12☆ワールド征服旅行記

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#9 未来 リリス編

#9.1 お前達の愛で、世界を救ってこい! (3/3)

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俺達は、住宅街で車から降ろされた。見るからに、普通の住宅街だ。未来といっても1年後くらいなのか。

早速、隊長よりスマホのような支給品が手渡された。

「それは、地球防衛軍が開発した異星人語の翻訳機だ。これで奴らの会話を確認するんだ」

「他に武器なんかは無いんですか?」
「新米のお前達が扱える武器は無い。今日は偵察と訓練を兼ねた作戦だ」

俺達は住宅街を練り歩いた。

「いつまで歩くのだ。責任を取れ」
クミコが俺を虐める。いつか虐め返してやると心に誓った。

「隊長! あそこに敵が!」
「あれは、地球の猫だ。見極めろ」
「どうやるのですか?」
「奴らの目付きを見れば分かる。奴ら特有の目付きだ。地球のものとは全然違う」

俺は、喧嘩をしている数匹の敵を発見した。

「隊長! あそこで戦闘が始まっています!」
「あれは、地球の猫だ。ちょうどいい。翻訳機の使い方を、あれで練習するんだ」

俺は、紛争地帯に近づき、翻訳機のスイッチを入れた。

ネコ語0 > ニャーニャニャ。
日本語0 > よう、若いの。何のようじゃ。

ネコ語1 > ニャーニャ。
日本語1 > お前の時代は、終わったんだよ。

ネコ語0 > ニャニーニャニャ。
日本語0 > 何を! 若造が!

ネコ語2 > ニャーニャ。
日本語2 > おいおい、何事だ。

ネコ語3 > ニャニャニャ。
日本語3 > 喧嘩は良くないわ。

ネコ語1 > ニャーニャニャーニャニャ。
日本語1 > 今から俺様が、ここを仕切るぜ。

ネコ語0 > ニャーニ。
日本語0 > 俺も舐められたもんだぜ。

ネコ語3 > ニャニャニ。
日本語3 > 止めて! 二猫とも。

ネコ語0 > ニャニーニニニニニニニニニャニニャ。
日本語0 > 止めねえでくれ。オサトちゃん。これはメンツの問題なんだ。

ネコ語1 > ニャーニャニャニャニャニャニャー。
日本語1 > フン。俺がお前に引導を渡してやらー。

「おい! 貴様。隊長殿のお呼びだ。遊んでないで早く来い」
「渡してやらー」


俺達は、公園に向かった隊長を追いかけた。その途中、公園の入り口付近で敵に遭遇。クミコが目を丸くした。

「クミコ! そいつは敵かもしれないぞ。隊長に報告だ」

「貴様、何を言っている。こんな可愛い目をした子猫が、敵であろうはずが無い。さあ、オイデ~」

「よせ! クミコ」
「大きな声を出すな。逃げてしまうではないか。さあ、オイデ~、こっちよ~」

クミコは、その子猫を抱き上げると、至極満足そうな笑みを浮かべた。


「クミコ! その敵を離せ! そいつは敵だ!」

隊長が銃を構える。その射線は子猫を狙っている。

「隊長殿。何をなさる!」
「ユウキ! 翻訳しろ!」
「イエス・マム」

ネコ語0 > ニャー。
日本語0 > 勘のいい奴がいるな。

「隊長! 敵です!」

「やはりな。その目付き。間違いなかったか」
「隊長殿。この子が敵なわけがない。こんなに可愛いのに。何かの間違いだ」
「それが、奴らの手口だ。気をつけろ。人に抱かれた奴らは、自爆するかもしれん」
「隊長殿。気は確かか!」

ネコ語0 > ニャーニャー!。
日本語0 > おい女。俺を抱いたまま走れ!

「仕方ない、クミコ。覚悟しろ。お前ごと、撃つ!」

ネコ語0 > ニャー!。
日本語0 > 早くしろ。撃たれるぞ!

「隊長殿。済まぬ!」

クミコは、敵を抱いたまま走りだした。

「クミコ! 止まれ! 止まらんと撃つぞ!」

クミコは、それでも止まらない。頑固な奴だ。

「隊長! 背後から撃つんですか!?」
「やむを得ん。人類のためだ!」

俺は、クミコと隊長の間に、両手を広げて割り込んだ。

「ユウキ! お前も撃つぞ! どけー」
「どきません! 女の子を傷つけてはダメです。絶対!」
「ユウキ!」

「キャー」

クミコの悲鳴が聞こえた。振り返ると、クミコの脇を、先程の敵が逃走している。俺と隊長はクミコのところに走りより、膝を付いているクミコを立たせた。

「奴め、自爆したな」
「自爆?」
「クミコをよく見てみろ」

敵はクミコの腕の中で、ウンチを漏らしていた!

「おまえら! そこに整列しろ! 命令違反で銃殺する」

「すまぬ。きさ……ユウキ」
「これで、責任はとれたか?」
「死んだら責任は果たせぬだろうが」
「それもそうだ」
「すまぬ。ユウキ」

「お前達! 歯を食いしばれ!」

隊長が俺達に銃口を向ける。そしてなんの躊躇もなく引き金を何度も引き、顔に水しぶきを何度も浴びた。

「隊長! それは?」
「これは、奴らの最大の弱点を突く武器、ウォーター・ガンだ。二度は無いぞ!」

「イエス・マム」x 2
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