83 / 83
魔導具の英雄よ、世界を頼んだ
しおりを挟む
「エレンなんでここに。ここは真の天界のはず。僕は死んでここにきたんだ」
「そうだよ。アスカ。君は死んだよ。下を見てごらん。姫様や君の仲間たちが泣いている」
下を見ると床が透けて、地上が見えてきた。皆が僕の体を取り囲んで泣いている。姫様も、ヒビトも、マミもナオミも、ソイニー師匠もユミ姉も。
「あ、ロージェ先生も泣いてる。一命を取り留めていたんだ」
「そうみたいだね。あれだけの傷を負いながら生きているとはさすがだね」
「そうだエレン。答えてよ。君はなぜここに? 死んでしまったの?」
「僕は死んでないよ。死んでない」
「じゃあなんで、エレンはここに」
「僕はね。アスカを迎えにきたんだ」
「迎えに?」
「そう、アスカが死にかけることを見越してここで待っていたんだ」
「そうだったんだ。だけどどうやって真の天界に?」
「それは、君の父さんが僕に頼んだんだ。米帝も天界魔導士の攻撃を受けてたんだが、何とか退けることに成功したんだ。その時だった。僕の前に見覚えのある転移用ゲートが目の前に現界したんだ」
「そしたらこの真の天界に辿り着いたと?」
「そう。ゲートを潜ってここに来たら君の父さんがいてこう言ったんだ。アスカを引き留めて欲しいと」
「僕を引き留めてほしい?」
「うん、死にゆく君を引き留めて、現世へと戻すこと。それが僕が頼まれたこと。アスカは今死の直前にいる。この目の前のゲートが見えるかい。ここをくぐれば君は本当に死ぬよ」
ふと視線を感じた。その方向を見る。ゲートの向こうに、亡くなった父と母が立ってこちらを見ている。二人はしっかりと手を繋いで、母は笑い、父は暖かな眼差しをむけている。
そして二人とも僕に向かい手を振る。
「アスカ。お前にはまだやり残していることがある」
初めて聞く父の声。
「父さん!」
「アスカ。この歪んだ世界を立て直すのだ。そして平和に導きなさい」
「僕にできるかな」
「できる。アスカは初代魔導具士の子孫であり、初代魔導具士の転生者であり、そして我々の息子だ。世界を導くことができないはずがない。大丈夫だ。前を向いて進みなさい」
「そうよアスカ。また会えなくなるのは悲しいけれど。アスカが寿命を全うするまで待ってるわ。さあ生きなさい」
父に続いて母さんも僕に言葉を送る。
「さあ行こうアスカ。新たな世界を創造するために」
エレンは僕の腕を掴み、微笑む。その瞬間、僕らを白い光が包み込む。
———
「アスカ、アスカ」
姫様の鳴き声が聞こえる……。
僕は意識の回復を感じる。暗闇の中から一筋の光を追いかけて駆け上がるイメージが脳内に浮かぶ。そして、その光にたどり着いた時、ゆっくりと瞼を上げることができた。
「え!? アスカ! アスカが起きたわ!」
姫様の驚きの声に引き寄せられて皆が僕の顔を覗き込む。
「ドクターすぐに状態を確かめてくれ」
誰かが医者を呼ぶ。駆けつけた医者は僕を一通り検診すると、一言「奇跡だ」とだけ言った。
「アスカ。勝手に死ぬなんて許さないから」
涙を流しながら笑いかけるヒビト。
「ゔぉお、死んじゃったと思ったじゃない」
号泣するナオミ。
「うう……うう、生きていてくれてありがとう」
嗚咽を漏らしながらアスカの服の一部を引っ張り俯くマミ。
「弟子が師匠より早く死ぬことは決して許しませんよ」
「大きな帽子を少し深く被り顔を隠すことで泣いていることを見られないようにするソイニー師匠。
「アスカ。おかえり」
亡くなった実の弟に思いを馳せながら、アスカが二の舞にならず安堵するユミ姉。
——あれ?エレンがいない。
皆からの心配の声を一通り聞き終えた後に、僕はエレンの存在がないことに気づいた。目を動かしエレンを探す。
すると、校門に寄りかかりながらエレンがいてこちらを見ていた。他のみんなはエレンの存在に気づいてないらしい。
