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第18章 決壊
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「離婚」を口にした彬智だったが、その夜からしばらくは何事も無かったかのように穏やかに暮らした。もしかしたら、あの日はただ愚痴を零しただけだったのかもしれないと、茉莉花は密かに安堵した。
だが、ある日突然、その生活は一変した。
「茉莉花、ちょっと社長室に来なさい!」
年度末の慌ただしい中で開かれていた会議の途中に母の藍咲から突然呼び出され、茉莉花は恭弥や居並ぶ社員たちに断りを入れ社長室に急いだ。ドアを開け目に飛び込んで来たのは、梢子と父親の御園生社長だった。
「何か、ありましたか?」
「何かじゃないわよ、あなたは知っていたの!?彬智が勝手に御園生さんの大学を辞めてしまったのよ!」
母の苛立つ声に茉莉花はハッと胸を押さえた。
「いえ、その、アキ……彬智は、春から他の大学に移る予定だと話をしていました。学会で知り合った教授に誘われて、准教授のポストに就くと……」
「そんなお話、私は彬智さんからひとことも聞いていないわ!今朝いきなり大学を辞めたとだけ言われて……」
ワッと泣き出した梢子を、藍咲が慌てて慰めていた。
「ともかく、我が婿殿の勝手にも困ったものです。保護者である高塔さんからひとことお叱りをいただきたいと思いましてね。」
「申し訳ございません。彬智には強く申し伝えておきますから。」
「すぐにでも退職を撤回して、うちの大学に戻るよう説得していただけませんか。」
「承知しました。」
御園生社長に深々と頭を下げる気位の高い母と、一方的に話しを進める御園生社長に、茉莉花は苛立った。
「待ってください!結婚して子供もいるいい大人の彬智が自ら決めたことを私たちがとやかく言う必要などないんじゃないですか?むしろ、梢子さんが話し合うべきでは?」
「彬智さんは、私の言うことなんか聞いてくれないわ!だからこうしてお父さまと高塔さんのところまで来たんじゃない!」
泣きじゃくりわあわあと喚く梢子にも苛立ちを覚える。だが、まさか彬智が、本当に大学を変わると思ってもいなかった。
「分かりました、今夜彬智と話しをしてみます。」
藍咲がハアと深くため息を吐く。その後、梢子が帰り、母と御園生社長が提携事業の話を始めたので、茉莉花は社長室を後にした。
すぐに彬智の連絡先に電話を掛けた。三回コール音が鳴り事務職員が応答し彬智を呼び出した。しばらくして、「はい」と低く良く通る声が鼓膜を揺すぶった。
「今、御園生さんが梢子さんと会社にいらしたの。あなたが御園生さんの大学を辞めて、他に移ったから引き留めてくれって。」
「そうか、今朝あの人に話をしたんだよ。なんで高塔の会社に行くかな。」
「お母さんが怒っているわ、今夜あなたと話し合いをするって。」
「分かった、でももう御園生の大学は辞めたから。マリに迷惑を掛けるけど、もう後戻りはしないから。」
きっぱりと言い切る彬智に、茉莉花はぐらりと狼狽えた。こんなに強気な彬智は初めてだ。今までだったら母の言うことをなんでも聞いていたのに……
「マリ?」
「何?」
「マリは俺の味方?」
愕然として、受話器を耳に押し当てる。
「私はアキの味方よ。当然でしょ。」
「だったら藍咲さまに何を言われても俺を応援して。あの人と、離婚するから。」
フフと軽い笑い声がした。どうしてそんな、笑ったりするの。
「じゃあね、まだ仕事の途中だから。」
プープーと電話の切断を知らせる音がする……そうだ、私はアキの味方だ、何があっても彼を護り抜く……
ガチャリと受話器を置き、茉莉花は振り向き飛び上がった。
真後ろで恭弥が険しい顔で睨みつけていた。
「アキが何をしたんだよ?」
「……御園生さんの大学を辞めて、他の大学に勤めるそうよ。」
「なんで?」
その先を話すことは出来なかった。
「梢子は何て言っているの?」
