国虎の楽隠居への野望・十七ヶ国版

カバタ山

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七章 鞆の浦幕府の誕生

棚からぼたもち

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 弘治こうじ三年 (一五五七年)も半ばを過ぎると様々な成果が出てくる。

 まず中国地方の戦線は予定通り占領を終えた。周防大内すおうおおうち家に於いては当主 大内 義長おおうち よしながが本拠地山口をあっさりと捨てて逃げる程である。ただでさえ求心力の無いお飾りの当主であるというのに、これでは家臣が付いてこない。逃げ込んだ長門ながと国の城を包囲した途端にこれまた簡単に降伏したと報告書に書かれていた。

 大内 義長の身柄は阿波あわ撫養むや城に送るそうだ。

 また、大寧寺の変で討ち死にした大内 義隆おおうち よしたか殿の遺児の消息が判明していないらしく、現在は山口の町の復興の傍ら捜索を行っているという一文で海部 友光かいふ ともみつ殿からの報告書は終わる。今回も最低限の内容であった。

 海部 友光殿なら周防国・長門国の統治も心配無用であろう。しかしだからと言って、順風満帆になるとは限らない。その種となるのが取り逃がした大内 義隆殿の遺児だ。このままでは、いつ内乱の旗頭とされるか分からない危険さがある。

 もう一点。実は土佐では、当家に亡命をしていた大内 輝弘おおうちてるひろ武弘たけひろ親子が姿をくらませていた。

 報告では当家の周防・長門侵攻に際して、「何ゆえ我等親子を無視して進めるのか?」 「大内の正統たる自分達が両国の国主に相応しい」と当家の使用人達に猛抗議していたようである。

 とは言え、この親子には当家での実績は何も無い。ましてや侵攻の大義名分なら、大内 義長と同じく外孫の足利 義栄あしかが よしひでで事足りる。そのため、当家の使用人達は誰もが相手にしていなかったそうだ。元々この親子は亡命当初こそ大人しかったものの、日を経るにつれて横柄な態度が目立っていたらしい。「遠州細川など分家の分家ではないか」といった言葉も平気で口にしていたという。

 結果として大内 輝弘・武弘親子がどう過ごしているかを誰もが気にしなくなり、それが仇となる。ある日様子を見に行った所、部屋がもぬけの殻となっていたという顛末であった。

 使用人達からの報告では、親子の下男を見なくなってから三日後の出来事だという。

 当然ながら俺は使用人達を罰してはいない。むしろよく報告してくれたと褒め、よくぞこれまで耐えてくれたと労いの言葉を掛ける。牢にでも入れていたなら話は別だが、元々がお荷物扱いだった親子をきっちり管理しろというのが酷だ。使用人達にも他に仕事があるという当たり前の事情である。

 こういった出来事があったため、周防国と長門国は更に旧周防大内家家臣による内乱の危険性が高まったと言えよう。口だけの大内 輝弘・武弘親子にその度胸があるとは思えないが、豚もおだてれば木に登る。豊後大友ぶんごおおとも家の者から周防・長門の民が二人の帰還を待っていると唆されれば、その気になったとしてもおかしくはない。

 豊後大友家からすれば、これ以上ない捨て駒の誕生である。内乱が成功すれば勿論の事、例え失敗したとしても、後方攪乱の役割が果たせるだけに旨味はあると言えよう。

 こうなると今の海部 友光殿に必要なのは、一日も早い政権基盤の確立と不足している人手の確保となる。内乱の未然防止ではなく、内乱の規模を小さくして即座に鎮圧する体制作りだ。

 そのため俺は早速、阿波仁木にっき家一族の派遣を行い、その一行に同行させる形で波川 清宗なみかわきよむね森 孝頼もり たかよりを与力として送り出す。当面の危機はこれで何とかなるだろう。

 もう一つの戦線である石見いわみ国も予定通り制圧を完了する。出雲尼子いずもあまご家の援軍が到着しなかっために、こちらも楽勝だったとの報告だ。

 石見戦線に於いては、何より足利 義栄あしかが よしひでの筆頭家老である篠原 長房しのはらながふさ殿の働きが大きい。たった五〇〇〇の兵で出雲尼子の援軍一万五〇〇〇を出雲国内で完全に足止めしたそうだ。備後びんご国から侵入して出雲尼子軍の動きを牽制する。決戦は行わずにのらりくらりと躱し続ける。見事な采配と言うしかない。

 その裏で備中びっちゅう国の細川 通董ほそかわみちただ殿が、取りこぼしていた北部の備中新見びっちゅうにいみ家領を併呑して出雲国へ雪崩れ込む仕草を見せる。これにより出雲尼子軍は、挟撃を恐れて兵を退かざるを得なくなった。

 出雲尼子軍と小競り合い一つ起こしていない篠原 長房殿が戦の全てを支配した石見戦線は、これぞ戦争芸術とも言える戦いであろう。俺には絶対に真似できそうにない。

 ただ、そんな感想を持てるのは俺だけだったようだ。

 篠原 長房殿だけに活躍をさせないとでも思ったのか、石見国占領を終わらせた安芸 左京進あき さきょうしん吉良 茂辰きら しげたつが兵の退却した出雲国西部に雪崩れ込む。当然ながら西出雲の制圧は予定には入っていない。

