上 下
243 / 244
八章 王二人

燃えろ! 本能寺

しおりを挟む
 日本海戦線はある出来事を切っ掛けに大きく進展をする。

 それは越前朝倉えちぜんあさくら家の参戦だ。現当主 朝倉 義景あさくら よしかげ細川 晴元ほそかわ はるもとを娘を正室に迎え、継室には近衛 稙家このえ たねいえの娘を迎える義輝よしてる派の大派閥と言って良い。

 だがこの越前朝倉家は近江六角おうみろっかく家と仲が悪い。これが隙であった。

 何が言いたいかというと、越前朝倉家の参戦は義輝派としてのものではない。義栄よしひで派として若狭わかさ国へ侵攻した。時期的には毛利 元就もうり もとなり丹後たんご国を完全制圧して、若狭国へ攻め掛からんとしていた頃となる。

 俄かには信じ難い話であろう。

 確かに京は上洛軍の手に落ちた。しかし戦局はまだ流動的であり、いつ義輝派が巻き返しをするか分からない。未だ義輝派には多くの手札が残っている状況である。負けが込んでいるならまだしも、今ここで陣営の鞍替えをすれば逆に越前朝倉家が不利な立場に追い込まれかねない。それこそ美濃一色みのいっしき家に越前侵攻の大義名分を与えるようなものである。

 だというのに朝倉 義景が決断を下したのは、あるカラクリがあった。簡単に言えば、越前朝倉家の惣領の立場を守るためである。

 足利 義栄の元には現在あの宇喜多 直家うきた なおいえがいる。また当家の家臣には、朝倉 景高あさくら かげたかとその息子の朝倉 在重あさくら ありしげがいる。

 この両者に共通する事項は庶流と言えよう。宇喜多 直家は嫡流の座を実力で奪い取り、朝倉 景高は謀反に失敗して土佐に流れ着いた。

 戦国時代は親兄弟で嫡流の座を争う時代だ。甲斐かい武田 信玄たけだ しんげんが父親を追放して当主の座を得た話や駿河するが今川 義元いまがわ よしもとが当主の座を兄弟で争った話等、こうした事例は路傍の石のように幾らでも転がっている。嫡流と庶流では扱いが大きく異なるために、血を流してでも奪い取ろうとする者は後を絶たない。事実宇喜多 直家は、幼少期に貧しい暮らしを送っていた。

 逆に言えば、現当主は何としてでもその座を守ろうとする。落ちぶれたくはない。誰もがそう考えよう。そのためには親兄弟であろうと粛清を行う時さえある。

 だからこそ、宇喜多 直家は朝倉 義景に報せた。現在新幕府では、朝倉 在重を直臣に抜擢して越前朝倉家の惣領に任命しようする動きがあると。いずれ来る越前国侵攻の時には、その新当主を大将に据える予定だと。

 朝倉 義景は義輝派である。なら義栄派の朝倉 在重が越前国へ攻めたとしても文句は言えない。しかもその侵攻を行う際には、越前国や加賀かが国の一向門徒の全面協力があると匂わせればどうなるか。

 朝倉 義景はあっさりと義栄派に転向した。その証拠が若狭国東部への侵攻である。

 これぞ宇喜多 直家の真骨頂と言うべきか。たった数枚の紙切れで寝返りをさせるとは、見事の一言だ。

 ただ朝倉 義景も馬鹿ではない。この寝返りに当たって幾つか条件を出してきた。それは、越前朝倉家当主の確約と越前・加賀の過激派一向門徒の西国への移住、最後は西国との交易許可となる。実利を求めて義栄派に転向する強かさであった。

 これも全ては細川 晴元が社会的に死亡しており、近衛 稙家が既にこの世を去っているからこそ、しがらみに囚われずに決断できたと言えよう。それでも家臣からの反対意見が多かったのは想像に難くない。よくぞ家中を抑え込めたものだ。

