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~大学生編~
第53章 涙散る季節
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四月、大学も最終学年を迎えました。卒業に必要な単位は昨年度までに取り終えているので、あとは卒論と就職活動だけです。時々アルバイトをしてお小遣いを稼ぎながら、地道に活動を続けています。
だけど思ったようには進みません。説明会を受けて「ここだ!」と思った企業の筆記試験や一次面接をクリアしても、二次面接さらには最終面接になったところで落とされてしまいます。それが数社続いてしまい……どんより落ち込んでいました。
「はああ、なんか、ここまで続くと、自分の人間性を疑うよ……」
駅前のファミレスのテーブルに倒れ込み、私は思わず愚痴ってしまいました。
「まだ時間はあるよ、諦めずに行こう!」
同じようになかなか就職先が決まらないこのみちゃんとはお互いを励まし合っています。彼女はマスコミ関係のお仕事を希望していてかなりの難関らしいですよ。
「一佳は、三友物産に決まったんだ。」
このみちゃんはアイスコーヒーの氷をストローでくるくる回しながら唸りました。
そうです。一佳は長峰教授に推薦された大手商社に就職先を決めました。誰もが羨む企業です。あとは卒論だけだと余裕綽々なんですよ!
「いろいろ悩んで、そこが一番希望に合いそうだって。」
「贅沢な悩みだよ!他にも何社か誘われていたけど全部最大手なんでしょ?」
「う、うん、でも一佳は今までずっとがんばってきたから……」
「やっぱりタダモノじゃないってことか!そう言えば、浅田くんも銀行に決まったんだって。千夏もだよ。しかも千夏は総合職で採用だよ。」
「さすが千夏ちゃんだね!」
「実和子は広告代理店なんだって……お父さんの知り合いがいて、すぐに決まったそうよ。うちなんか、普通のサラリーマンだから、自力で探すしか無いもんね。」
こういう時に親のコネが利くなんて……世の中の不平等を改めて知らされた気分ですよ。
「そうそう!噂だけど、翼が民放キー局のアナウンサーに内定したらしいのよ。」
「彼女なら、マスコミ向きだよね!」
ひとしきり友達の内定先を羨ましく話のタネにして、私とこのみちゃんは更にどんよりとしてしまいました。
「ね、愛奈ちゃんは?」
「それが分からないのよ。浅田くんも、まだ決まっていないって言ってた。」
「一佳も知らないみたいだった……」
「彼女なら、大手確実でしょ?」
愛奈ちゃんも教授の強い後ろ盾があり、あちこちの大手企業から誘いの手があると浅田くんに聞いたことがあります。すごく、人としての格差を感じてしまうのですよ。
いやいやそんな、人と比較してばかりじゃいけない、頑張らなくっちゃ!と気合いを入れ直しました。
その日もまた面接があり、電車に揺られていました。湿度の高い季節になり、スーツが重苦しく感じます。私より確実に年令が下の若者の軽装を見て、もうあの頃には戻れないんだとまたしんみりしてしまいました。
今日で何社目かな……十本の指で数えられなくなってから、過去のことは忘れることにしました。事務系の一般職を希望している私にとって、今日の会社が最後の砦です。これがダメなら職種を変えて挑戦しなくては。
面接は無難に終わりました。個人面接でしたが順番待ちをしていた時に仲良くなった女の子と終わってから申し合わせてお茶をして帰りました。この時期まだ面接を受けているってことは同じような境遇にいる訳で……お互いを励まし合って別れたのです。
その後、その会社から連絡をもらいましたが、また不採用でした。ちなみに帰りにお茶した子は採用が決まったそうです。どうしてかな?私のどこがいけないんだろう?
一佳に逢いたい……でも、逢ったら愚痴を言ってしまいそう……それより、こんなに不採用が続く私を情けなく思わないかな……ベッドの上で悶々としながらスマホを眺めていたら、突然液晶画面に「藤原一佳」の文字が!
「七海、元気?」
「げ、元気だよ!」
「その後、どう?……就活の方。」
「う、うん、全敗街道更新中!」
私は出来る限り明るく答えました。
「あのさ、今から出て来れる?」
「え、だって、もう11時……」
「今、お前んちの前に居るんだ。」
驚いて窓を開けたら、自転車に跨った一佳がうちの前で手を振っていました。ひゃーいきなりですかー!私はパジャマを脱ぎ捨て、手っ取り早くワンピースを上から被り慌てて家の外に飛び出しました。
一佳はムッとして私を睨みつけました。
「一佳、久しぶり!」
「つか、連絡くらい寄越せよ!」
「うん……ごめんね。」
「このみに聞いた……七海が相当落ち込んでいるって。アイツもまだらしいけど、お前のこと、すげー心配していたぞ。」
「そうなんだ……」
このみちゃんったら!さすが我が同志!