僕はエレンに対してお礼を言おうとするが、疲労のためかうまく声が出せない。
そんな僕を見ながらエレンは笑いそして口を動かした。僕にはエレンが何を言ったのか読み取れた。
エレンはこう言った。
『魔導具の英雄よ。世界を頼んだ』
エレンはそのまま立ち去る。上空を見ると、夕焼けと青空がせめぎあうマジクアワーを迎えていた。
綺麗な空。そして、大切な仲間たち。
僕はついに守り通したのだ。ついに……、ついに……終わったのだ。長き戦いが。
僕らは平安を手に入れたのだ。
————
——ピピピピ
コード999が発令される。
天界大統領が死去してから10年。
未だ、天海大統領派閥の生き残りの天界人がゲリラ活動をしているため、その対処に何度も駆り出されていた。天界とこの世界との融合はまだまだ遠そうである。
「お父さん。また出撃なの?」
快活の良い女の子が、アスカに飛びつく。
「メリア。この後遊ぶ予定だったのにごめんな」
その女の子の名はメリア。アスカの娘だ。
「ううん。お父さんはこの世界の王様なんだからしっかりみんなのために仕事をしないとね」
「じゃあ、行ってくるよ」
「頑張ってねお父さん」
メリアはそう言うと、アスカの頬に口づけをする。
「アスカ。行ってらっしゃい」
その様子を微笑ましそうに後方から見ていたのは姫様だった。姫様はそう言うと、アスカとキスをする。
「じゃあ行ってくる」
アスカは、自らが新たに鍛え上げた刀を帯刀し、出撃する。
「あーあお父さん言っちゃったね」
「そうね。メリアこちらでお母さんと遊びましょ」
「うん」
「何して遊びたい?」
「私、またあのお話聞きたい。燭台の上に飾ってある薔薇の魔導具をお父さんがお母さんに渡した話。それで天海大統領との戦いまで!」
「本当にメリアはその話が好きね」
「だって、お父さんもお母さんもかっこいいんだもん。この前は、ソイニーおばさんやユミ姉さんにも話してもらったんだ」
「そうだったのね」
「みんな懐かしそうに話すから好きなの。みんな色んな思いで戦ってたんだなって感じられるから」
「全くそう言うふうな考え方、誰に似たのかしら。アスカかしらね」
「お父さんに似ているなら嬉しい」
「じゃあ、お話を始めましょうか。お父さんがアロンガス家にいた頃、そこの薔薇の魔導具をお父さんがくれてね……」
————————
Fin
「そうだよ。アスカ。君は死んだよ。下を見てごらん。姫様や君の仲間たちが泣いている」
下を見ると床が透けて、地上が見えてきた。皆が僕の体を取り囲んで泣いている。姫様も、ヒビトも、マミもナオミも、ソイニー師匠もユミ姉も。
「あ、ロージェ先生も泣いてる。一命を取り留めていたんだ」
「そうみたいだね。あれだけの傷を負いながら生きているとはさすがだね」
「そうだエレン。答えてよ。君はなぜここに? 死んでしまったの?」
「僕は死んでないよ。死んでない」
「じゃあなんで、エレンはここに」
「僕はね。アスカを迎えにきたんだ」
「迎えに?」
「そう、アスカが死にかけることを見越してここで待っていたんだ」
「そうだったんだ。だけどどうやって真の天界に?」
「それは、君の父さんが僕に頼んだんだ。米帝も天界魔導士の攻撃を受けてたんだが、何とか退けることに成功したんだ。その時だった。僕の前に見覚えのある転移用ゲートが目の前に現界したんだ」
「そしたらこの真の天界に辿り着いたと?」
「そう。ゲートを潜ってここに来たら君の父さんがいてこう言ったんだ。アスカを引き留めて欲しいと」
「僕を引き留めてほしい?」
「うん、死にゆく君を引き留めて、現世へと戻すこと。それが僕が頼まれたこと。アスカは今死の直前にいる。この目の前のゲートが見えるかい。ここをくぐれば君は本当に死ぬよ」