「彼女は聞かされていなかったそうよ。」
「何をやっているんだ、アキの奴!」
「キョウは知らなかったの?」
「全くな。」
ムッと口を結ぶ恭弥の顔を見上げ、茉莉花はふと呟いた。
「アキは、梢子さんと離婚するつもりよ。」
「バカなことを!子供がいるのに!」
「でも、もう、限界みたい……」
「それを許したのか?アキの味方をするつもりか?」
「だって!」
恭弥は突然怒りを露わにした。
「梢子を追い出して、空いた妻の座に、マリが座るつもり?」
「違うわ!」
「だったら離婚なんかさせるな!」
「でも、このまま御園生の言いなりになっていいの?」
「それとこれは別の話だ!」
くるりと背を向け去っていく恭弥の広い背中を、茉莉花は唇を噛み締めながら見送った。
その夜、藍咲が彬智を呼びつけ退職を撤回するよう散々に言いつけたが、彬智は頑として首を縦に振らなかった。彬智の中で何かが変わってしまったのだと、茉莉花は身震いした。
そして梢子と彬智の言い争いが日に日に激化していった。梢子は彬智をなじるばかりで、彬智も梢子の言い分には耳を貸さない。歩み寄ることのない夫婦の亀裂はますます大きくなっていった。毎日のように衝突し、梢子の泣き叫ぶ声が隣りの屋敷まで響き渡る。
やがて彬智は家に帰らなくなり、梢子も彬従を残して実家に帰ってしまう。
ふと気づけば、娘の華音が吉良の屋敷から彬従を連れ出し自分の部屋に匿った。両親の喧嘩で心を痛める彬従は、華音に慰められその胸に抱かれて眠る夜を重ねた。
ベッドで並んで眠る華音と彬従を眺め、茉莉花は恭弥の言葉を思い出した。
「離婚、させてはいけない、のか……」
だが、このままでは彬智も梢子も、そして彬従も不幸になるばかりだ……
数日後、茉莉花は一人ホテルの最上階にあるバーラウンジを訪れた。
「マリ!」
待っていたのは幼馴染みの神崎大貴。彼は神崎財閥の東京支部を統括していて、久しぶりに故郷に帰って来たのだ。
「元気そうね、大貴!」
「まあまあだよ。」
注文したカクテルが届き、チンとグラスを合わせて再会を祝った。しばらくは和やかに近況を語り合った。大貴は息子たちのことを誇らしげに話した。彼が家族思いな父親になるとは想像もしていなかった。
「マリは思い出したくないかもだけど、お前の元旦那、晃輔も元気だよ。」
茉莉花の元を去った晃輔は、大貴の計らいで美織と共に東京で暮らしている。
「元、じゃなくて今でも夫よ、戸籍上は。」
「そうだったな。離婚しなくていいの?」
「お母さんが許してくれない……」
「いつまでも、親の言いなりになっていなくていいんじゃない?」
ふと茉莉花は押し黙った。そうだ、いつまで私は母の玩具になっていればよいのだ……
「今日呼び出したのは、マリにお願いがあったからだ。」
「何?」
「御園生と手を切って、神崎と組まないか?」
突然の申し出に、茉莉花は狼狽えた。
「どういうこと?今までも、神崎とは提携しているはず。」
「御園生と、分け合っている利益を神崎に変えないかってこと。」
「だけど!」
「知っているだろう?御園生と神崎は長年のライバル関係だ。今まではお互いの利益を尊重し合ってきた。だが、俺の代になったらその関係を変えていく。神崎をもっと大きな会社にするために。」
「それで、高塔と手を組むの。」
「マリが望むなら、ね。」
薄く微笑みを浮かべる大貴を、茉莉花は睨みつけた。
「もう、マリが会社の実権を握っても良い頃じゃないか?そのために、俺と手を組まないか?」
「大貴、でも……」
「今ここで答えを出して欲しいとは言わない。だけどよく考えて、今のままが良いのか、それとも未来のために俺と組むのか。」
氷の入ったグラスをカラリと鳴らし、大貴は残っていたウィスキーを飲み干した。
「それに、御園生と手を切るのは、アキのためにもなるんだぜ?離婚調停まで行こうとしているって聞いたよ?」
「……なんでもお見通しなのね。」
ふふっと笑いを零し、大貴はスッと表情を強張らせた。
「アキのためもあるが、それより気になることがある。」
「何?」