「なあ、なんで俺に相談しないの。」
「でも、愚痴になりそうだから……」
「愚痴でいいじゃん、なんでも俺に言えよ。」
一佳は自転車を降り、私をギュッと抱き締めました。心臓の音が心地よくて、胸に埋もれ目を閉じました。そのうちに自然と涙が溢れて止まらなくなりました。大きな手がそっと私の頭を撫でました。優しく優しく、何度も。
「七海、お前の良さは俺が一番分かっているよ。就職先がどこだって、お前が選ばれたところなら、きっと良いところだよ。」
「う、ん、ありがと……いち、か、あ、りがと……」
涙は一佳のTシャツに全部吸い込まれて行きました。私は安心して彼の胸に寄り掛かったのです。
今までの事務系以外にも目を向けることにしました。業種研究もやり直しです。なかなか自分のやりたい仕事に巡り逢いません。それでも、就職したい。そう思ってスーツを着てくたくたになりながら電車に揺られました。
乗り換え駅のホームで電車が来るのを待っていた時です。
「七海ちゃん、久しぶり!」
ポンと肩を叩かれ振り向いたら、なんと愛奈ちゃんでした!私の知らない華やかな女の子と連れ立っていました。
「久しぶり!元気だった?」
「うん、全然逢わなかったね!」
それは、一佳が気にして私を飲み会に連れて行かなくなったからで……私がヤキモチを妬くのが悪いのです。
「七海ちゃん、スーツ姿……就活中?」
「う、うん、全然決まらなくて……」
「そうなんだ……あの、がんばってね!」
愛奈ちゃんは眉を寄せ、言いにくそうに励ましてくれました。まだ決まっていないなんて呆れたかな?
「ね、愛奈ちゃんはどこに決まったの?」
「あの、私は、三友物産よ……」
「……一佳と同じ?」
「うん、だけど偶然なの。藤原とは最近話をしていなくて、人事の方が長峰ゼミのOBで、凄く熱心に誘ってくださって、やりがいのある会社だなって思ったんだ。」
「そうか、愛奈ちゃんならきっとバリバリ働けるよ!」
「ありがとう、七海ちゃんもがんばって!また、遊びに行こうね!」
愛奈ちゃんはニコリと笑って、お友達と反対ホームに来た電車に乗り込み去って行きました。
一佳と、愛奈ちゃんの就職先が同じ……急にドキドキと胸が苦しくなりました。
ホームの隅に移動して、私は電話を掛けました。
「どうした、七海、何かあった?」
電話に出た彼の声は少し慌てていました。
「今、愛奈ちゃんに逢ったよ、一佳と同じ会社に就職が決まったんだね……」
「ああ、偶然ね。」
「どうして教えてくれなかったの?」
「白石のことなんか、関係無いだろ。」
「そうだね、私とは関係無い世界の人だね……」
「どうしたんだよ、七海?」
私は何も言わずに電話を切ってしまいました。更には電源も落として……
そのあと、駅のホームで何本もの電車を見送り、私は鞄を胸に抱えて呆然としていたのです。
だけど思ったようには進みません。説明会を受けて「ここだ!」と思った企業の筆記試験や一次面接をクリアしても、二次面接さらには最終面接になったところで落とされてしまいます。それが数社続いてしまい……どんより落ち込んでいました。
「はああ、なんか、ここまで続くと、自分の人間性を疑うよ……」
駅前のファミレスのテーブルに倒れ込み、私は思わず愚痴ってしまいました。
「まだ時間はあるよ、諦めずに行こう!」
同じようになかなか就職先が決まらないこのみちゃんとはお互いを励まし合っています。彼女はマスコミ関係のお仕事を希望していてかなりの難関らしいですよ。
「一佳は、三友物産に決まったんだ。」
このみちゃんはアイスコーヒーの氷をストローでくるくる回しながら唸りました。
そうです。一佳は長峰教授に推薦された大手商社に就職先を決めました。誰もが羨む企業です。あとは卒論だけだと余裕綽々なんですよ!
「いろいろ悩んで、そこが一番希望に合いそうだって。」
「贅沢な悩みだよ!他にも何社か誘われていたけど全部最大手なんでしょ?」
「う、うん、でも一佳は今までずっとがんばってきたから……」
「やっぱりタダモノじゃないってことか!そう言えば、浅田くんも銀行に決まったんだって。千夏もだよ。しかも千夏は総合職で採用だよ。」
「さすが千夏ちゃんだね!」
「実和子は広告代理店なんだって……お父さんの知り合いがいて、すぐに決まったそうよ。うちなんか、普通のサラリーマンだから、自力で探すしか無いもんね。」
こういう時に親のコネが利くなんて……世の中の不平等を改めて知らされた気分ですよ。
「そうそう!噂だけど、翼が民放キー局のアナウンサーに内定したらしいのよ。」
「彼女なら、マスコミ向きだよね!」
ひとしきり友達の内定先を羨ましく話のタネにして、私とこのみちゃんは更にどんよりとしてしまいました。
「ね、愛奈ちゃんは?」
「それが分からないのよ。浅田くんも、まだ決まっていないって言ってた。」
「一佳も知らないみたいだった……」
「彼女なら、大手確実でしょ?」
愛奈ちゃんも教授の強い後ろ盾があり、あちこちの大手企業から誘いの手があると浅田くんに聞いたことがあります。すごく、人としての格差を感じてしまうのですよ。
いやいやそんな、人と比較してばかりじゃいけない、頑張らなくっちゃ!と気合いを入れ直しました。
その日もまた面接があり、電車に揺られていました。湿度の高い季節になり、スーツが重苦しく感じます。私より確実に年令が下の若者の軽装を見て、もうあの頃には戻れないんだとまたしんみりしてしまいました。
今日で何社目かな……十本の指で数えられなくなってから、過去のことは忘れることにしました。事務系の一般職を希望している私にとって、今日の会社が最後の砦です。これがダメなら職種を変えて挑戦しなくては。
面接は無難に終わりました。個人面接でしたが順番待ちをしていた時に仲良くなった女の子と終わってから申し合わせてお茶をして帰りました。この時期まだ面接を受けているってことは同じような境遇にいる訳で……お互いを励まし合って別れたのです。
その後、その会社から連絡をもらいましたが、また不採用でした。ちなみに帰りにお茶した子は採用が決まったそうです。どうしてかな?私のどこがいけないんだろう?