 なお、朝倉 義景が出してきた条件の二番目と三番目は当家と大きく関わるのだが、俺の了承が無いままで交渉が進められたのを追記しておく。俺が内容を知ったのは、全てが決まってからという有様であった。

 これに付いては足利 義栄が、俺にとっても利のある条件だから伝える必要は無いと判断したそうだ。それよりも、秘密交渉を行っている事実が漏れないようにするのを優先したと弁明する。納得のできる理由だけに、俺も騒ぎ立てるつもりはない。

 問題があるのは、ここから先の発言であろう。

「だからな、義父上。越前朝倉家には産物を遠慮なく売りまくって借財漬けにして欲しい。証文は幕府が八割で買い取る。領国への根回しを頼むよ」

「ったくよお。義栄、何処でそんな知恵を付けてきた」

「大元は義父上だろうに。雫から聞いたぞ」

「……悪かった」

 自分達から寝返りを仕掛けておいてよくもまあと思わないでもないが、その発案の元が俺が昔一羽に語った植民地政策の基本だと知れば、何も言えなくなってしまった。

「取り敢えず、日本海方面の戦いが一区切りしたら朝倉 在重を義栄の与力に手配しておく。後は働きを見て、直臣に昇格してやってくれ。こうしておけば義輝派が巻き返してきても、越前朝倉家の再度の寝返りを防止できるだろう。越前朝倉家を上手く使えよ」

「恩に着る。これで近江六角おうみろっかく家との戦いを有利に進められる」

「近江国は穀倉地帯だからな。京の統治を安定させるためにも、絶対に妥協するなよ。三好は俺に任せておけ」

 日本海戦線の残す国は若狭国と丹波たんば国。どうやらこの二つの国の制圧を終えた時が、俺と三好 長慶との決戦となりそうだ。越前朝倉家の寝返りは、足利 義栄にとって大きな力となった。
 

▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽


 京の町を占拠する上洛軍は、義輝よしてる派の逆襲に備えているだけではない。その傍ら荒廃した京の町の復興にも取り掛かっていた。

 日蓮宗の大本山 本能寺を燃やし、日蓮宗信者を京の都から追い出すのと並行して。

 本当は俺が燃やす予定だったのだが、ついでだからと代わりにしてくれた。

 理由は明確である。本能寺の所在する場所は御所から目と鼻の先にある一等地のため、復興の邪魔となったからだ。要は地上げである。

 ……とこれは表の理由であり、本当の狙いは京から種子島の影響を排除するためであった。結論から言えば、本能寺は日蓮宗における種子島銃及び弾薬の物流拠点でもある。堺の顕本寺けんぽんじも似た役割を果たしていたが、この寺は俺が堺の町を焼き討ちした際に既に燃やしている。

 当家を含めた義栄派が日蓮宗と対立した以上は、日蓮宗信者というゲリラに武装を提供する施設が京にあるのは脅威そのものだ。京から追い出した所で、隠れ日蓮宗信者が潜伏するのは確定である。

 ゲリラを武装化させたくないなら大元の種子島を制圧すれば良いだけだと言われそうだが、彼の地は島民の約七割が日蓮宗信者のために制圧はイコール虐殺となる。さすがにこれを国主の斯波 元氏しば もとうじにやれと命じるのは俺にはできない。

 そうなると物流拠点を潰し、ゲリラに武装させないのが次点の選択となる。

 いずれは他国に物流拠点が作られるだろう。イタチごっことなるのは目に見えている。そうだとしても、まずは京の町衆から武装化の手段を取り上げる。テロには屈しない姿勢を見せる。これが為政者の正しい姿と言えよう。

 こうした裏事情があるため、本能寺を燃やす際には揉めに揉めたそうだ。

 本能寺側は上洛軍には敵対しないから燃やさないで欲しいと言いつつも、不入権を振りかざして絶対に敷地内に立ち入らせようとしない。この騒動を聞きつけた京の町衆が大勢駆け付け、上洛軍と押し合いへし合い、やがては殴り合いの喧嘩に発展する。