ふと視線を感じた。その方向を見る。ゲートの向こうに、亡くなった父と母が立ってこちらを見ている。二人はしっかりと手を繋いで、母は笑い、父は暖かな眼差しをむけている。
そして二人とも僕に向かい手を振る。
「アスカ。お前にはまだやり残していることがある」
初めて聞く父の声。
「父さん!」
「アスカ。この歪んだ世界を立て直すのだ。そして平和に導きなさい」
「僕にできるかな」
「できる。アスカは初代魔導具士の子孫であり、初代魔導具士の転生者であり、そして我々の息子だ。世界を導くことができないはずがない。大丈夫だ。前を向いて進みなさい」
「そうよアスカ。また会えなくなるのは悲しいけれど。アスカが寿命を全うするまで待ってるわ。さあ生きなさい」
父に続いて母さんも僕に言葉を送る。
「さあ行こうアスカ。新たな世界を創造するために」
エレンは僕の腕を掴み、微笑む。その瞬間、僕らを白い光が包み込む。
———
「アスカ、アスカ」
姫様の鳴き声が聞こえる……。
僕は意識の回復を感じる。暗闇の中から一筋の光を追いかけて駆け上がるイメージが脳内に浮かぶ。そして、その光にたどり着いた時、ゆっくりと瞼を上げることができた。
「え!? アスカ! アスカが起きたわ!」
姫様の驚きの声に引き寄せられて皆が僕の顔を覗き込む。
「ドクターすぐに状態を確かめてくれ」
誰かが医者を呼ぶ。駆けつけた医者は僕を一通り検診すると、一言「奇跡だ」とだけ言った。
「アスカ。勝手に死ぬなんて許さないから」
涙を流しながら笑いかけるヒビト。
「ゔぉお、死んじゃったと思ったじゃない」
号泣するナオミ。
「うう……うう、生きていてくれてありがとう」
嗚咽を漏らしながらアスカの服の一部を引っ張り俯くマミ。
「弟子が師匠より早く死ぬことは決して許しませんよ」
「大きな帽子を少し深く被り顔を隠すことで泣いていることを見られないようにするソイニー師匠。
「アスカ。おかえり」
亡くなった実の弟に思いを馳せながら、アスカが二の舞にならず安堵するユミ姉。
——あれ?エレンがいない。
皆からの心配の声を一通り聞き終えた後に、僕はエレンの存在がないことに気づいた。目を動かしエレンを探す。
すると、校門に寄りかかりながらエレンがいてこちらを見ていた。他のみんなはエレンの存在に気づいてないらしい。
僕はエレンに対してお礼を言おうとするが、疲労のためかうまく声が出せない。
そんな僕を見ながらエレンは笑いそして口を動かした。僕にはエレンが何を言ったのか読み取れた。
エレンはこう言った。
『魔導具の英雄よ。世界を頼んだ』
エレンはそのまま立ち去る。上空を見ると、夕焼けと青空がせめぎあうマジクアワーを迎えていた。
綺麗な空。そして、大切な仲間たち。
僕はついに守り通したのだ。ついに……、ついに……終わったのだ。長き戦いが。
僕らは平安を手に入れたのだ。
————
——ピピピピ
コード999が発令される。
天界大統領が死去してから10年。
未だ、天海大統領派閥の生き残りの天界人がゲリラ活動をしているため、その対処に何度も駆り出されていた。天界とこの世界との融合はまだまだ遠そうである。
「お父さん。また出撃なの?」
快活の良い女の子が、アスカに飛びつく。
「メリア。この後遊ぶ予定だったのにごめんな」
その女の子の名はメリア。アスカの娘だ。
「ううん。お父さんはこの世界の王様なんだからしっかりみんなのために仕事をしないとね」
「じゃあ、行ってくるよ」
「頑張ってねお父さん」
メリアはそう言うと、アスカの頬に口づけをする。
「アスカ。行ってらっしゃい」
その様子を微笑ましそうに後方から見ていたのは姫様だった。姫様はそう言うと、アスカとキスをする。
「じゃあ行ってくる」
アスカは、自らが新たに鍛え上げた刀を帯刀し、出撃する。
「あーあお父さん言っちゃったね」
「そうね。メリアこちらでお母さんと遊びましょ」
