられることは無いだろう。それにジョセフは脳筋っぽいからチョロそうだし……まあ実際その通りだった訳だけど。
「リゼットさんや他の使用人には内緒ですよ?」
「分かってるよぉ」
そうしてジョセフは荷物やらを準備し始めた。ジョセフはよく休みの日に冒険者ギルドへ依頼を受けに行ってるのを見るからなあ。慣れているんだろう。ボクの服も動きやすいものを用意してくれた。
「フルーリ様は特に髪色が目立ちますので……この服を着て、必ずフードを被っていてくださいね」
「はーい」
確かに、ボクの髪色は目立つ。こんな他の色素が存在しない綺麗な銀髪の人、他にいないだろうからね。ふふん。
外で待っていると、しばらくして支度を終えたジョセフが竜を連れてやってくる。
赤っぽい鱗を持つ、おおきな竜だ。ボクなんか踏み潰されそうだな……
「では、出発しましょうかね」
そう言いながらボクを竜の背に乗せ、自分も乗り込む。
「やったあ、この子に乗って行くの?」
「そうですよ。冒険者ギルドは少々遠いですし、早く帰って来なければなりませんからね」
ボク、竜に乗ってお出かけするの初めてだな。というか、あんまり屋敷から出たことないからすごく新鮮。いつぶりかも分からないけど、街に出るの、すごく楽しみだ。
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