一佳に逢いたい……でも、逢ったら愚痴を言ってしまいそう……それより、こんなに不採用が続く私を情けなく思わないかな……ベッドの上で悶々としながらスマホを眺めていたら、突然液晶画面に「藤原一佳」の文字が!
「七海、元気?」
「げ、元気だよ!」
「その後、どう?……就活の方。」
「う、うん、全敗街道更新中!」
私は出来る限り明るく答えました。
「あのさ、今から出て来れる?」
「え、だって、もう11時……」
「今、お前んちの前に居るんだ。」
驚いて窓を開けたら、自転車に跨った一佳がうちの前で手を振っていました。ひゃーいきなりですかー!私はパジャマを脱ぎ捨て、手っ取り早くワンピースを上から被り慌てて家の外に飛び出しました。
一佳はムッとして私を睨みつけました。
「一佳、久しぶり!」
「つか、連絡くらい寄越せよ!」
「うん……ごめんね。」
「このみに聞いた……七海が相当落ち込んでいるって。アイツもまだらしいけど、お前のこと、すげー心配していたぞ。」
「そうなんだ……」
このみちゃんったら!さすが我が同志!
「なあ、なんで俺に相談しないの。」
「でも、愚痴になりそうだから……」
「愚痴でいいじゃん、なんでも俺に言えよ。」
一佳は自転車を降り、私をギュッと抱き締めました。心臓の音が心地よくて、胸に埋もれ目を閉じました。そのうちに自然と涙が溢れて止まらなくなりました。大きな手がそっと私の頭を撫でました。優しく優しく、何度も。
「七海、お前の良さは俺が一番分かっているよ。就職先がどこだって、お前が選ばれたところなら、きっと良いところだよ。」
「う、ん、ありがと……いち、か、あ、りがと……」
涙は一佳のTシャツに全部吸い込まれて行きました。私は安心して彼の胸に寄り掛かったのです。
今までの事務系以外にも目を向けることにしました。業種研究もやり直しです。なかなか自分のやりたい仕事に巡り逢いません。それでも、就職したい。そう思ってスーツを着てくたくたになりながら電車に揺られました。
乗り換え駅のホームで電車が来るのを待っていた時です。
「七海ちゃん、久しぶり!」
ポンと肩を叩かれ振り向いたら、なんと愛奈ちゃんでした!私の知らない華やかな女の子と連れ立っていました。
「久しぶり!元気だった?」
「うん、全然逢わなかったね!」
それは、一佳が気にして私を飲み会に連れて行かなくなったからで……私がヤキモチを妬くのが悪いのです。
「七海ちゃん、スーツ姿……就活中?」
「う、うん、全然決まらなくて……」
「そうなんだ……あの、がんばってね!」
愛奈ちゃんは眉を寄せ、言いにくそうに励ましてくれました。まだ決まっていないなんて呆れたかな?
「ね、愛奈ちゃんはどこに決まったの?」
「あの、私は、三友物産よ……」
「……一佳と同じ?」
「うん、だけど偶然なの。藤原とは最近話をしていなくて、人事の方が長峰ゼミのOBで、凄く熱心に誘ってくださって、やりがいのある会社だなって思ったんだ。」
「そうか、愛奈ちゃんならきっとバリバリ働けるよ!」
「ありがとう、七海ちゃんもがんばって!また、遊びに行こうね!」
愛奈ちゃんはニコリと笑って、お友達と反対ホームに来た電車に乗り込み去って行きました。
一佳と、愛奈ちゃんの就職先が同じ……急にドキドキと胸が苦しくなりました。
ホームの隅に移動して、私は電話を掛けました。
「どうした、七海、何かあった?」
電話に出た彼の声は少し慌てていました。
「今、愛奈ちゃんに逢ったよ、一佳と同じ会社に就職が決まったんだね……」
「ああ、偶然ね。」
「どうして教えてくれなかったの?」
「白石のことなんか、関係無いだろ。」
「そうだね、私とは関係無い世界の人だね……」
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