12☆ワールド征服旅行記

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#7 現代 フーコ編

#7.2 現状を変えたければ未来を変えろ (2/2)

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薄暗い部屋で俺は、キーボートを叩き続ける。そこに、俺の未来や過去は無い。得体の知れない十字架を背負い、心の炎を燃やし続けた。


「バキューン」
俺は突然、奇声を上げた。何故だか、分からない。

「静かにしろー、474!」

誰かに怒鳴られた。それが自分に向けられたものなのかどうか、判断がつかない。

「おい、フーコ。俺は外出してくる。7時までには戻る。そいつが使い物にならなくなったら処分しておけ」

「分かりました。部長」


俺の部長様が、外出なされた。
そこへ、隣のお姉さんからチャット攻撃を喰らう。

天才のフーコ > 君。成敗の時間だ。
無能の俺さま > ガチョーン。

天才のフーコ > 未来を変える、
無能の俺さま > ボヨよ~ん。

天才のフーコ > 悲惨な現状を変えるため、未来を変えるのだ。
無能の俺さま > お・れ・の・み・ら・い

天才のフーコ > こっちを見るな。黙って指示を読め。
無能の俺さま > お・れ・の・き・ぼ・う

天才のフーコ > そうだ。目を覚ませ。
無能の俺さま > お・れ・の・き・ぼ・う

無能の俺さま > 俺は、俺は・・・・・・・・・・

「おりゃー」

天才のフーコ > そうだ。君は私のタイムマシーンで、未来を監視するのだ。
無能の俺さま > 何故、未来を?

天才のフーコ > 未来を変えるためだ。
無能の俺さま > 変えると?

天才のフーコ > 現在が変わる。
無能の俺さま > OK

天才のフーコ > 分かってないようだな。説明する。
無能の俺さま > NG

天才のフーコ > イカれた野郎を始末するには、過去に行ってもダメなのだ。
無能の俺さま > ...

天才のフーコ > 確定した過去は変えることが出来ない。
無能の俺さま > hoge

天才のフーコ > 仮に過去を変えられたとしよう。
無能の俺さま > umu

天才のフーコ > そうしたら、現在の私達はどうなる?
無能の俺さま > sa-

「ククク」

天才のフーコ > そうだ。矛盾が生じるのだ、だだだ。
無能の俺さま > da

天才のフーコ > そこで、未来を変えるのだ。
無能の俺さま > だだだ

天才のフーコ > 君は、自動車の製造ラインを見たことがあるか?
無能の俺さま > no

天才のフーコ > 私も無い.
無能の俺さま > Oh-

天才のフーコ > しかし、想像したまえ。
製造ラインの、あるポイントを現在としよう。その手間が過去。完成した車が未来だ。
その車を乗用車としよう。それがバスに変わったらどうなる。製造ラインは、過去に遡ってバス。つまり結果に向かって変わるのだ。結果が変われば、原因も変わる。未来が変われば、それに合わせるために現在が変わる。分かるかな?

無能の俺さま > aaa

天才のフーコ > 君の仕事は、未来のイカれた野郎を失脚させることにある。
無能の俺さま > ds,dadecsxzapewvv

天才のフーコ > これに成功するば、君は彼女と思う存分、
あんなことや、こんなことが出来るのだよ。

無能の俺さま > \(^o^)/

天才のフーコ > しかし、失敗すれば、君は彼女と二度と会えなくなる。
無能の俺さま > ( ; _ ; )

天才のフーコ > 諸君らの、成功を祈る。なお、このメッセージは自動的に消滅する。
無能の俺さま > (T . T)


俺のパソコンが、勝手に再起動を始めた。

俺のパソコン > やあ、残念だったね。僕、疲れちゃったよ。また一緒に、頑張ろう!



薄暗い部屋で俺は、キーボートを叩き続ける。そこに、俺の感情や怨念は無い。得体の知れない十字架を背負い、闇の炎を燃やし続けた。


至福の時間が到来。さあ、餌の時間だ。

「おい! 474。9分で戻ってこい」
そのうち、俺の鼻息で吹き飛ばしてやる。

俺は部屋を出て、従業員食堂を目指す。エレベーターに乗り込み、51階で激流に押し流される。券売機の行列に並ぶこと15分。前方右側に購買部を発見。”購買部 ツアーレ 24時間 働きます” を見て、胸を打たれる。

ひとり優雅に食事中のお姉さんに接近。

「すいません。相席、いいですか?」
俺は偶然、話しかける。

「どうぞ、空いてますから」

俺は、カツ丼を頬張りながら、お姉さんを見る振りをして食べ続ける。

「イカれた野郎の尻尾を掴んだ」

お姉さんが得意満面で……その顔にあるメガネは一体?

「ああ、君も気が付いてしまったのか。なかなか隠せないものだね」
「性格……目が悪かったんですか?」
「これは、ブルーライトから目を保護するためのメガネだ」
「それ、良さそうですね。俺も欲しいです」

「しかしその実体は、何を隠そう、あの、タイムシーンの端末になっているのだ。思はず、作ってしまった」

「その勢いで、俺の分まで作って貰えませんか。端末でなくていいので」
「これで、イカれた野郎の尻尾を掴んだのだ」
「このカツ丼、ウッメー」
「助成金不正疑惑。社長の指示で、国からの助成金を不正に受給している証拠を掴んだ」
「すごいじゃないですか」
「既に、社内の通報窓口に連絡した。後は時間の問題だ」
「さすがは、てん……お姉さんだ。仕事が早いです」
「遠慮はいらない。素直に呼んでみてはどうだね?」

『すいません。相席、いいですか?』
勇気ある若者が、鼻の下を伸ばし、玉砕覚悟で挑んできた。

「シャー」
『すいません。他所に行きます』

勇気ある若者が、玉砕した。

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