「うん」
「何して遊びたい?」
「私、またあのお話聞きたい。燭台の上に飾ってある薔薇の魔導具をお父さんがお母さんに渡した話。それで天海大統領との戦いまで!」
「本当にメリアはその話が好きね」
「だって、お父さんもお母さんもかっこいいんだもん。この前は、ソイニーおばさんやユミ姉さんにも話してもらったんだ」
「そうだったのね」
「みんな懐かしそうに話すから好きなの。みんな色んな思いで戦ってたんだなって感じられるから」
「全くそう言うふうな考え方、誰に似たのかしら。アスカかしらね」
「お父さんに似ているなら嬉しい」
「じゃあ、お話を始めましょうか。お父さんがアロンガス家にいた頃、そこの薔薇の魔導具をお父さんがくれてね……」
————————
Fin
0
お気に入りに追加
32
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
地蔵が行く! ~異世界で奇跡を起こすぶらり旅~
猫目 しの
ファンタジー
私は名のない地蔵である。
昔は日本に住んでいた私であるがある日の地震で死んでしまった。
そして、私は転生したのだ……地蔵にと。
日本での私の記憶はない。
私の家族のことも、友達のことも、私自身のことも。
だけど、それでいいのだ。
私は地蔵、神様に依頼され奇跡を起こす地蔵である。
イラスト製作者:天舞美羽 様
※小説家になろう、にも転載してます。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
前世は悪神でしたので今世は商人として慎ましく生きたいと思います
八神 凪
ファンタジー
平凡な商人の息子として生まれたレオスは、無限収納できるカバンを持つという理由で、悪逆非道な大魔王を倒すべく旅をしている勇者パーティに半ば拉致されるように同行させられてしまう。
いよいよ大魔王との決戦。しかし大魔王の力は脅威で、勇者も苦戦しあわや全滅かというその時、レオスは前世が悪神であったことを思い出す――
そしてめでたく大魔王を倒したものの「商人が大魔王を倒したというのはちょっと……」という理由で、功績を与えられず、お金と骨董品をいくつか貰うことで決着する。だが、そのお金は勇者装備を押し付けられ巻き上げられる始末に……
「はあ……とりあえず家に帰ろう……この力がバレたらどうなるか分からないし、なるべく目立たず、ひっそりしないとね……」
悪神の力を取り戻した彼は無事、実家へ帰ることができるのか?
八神 凪、作家人生二周年記念作、始動!
※表紙絵は「茜328」様からいただいたファンアートを使用させていただきました! 素敵なイラストをありがとうございます!
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
理不尽まみれの異世界転生~最弱から始まる成り上がりサバイバル~
灰猫さんきち@2シリーズ書籍化
ファンタジー
主人公ユウが異世界転生した先は、鬼畜難易度のゲームを思わせる理不尽まみれの世界だった。
ユウのステータスはオール1! 最弱の魔物にボコられて死にかける始末。
理不尽な目にあいまくって毎日生きているのがやっとの状態だ。
それでも少しずつお金を貯めて腕を上げ、じょじょに強くなっていく。
やがて仲間を増やして店を経営したり、鍛冶スキルを覚えて生産しまくったり、国と交渉して開拓村を作ったり。
挑戦を続けるユウはいつしか最強になっていく。
最後にユウがやり遂げる偉業とは!?
最弱から始まるユウのサバイバル&成り上がり物語。
※ファンタジー小説大賞参加中!投票よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
退会済ユーザのコメントです