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限界
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自分のためだけでなく人のためにも強くなりたい。
そう心に決意して、再び修行に明け暮れる。
その甲斐あって、少しだけ魔導が上達し、球体を75 m飛ばせるようになり、1 mほどの大きさを現界することもできるようになった。
しかし、やはりそれ以上、全く魔導は向上しなかった。
「アスカ、まだ魔導を始めてから半年くらいしか経ってないんだから仕方ないよ、気長に頑張ろう」
ユミ姉が慰めてくれる。
だけど、その慰めも今の僕には辛い。
姫様のため、前世を乗り越える為だけでなく、幼き子達を守るためにも、修行して強くなると決意したのに、全然強くなれない。
何がダメなんだ。
「アスカさん、今日の修行はここまでにしましょうか」
ソイニーさんも気を使って、今日はここまでとなった。
悔しくて仕方がなかった。
「ソイニーさん、ユミ姉、こんな落ちこぼれですみません」
そう言って部屋にこもった。
今度はソイニーさんが、ゆっくりとドアを開けながら入って来た。
その顔つきは、かなり僕を心配している。
「アスカさん‥‥‥、あまり気に病まないでください。
始めに説明しておくべきでしたが、実情、中級魔導士以上になれるのは全体の15%しか居ません。ほとんどの人が初等魔導士ですので、落ちこぼれなんて言わないでください。
あなたの努力する力は一級品です。
ただ、魔導とあなたの相性があまり良くなかっただけのことです」
ソイニーさんは言葉を一つ一つ選びながら慰めてくれる。
そんなことは僕も重々承知の上だった。
だけど、僕には力が必要なんだ。
自分の願望を叶えるため、関わって来た人を守るため、どうしても力が‥‥‥必要なんだ。
現実は、とても厳しいなと、自分を呪う。
そんな僕の様子を見かねて、ソイニーさんは少し魔導を使いながら僕を抱きしめる。
甘くいい匂いがした。
その匂いが僕を甘やかに溶かし、落ち着かせた。
「自分に絶望しないでください。あなたはあなたです。あなたにしかないものがあるはずです」
ソイニーさんは本当に優しい、少しおっちょこちょいだけど、それもまたソイニーさんの人柄の良さを際立たせる。
「あれ? アスカさん、あれはなんですか?」
急にソイニーさんが何かを指差す。
僕はソイニーさんの胸から離れ、指先を追っていくと、そこには、姫様と僕を結ぶ唯一の物、ピンクのバラが光り輝いていた。
しまった。
僕は硬直する。
ソイニーさんが僕を落ち着かせるために、魔導を使ったことで、バラの魔導具が反応してしまったのである。
「アスカさん、これは魔導具ですよね。しかもこんな精巧な魔導具見たことがありません」
ソイニーさんは驚いている。
それもそのはず、魔導具士はこの世界で忌み嫌われる者なのだから。
そんな奴が、紛れていたなんて分かれば、びっくりしないわけがない。
「アスカさん、この魔導具はあなたが作ったのですか?」
「はい‥‥‥」
僕は静かに白状する。
ごまかせる気が全くしなかった。
「そうでしたか。全てが理解できました。ユミさんも交えて一度話しましょうか」
ソイニーさんは静かにそう告げ、僕に居間に向かうように言った。
そして、ユミ姉と僕、ソイニーさんが集まった。
ユミ姉は、バラの魔導具を見て驚き、僕が魔導具士だってことも知りさらに驚いていた。
「アスカさん、魔導具士がこの世界でどのように扱われているか知っていますか?」
「はい‥‥‥」
「そうですか、だから隠していたんですね?」
「はい‥‥‥」
「そうですよね、とりあえずアスカさん、安心してください。私やユミさんは日頃から魔導具士への冷遇について疑念を持っている派閥に属しているので、あなたのことを冷遇したり、追い出したりしません。ただ一つ問題があるのです」
「問題ですか?」
「はい、魔導具士はなぜだか、一定以上の実力をつけると、それ以上は魔導が上達しなくなるのです。
つまり、現状、アスカさんの魔導の上達しにくい原因は、魔導具士であることだと考えられます」
「じゃあ、僕はこれ以上修行しても、強くなれないと言うことですか?」
「……そうです」
その事実は僕が1番聞きたくなかったものだった。
ソイニーさんも辛そうな表情を浮かべ、ユミ姉は目に涙を浮かべている。