「恭弥だよ。アイツが梢子と夜な夜なバーで逢っているって聞いたんだ。もしかして、浮気しているんじゃないのか?」
「まさか!」
思ってもみなかった事態に、茉莉花は耳を疑った。
だが、ある日突然、その生活は一変した。
「茉莉花、ちょっと社長室に来なさい!」
年度末の慌ただしい中で開かれていた会議の途中に母の藍咲から突然呼び出され、茉莉花は恭弥や居並ぶ社員たちに断りを入れ社長室に急いだ。ドアを開け目に飛び込んで来たのは、梢子と父親の御園生社長だった。
「何か、ありましたか?」
「何かじゃないわよ、あなたは知っていたの!?彬智が勝手に御園生さんの大学を辞めてしまったのよ!」
母の苛立つ声に茉莉花はハッと胸を押さえた。
「いえ、その、アキ……彬智は、春から他の大学に移る予定だと話をしていました。学会で知り合った教授に誘われて、准教授のポストに就くと……」
「そんなお話、私は彬智さんからひとことも聞いていないわ!今朝いきなり大学を辞めたとだけ言われて……」
ワッと泣き出した梢子を、藍咲が慌てて慰めていた。
「ともかく、我が婿殿の勝手にも困ったものです。保護者である高塔さんからひとことお叱りをいただきたいと思いましてね。」
「申し訳ございません。彬智には強く申し伝えておきますから。」
「すぐにでも退職を撤回して、うちの大学に戻るよう説得していただけませんか。」
「承知しました。」
御園生社長に深々と頭を下げる気位の高い母と、一方的に話しを進める御園生社長に、茉莉花は苛立った。
「待ってください!結婚して子供もいるいい大人の彬智が自ら決めたことを私たちがとやかく言う必要などないんじゃないですか?むしろ、梢子さんが話し合うべきでは?」
「彬智さんは、私の言うことなんか聞いてくれないわ!だからこうしてお父さまと高塔さんのところまで来たんじゃない!」
泣きじゃくりわあわあと喚く梢子にも苛立ちを覚える。だが、まさか彬智が、本当に大学を変わると思ってもいなかった。
「分かりました、今夜彬智と話しをしてみます。」
藍咲がハアと深くため息を吐く。その後、梢子が帰り、母と御園生社長が提携事業の話を始めたので、茉莉花は社長室を後にした。
すぐに彬智の連絡先に電話を掛けた。三回コール音が鳴り事務職員が応答し彬智を呼び出した。しばらくして、「はい」と低く良く通る声が鼓膜を揺すぶった。
「今、御園生さんが梢子さんと会社にいらしたの。あなたが御園生さんの大学を辞めて、他に移ったから引き留めてくれって。」
「そうか、今朝あの人に話をしたんだよ。なんで高塔の会社に行くかな。」
「お母さんが怒っているわ、今夜あなたと話し合いをするって。」
「分かった、でももう御園生の大学は辞めたから。マリに迷惑を掛けるけど、もう後戻りはしないから。」
きっぱりと言い切る彬智に、茉莉花はぐらりと狼狽えた。こんなに強気な彬智は初めてだ。今までだったら母の言うことをなんでも聞いていたのに……
「マリ?」
「何?」
「マリは俺の味方?」
愕然として、受話器を耳に押し当てる。
「私はアキの味方よ。当然でしょ。」
「だったら藍咲さまに何を言われても俺を応援して。あの人と、離婚するから。」
フフと軽い笑い声がした。どうしてそんな、笑ったりするの。
「じゃあね、まだ仕事の途中だから。」
プープーと電話の切断を知らせる音がする……そうだ、私はアキの味方だ、何があっても彼を護り抜く……
ガチャリと受話器を置き、茉莉花は振り向き飛び上がった。
真後ろで恭弥が険しい顔で睨みつけていた。
「アキが何をしたんだよ?」
「……御園生さんの大学を辞めて、他の大学に勤めるそうよ。」
「なんで?」
その先を話すことは出来なかった。
「梢子は何て言っているの?」
「彼女は聞かされていなかったそうよ。」
「何をやっているんだ、アキの奴!」
「キョウは知らなかったの?」
「全くな。」
ムッと口を結ぶ恭弥の顔を見上げ、茉莉花はふと呟いた。
「アキは、梢子さんと離婚するつもりよ。」
「バカなことを!子供がいるのに!」
「でも、もう、限界みたい……」