 ついにはどちらともなく刃物を出して人死にが出る始末。穏便に施設から退避させ、武器弾薬・取引書類を押収し、建物だけを焼こうとした計画が脆くも崩れ去った。

 後はもうお決まりの事態だ。町衆と本能寺関係者は寺に立て籠もり、徹底抗戦を宣言する。何処からともなく出てきた種子島銃が火を吹き、次々と上洛軍の兵を撃っていく。逆上した兵達が焙烙玉を本能寺内に一斉に投げ込む。

 抵抗が弱まり、上洛軍が本能寺内に突撃を敢行した際に悲劇が起こる。

 それは放火だ。本能寺関係者が自身で寺に火を点けた。目的はほぼ間違いなく、隠し持っていた武器や取引の書類を消し去るためだと思われる。種子島銃は木製のレシーバー部やグリップ部が燃えてしまえば、素人目には判別ができない。それを分かった上での行動であろう。

 こうして本能寺事件の幕が下ろされる。ご丁寧にも火を点ける前にしっかりと油を撒いておいたのか、消火活動を行っても火は消えず、本能寺は丸一日燃え続けたという。

 本能寺関係者及び立て籠もった町衆の内で生存者は無し。建物は全焼。建物内からは刀や槍の一部と思われる物が発見されはしたが、そこまで。種子島銃と弾薬はついぞ発見されなかったそうだ。全てが闇から闇に葬られる。

 後味の悪い結末となったものの、日蓮宗の危険さが浮き彫りとなった事件であった。

 
▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽


 燃える寺あれば、今度は再建に動く寺もあるのが世の常。しかしながら無い袖は振れない。そのため、出資者を求めて上洛軍や西国の国主に寄付を求める陳情が後を絶たないという。

 当然ながら、俺の所にも寺社関係者が寄付を求めて多く押し寄せてきた。

 こうした陳情は基本的にはお断りをしているのだが、中には断れない相手も存在する。その人物はみんな大好き行空ぎょうくう殿であった。
 
「久しいな細川殿。喜べ。お主の子が正式に九条家の養子となり、家督を継ぐ事になった」

「それは目出度いですね。ですが行空殿が私のいる岸和田きしわだ城まで直接出向いてくるからには、それだけではないのでしょう。先に今回の目的から話して頂けますでしょうか?」

「そう警戒するでない。此度の件は仕方ない措置だと理解してくれ。元が養子とは言え、仮にも一度は九条家当主になった者を廃するのだぞ。そのまま放り出す訳にはいかん」

「……つまりは受け皿が必要だと」

「話が早くて助かる。結論から言えば、現当主 九条 兼孝くじょう かねたかは出家させる。行き先は醍醐寺だいごじ三宝院さんぽういんだ。そこで拙僧の叔父の後継者として修業させるのが決まった」

「三宝院と来ましたか」

 醍醐寺や三宝院と言えば最初に思い出すのは、豊臣 秀吉が行った「醍醐の花見」であろう。豊臣 秀吉が催したイベントの中でも一、二を争う規模として有名だ。

 ただ「醍醐の花見」は、豊臣 秀吉によって三宝院が復興されたからこそ開催できたイベントである。それ以前は応仁の乱に際に戦に巻き込まれ、多くの建物が消失する荒廃ぶりであった。

 なら何故そんな荒廃した寺を今更復興しなければならないのか? 籤引き将軍として有名な足利 義教あしかが よしのりの政治顧問に三宝院満済さんぽういんまんさいがいたのを思い出せば、その意味が分かるというもの。

 平たく言えば、行空殿の叔父 義堯ぎぎょう殿が就任している三宝院門跡は、幕府や公家に対して大きな影響力を持つ。現在は醍醐寺・三宝院共に荒廃しているため、有名無実となっているだけである。