「だけど、こんなに精巧に魔道具を作製出来る人は聞いたことも見たこともありません。この技量で魔道具が作られたならば、魔導士は更なる力を発揮できると思います」
ソイニーさんはなんとか僕の気分を少しでも上げようとしてくれる。
だけど、申し訳ないけど、そんな気分にはなれない。
「……」
僕は無言のままいる。
「そんな気分にはなれないですよね、私だってわかってますよ。あなたは目標を叶えるために努力してきました。
それがこんな形になってしまっては、言葉もありません」
ソイニーさんは床を見る。
僕とは目を合わせられないみたいだった。
「アスカ、絶望だけはするな」
ユミ姉はそう言うと、豊満な胸で僕を包み込む。
「絶望だけはするな……今は前を見れなくてもいい。だけど……人は歩き続ければ、歩き続けてさえいれば、何かしら幸福が来るはずだから!」
ユミ姉は涙を流しながら、僕を諭す。
その優しさに僕もつられて涙する。
「出来損ないの落ちこぼれで、本当にごめんなさい」
「もう何も言うな。今は泣くだけでいいんだ」
5分くらい経っただろうか。
悲しい雰囲気が未だ居間を包む。
「そうですね、前に進みましょうアスカさん。立ち止まってはダメです。アスカさんはこれから魔道具士としての実力をつけた方が身のためかもしれません。3日後に、最近の米帝の活発な動向について上級魔導士以上を含め、王宮で魔導会議が行われます。
その時に、有力な魔導士に、質の良い魔道具を作る魔道具士はいないか聞いてみます。そこに弟子入りした方が、今後のためかもしれません」
「ソイニー師匠!そんなのあんまりですよ。アスカは魔導士として強くなりたいんです。それなのに、今から魔道具士に弟子入りしろなんて、酷すぎます」
「そんなことは私も分かっています。だけれども、現実を見据えた時、何が1番アスカさんにとって幸せか。それは己の得意分野をさらにのばすことではないですか!?ユミさん」
「それはそうですが、やっぱり酷ですよ……」
ユミ姉は何も言い返さなくなった。
だけど、こんな状況だけれども、本気で僕のことを考えてくれる2人が、本当にありがたかった。
「アスカさん、色々言いましたが、最終的に決めるのはあなたです。魔導会議が終わった後、今後どうしたいか伺います。
それまでに考えておいてください」
「はい……」
僕は力弱く答える。
その後3日間、僕は生きた心地がしなかった。
そう心に決意して、再び修行に明け暮れる。
その甲斐あって、少しだけ魔導が上達し、球体を75 m飛ばせるようになり、1 mほどの大きさを現界することもできるようになった。
しかし、やはりそれ以上、全く魔導は向上しなかった。
「アスカ、まだ魔導を始めてから半年くらいしか経ってないんだから仕方ないよ、気長に頑張ろう」
ユミ姉が慰めてくれる。
だけど、その慰めも今の僕には辛い。
姫様のため、前世を乗り越える為だけでなく、幼き子達を守るためにも、修行して強くなると決意したのに、全然強くなれない。
何がダメなんだ。
「アスカさん、今日の修行はここまでにしましょうか」
ソイニーさんも気を使って、今日はここまでとなった。
悔しくて仕方がなかった。
「ソイニーさん、ユミ姉、こんな落ちこぼれですみません」
そう言って部屋にこもった。
今度はソイニーさんが、ゆっくりとドアを開けながら入って来た。
その顔つきは、かなり僕を心配している。
「アスカさん‥‥‥、あまり気に病まないでください。
始めに説明しておくべきでしたが、実情、中級魔導士以上になれるのは全体の15%しか居ません。ほとんどの人が初等魔導士ですので、落ちこぼれなんて言わないでください。
あなたの努力する力は一級品です。
ただ、魔導とあなたの相性があまり良くなかっただけのことです」
ソイニーさんは言葉を一つ一つ選びながら慰めてくれる。
そんなことは僕も重々承知の上だった。
だけど、僕には力が必要なんだ。
自分の願望を叶えるため、関わって来た人を守るため、どうしても力が‥‥‥必要なんだ。
現実は、とても厳しいなと、自分を呪う。
そんな僕の様子を見かねて、ソイニーさんは少し魔導を使いながら僕を抱きしめる。
甘くいい匂いがした。
その匂いが僕を甘やかに溶かし、落ち着かせた。
「自分に絶望しないでください。あなたはあなたです。あなたにしかないものがあるはずです」
ソイニーさんは本当に優しい、少しおっちょこちょいだけど、それもまたソイニーさんの人柄の良さを際立たせる。
「あれ? アスカさん、あれはなんですか?」