「それを許したのか?アキの味方をするつもりか?」
「だって!」
恭弥は突然怒りを露わにした。
「梢子を追い出して、空いた妻の座に、マリが座るつもり?」
「違うわ!」
「だったら離婚なんかさせるな!」
「でも、このまま御園生の言いなりになっていいの?」
「それとこれは別の話だ!」
くるりと背を向け去っていく恭弥の広い背中を、茉莉花は唇を噛み締めながら見送った。
その夜、藍咲が彬智を呼びつけ退職を撤回するよう散々に言いつけたが、彬智は頑として首を縦に振らなかった。彬智の中で何かが変わってしまったのだと、茉莉花は身震いした。
そして梢子と彬智の言い争いが日に日に激化していった。梢子は彬智をなじるばかりで、彬智も梢子の言い分には耳を貸さない。歩み寄ることのない夫婦の亀裂はますます大きくなっていった。毎日のように衝突し、梢子の泣き叫ぶ声が隣りの屋敷まで響き渡る。
やがて彬智は家に帰らなくなり、梢子も彬従を残して実家に帰ってしまう。
ふと気づけば、娘の華音が吉良の屋敷から彬従を連れ出し自分の部屋に匿った。両親の喧嘩で心を痛める彬従は、華音に慰められその胸に抱かれて眠る夜を重ねた。
ベッドで並んで眠る華音と彬従を眺め、茉莉花は恭弥の言葉を思い出した。
「離婚、させてはいけない、のか……」
だが、このままでは彬智も梢子も、そして彬従も不幸になるばかりだ……
数日後、茉莉花は一人ホテルの最上階にあるバーラウンジを訪れた。
「マリ!」
待っていたのは幼馴染みの神崎大貴。彼は神崎財閥の東京支部を統括していて、久しぶりに故郷に帰って来たのだ。
「元気そうね、大貴!」
「まあまあだよ。」
注文したカクテルが届き、チンとグラスを合わせて再会を祝った。しばらくは和やかに近況を語り合った。大貴は息子たちのことを誇らしげに話した。彼が家族思いな父親になるとは想像もしていなかった。
「マリは思い出したくないかもだけど、お前の元旦那、晃輔も元気だよ。」
茉莉花の元を去った晃輔は、大貴の計らいで美織と共に東京で暮らしている。
「元、じゃなくて今でも夫よ、戸籍上は。」
「そうだったな。離婚しなくていいの?」
「お母さんが許してくれない……」
「いつまでも、親の言いなりになっていなくていいんじゃない?」
ふと茉莉花は押し黙った。そうだ、いつまで私は母の玩具になっていればよいのだ……
「今日呼び出したのは、マリにお願いがあったからだ。」
「何?」
「御園生と手を切って、神崎と組まないか?」
突然の申し出に、茉莉花は狼狽えた。
「どういうこと?今までも、神崎とは提携しているはず。」
「御園生と、分け合っている利益を神崎に変えないかってこと。」
「だけど!」
「知っているだろう?御園生と神崎は長年のライバル関係だ。今まではお互いの利益を尊重し合ってきた。だが、俺の代になったらその関係を変えていく。神崎をもっと大きな会社にするために。」
「それで、高塔と手を組むの。」
「マリが望むなら、ね。」
薄く微笑みを浮かべる大貴を、茉莉花は睨みつけた。
「もう、マリが会社の実権を握っても良い頃じゃないか?そのために、俺と手を組まないか?」
「大貴、でも……」
「今ここで答えを出して欲しいとは言わない。だけどよく考えて、今のままが良いのか、それとも未来のために俺と組むのか。」
氷の入ったグラスをカラリと鳴らし、大貴は残っていたウィスキーを飲み干した。
「それに、御園生と手を切るのは、アキのためにもなるんだぜ?離婚調停まで行こうとしているって聞いたよ?」
「……なんでもお見通しなのね。」
ふふっと笑いを零し、大貴はスッと表情を強張らせた。
「アキのためもあるが、それより気になることがある。」
「何?」
「恭弥だよ。アイツが梢子と夜な夜なバーで逢っているって聞いたんだ。もしかして、浮気しているんじゃないのか?」
「まさか!」
思ってもみなかった事態に、茉莉花は耳を疑った。
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