「それで当家に三宝院復興の銭を出せという訳ですね」

「本当に話が早くて助かるな。無理にねじ込むのだから、三宝院に利を与えねば受け入れては貰えぬ」

「今度は九条─足利体制を築くつもりですか? いや九条─足利─細川体制と言った方が良いかも」

「何ぞ言うたか?」

「いえ何も。醍醐寺は根来ねごろ寺とも繋がりがある寺だけに、断れないな。分かりました。出しましょう」

「さすがは細川殿。拙僧の願いを聞き届けてくれると信じておったぞ」

 要は三宝院復興によって、九条家の力を取り戻そうと画策しているのだろう。

 九条家の当主に俺の子供が就任する。三宝院が復興する。足利 義栄の公方就任と同時に俺との関係性を持ち出して、九条 兼孝を猶子にねじ込む。これにより三宝院─幕府─細川一族の魔の三角形が完成する。

 近衛 稙家はもうこの世にいない。嫡子の近衛 前久このえ さきひさは現在関東に赴き、義輝派の多数派工作を行っていると聞く。

 ライバル不在の京で、行空殿は九条家が摂関家筆頭の地位を得ようと大胆にも仕掛けてきた。

 本来ならこうした見え透いた策は断るのが俺である。ただ今回ばかりは銭を出さざるを得ない。三宝院が置かれる醍醐寺は古くから根来寺と交流のある寺だけに、三宝院の復興は根来寺の義栄派引き込みへの布石となる。行空殿は口には出さないが、まず間違いなく三宝院の地位確立のためにも、今後根来寺との関係を深めさせるだろう。

 当家の家臣に津田 算長及びその息子達がいるのを考えれば、根来寺との対立はしたくない。今回の提案は、こうした背景も考慮の上で出してきたのは確実であった。

「やられたな……」

 この一言を呟いた瞬間、行空殿が満面の笑みを浮かべる。

「そうか、そうか。してやられたか。これは気分が良いの」

「そこまで喜ばなくても、私も必要な所にはきちんと銭を出しますよ」

「それは分かっておる。だがな、拙僧はこれまでお主の琴線が理解できなかったのだ。お主がこれまで行った数々は、拙僧だけではない。多くの者にとって意味不明であった。だからな、」

「続きをどうぞ」

「今日初めてお主と同じ目線に立てたような気がする」

「大袈裟ですよ」

「それも全てはお主の息子を受け入れる決断ができたからであろう。これで九条家の栄光が一〇〇年は続く。今後ともよろしく頼むぞ」

 後はお決まりの流れとでも言えば良いのか。気分の良くなった行空殿が、俺に酒と料理を用意しろと言ってくる。対する俺が、もう出家しているのだから酒は控えた方が良いのではと問うと、今度は「このような目出度き日に酒を飲まずしていつ飲むか」と反論する。

 こうしてなし崩し的に、岸和田城内ではささやかな宴……もとい行空殿の独演会が開かれた。

「俺の子供が本当に九条家に養子入りになるとはな。さて、どうするか」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた

杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。 なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。 婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。 勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。 「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」 その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺! ◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。 婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。 ◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。 ◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます! 10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!

ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました

杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」 王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。 第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。 確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。 唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。 もう味方はいない。 誰への義理もない。 ならば、もうどうにでもなればいい。 アレクシアはスッと背筋を伸ばした。 そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺! ◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。 ◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。 ◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。 ◆全8話、最終話だけ少し長めです。 恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。 ◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。 ◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03) ◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます! 9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

逆行令嬢は聖女を辞退します

仲室日月奈
恋愛
――ああ、神様。もしも生まれ変わるなら、人並みの幸せを。 死ぬ間際に転生後の望みを心の中でつぶやき、倒れた後。目を開けると、三年前の自室にいました。しかも、今日は神殿から一行がやってきて「聖女としてお出迎え」する日ですって? 聖女なんてお断りです!

冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた

ああああ
恋愛
優は大切にしていた妹の友達に冤罪を掛けられてしまう。 そして冤罪が判明して戻ってきたが

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

処理中です...