急にソイニーさんが何かを指差す。
僕はソイニーさんの胸から離れ、指先を追っていくと、そこには、姫様と僕を結ぶ唯一の物、ピンクのバラが光り輝いていた。
しまった。
僕は硬直する。
ソイニーさんが僕を落ち着かせるために、魔導を使ったことで、バラの魔導具が反応してしまったのである。
「アスカさん、これは魔導具ですよね。しかもこんな精巧な魔導具見たことがありません」
ソイニーさんは驚いている。
それもそのはず、魔導具士はこの世界で忌み嫌われる者なのだから。
そんな奴が、紛れていたなんて分かれば、びっくりしないわけがない。
「アスカさん、この魔導具はあなたが作ったのですか?」
「はい‥‥‥」
僕は静かに白状する。
ごまかせる気が全くしなかった。
「そうでしたか。全てが理解できました。ユミさんも交えて一度話しましょうか」
ソイニーさんは静かにそう告げ、僕に居間に向かうように言った。
そして、ユミ姉と僕、ソイニーさんが集まった。
ユミ姉は、バラの魔導具を見て驚き、僕が魔導具士だってことも知りさらに驚いていた。
「アスカさん、魔導具士がこの世界でどのように扱われているか知っていますか?」
「はい‥‥‥」
「そうですか、だから隠していたんですね?」
「はい‥‥‥」
「そうですよね、とりあえずアスカさん、安心してください。私やユミさんは日頃から魔導具士への冷遇について疑念を持っている派閥に属しているので、あなたのことを冷遇したり、追い出したりしません。ただ一つ問題があるのです」
「問題ですか?」
「はい、魔導具士はなぜだか、一定以上の実力をつけると、それ以上は魔導が上達しなくなるのです。
つまり、現状、アスカさんの魔導の上達しにくい原因は、魔導具士であることだと考えられます」
「じゃあ、僕はこれ以上修行しても、強くなれないと言うことですか?」
「……そうです」
その事実は僕が1番聞きたくなかったものだった。
ソイニーさんも辛そうな表情を浮かべ、ユミ姉は目に涙を浮かべている。
「だけど、こんなに精巧に魔道具を作製出来る人は聞いたことも見たこともありません。この技量で魔道具が作られたならば、魔導士は更なる力を発揮できると思います」
ソイニーさんはなんとか僕の気分を少しでも上げようとしてくれる。
だけど、申し訳ないけど、そんな気分にはなれない。
「……」
僕は無言のままいる。
「そんな気分にはなれないですよね、私だってわかってますよ。あなたは目標を叶えるために努力してきました。
それがこんな形になってしまっては、言葉もありません」
ソイニーさんは床を見る。
僕とは目を合わせられないみたいだった。
「アスカ、絶望だけはするな」
ユミ姉はそう言うと、豊満な胸で僕を包み込む。
「絶望だけはするな……今は前を見れなくてもいい。だけど……人は歩き続ければ、歩き続けてさえいれば、何かしら幸福が来るはずだから!」
ユミ姉は涙を流しながら、僕を諭す。
その優しさに僕もつられて涙する。
「出来損ないの落ちこぼれで、本当にごめんなさい」
「もう何も言うな。今は泣くだけでいいんだ」
5分くらい経っただろうか。
悲しい雰囲気が未だ居間を包む。
「そうですね、前に進みましょうアスカさん。立ち止まってはダメです。アスカさんはこれから魔道具士としての実力をつけた方が身のためかもしれません。3日後に、最近の米帝の活発な動向について上級魔導士以上を含め、王宮で魔導会議が行われます。
その時に、有力な魔導士に、質の良い魔道具を作る魔道具士はいないか聞いてみます。そこに弟子入りした方が、今後のためかもしれません」
「ソイニー師匠!そんなのあんまりですよ。アスカは魔導士として強くなりたいんです。それなのに、今から魔道具士に弟子入りしろなんて、酷すぎます」
「そんなことは私も分かっています。だけれども、現実を見据えた時、何が1番アスカさんにとって幸せか。それは己の得意分野をさらにのばすことではないですか!?ユミさん」
「それはそうですが、やっぱり酷ですよ……」
ユミ姉は何も言い返さなくなった。
だけど、こんな状況だけれども、本気で僕のことを考えてくれる2人が、本当にありがたかった。
「アスカさん、色々言いましたが、最終的に決めるのはあなたです。魔導会議が終わった後、今後どうしたいか伺います。
それまでに考えておいてください」
「はい……」
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