「二人共国主になったのだから、もう少し自覚を持ってくれよ」

 思い出すのは土佐統一前に起きた蓮池はすいけ城の無断攻略である。あの時も味方の活躍に触発されて吉良 茂辰が抜け駆けをしていた。

「仕方ない。次の遠征は俺も出よう。そうでもしないとまた暴走して討ち死に……というより先に尼子が西出雲を取り返しに来るか。そうだな。抜け駆けの罰は尼子の主力を引き付ける役にしよう。それで本拠地 月山富田がっさんとだ城攻めには参加させない、と」

 そう言えば蓮池城の無断攻略は、敵主力の迎撃を考えてのものだったと思い出す。なら今回の抜け駆けも同じ理由と見た方が良い筈だ。無意味に侵攻したというのは考え難い。石見戦線の部隊には毛利 元就もいるのだから、そんな馬鹿な真似はしないだろう。

 そう考えれば、ここはその責任を取らすのが最も有効というもの。対出雲尼子戦の激戦地というババを引いてもらう。これが一番の罰となる筈だ。

 抜け駆けの責任は自分達で取る。これで少しは二人も懲りるだろう。

「後は義栄よしひでに書状を出しておかないとな。西出雲が危うくなったら、側面を突いてもらうように依頼をしておかないと」


▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽


 次は九州地方となる。

 周防国・長門国の制圧を終えた後は、別働部隊が九州に上陸して豊前ぶぜん門司もじ城やその周辺のみならず、更に南下して要衝の松山まつやま城までも攻略する。

 この時点で豊後大友家が領する国東くにさき半島を射程圏内に収めた形だ。ただでさえ伊予いよ国の佐多岬さたみさき半島には軍事基地があるというのに、そこから更に一歩進めた行動をする。要は挑発行動に等しい。

 こんな事をすれば豊後大友家も黙ってはいられなくなる。軍を率いて北上し、僅か二か月の内に同じく要衝となる馬ヶ岳うまがだけ城を落とした。

 これにより、当家と豊後大友家は長狭ながお川を挟んで対峙する緊張状態が生まれる。緩衝地帯となる第三勢力など無い、いつでも殴り合える状況だ。最早両家の直接衝突は時間の問題でしかない。

 予定通りなのは間違いないが、完全にやり過ぎである。報告書に書かれていたのは、「要衝の松山城が落とせそうなので勢いのままに落とした」という一文。いわゆる現場の判断となる。

 別働部隊は大将を肝付 兼続きもつき かねつぐ、副将を仁木 高将にっき たかまさとした経験豊富な二人だけに、防衛線を敷くなら要衝を押さえるのが正しいと言わんばかりの行動だ。どの道、豊後大友家との激突は免れない。ならば、より有利な場所で戦いたいと考えるのは現場の者として当然と言えよう。地図だけ見て判断している俺とは目線が違うのも頷ける。

 ……こうなると今回の抜け駆けは認めるしかない。戦は勝つためにするものだ。誰もが負けたくはない。ならば例え激戦となろうとも、良い環境の下で血と汗を流したいと考える。そんなものなのだろう。

 ともあれ、二人の活躍によって九州各所が活発化する。豊後大友家は軍の北上に乗じて、大宰府や博多の町がある筑前ちくぜん国へも進出して勢力圏に組み込んだ。この地に根を張る秋月あきづき氏や筑紫つくし氏は、なす術もなく城を落とされて逃亡したという。もう少し根性を見せて欲しかった。

 だがそのお陰で、南九州の日向ひゅうが国は総州畠山そうしゅうはたけやま家の元にあっさりと統一される。北に目が向いている豊後大友家には南に援軍を送る理由も余裕も無い。そうなれば盟主のいない日向国は烏合の衆となる。例え日向伊東ひゅうがいとう家が頭一つ抜けた存在であったとしても、薩摩さつま大隅おおすみ・南肥後ひごの兵も加えた一万を超える軍勢には太刀打ちもできない。

 その上、薩摩斯波しば家には大筒という城を張子の虎にする攻城兵器があるのだから、万に一つも負ける要素はなかった。約五年前の激戦が嘘のような結末と言えよう。
 
 ここでもう一つ俺の元に笑える報告が入る。肥前渋川ひぜんしぶかわ家、いや津田 算長 つだ かずまさが悪戯心を出したと言えば良いのか、このどさくさに紛れて豊後大友領内の西筑後ちくごを占領してしまった。百戦錬磨の根来衆に掛かれば、寄り合い所帯の筑後国豪族を蹴散らすのは訳がない。

 かくして豊後大友家は、大宰府や博多を手に入れた代償として東西南北全てから包囲されるという事態に直面した。勢力圏自体は豊後国、筑前国、南豊前、東筑後、北肥後ひごと広大だとしても、その全てを守り切るには不可能な状況へと陥る。

 この時点で豊後大友家はほぼ詰みだ。後は少しずつ包囲網を狭めて、消耗させていくだけである。ここからの一発逆転の策は、幾つかの戦で大勝を重ねて和睦に持ち込むのみ。最早一度の勝ち程度では巻き返せない。そんな盤面となる。

 俺が包囲網構築を急いでいなかったとは言え、よくぞこの場面で鬼手となる手を実行できたものだと感心する。確かに豊後大友家の関心は北に向いていた。だがそうであっても、筑後国の南に位置する北肥後には無傷の戦力が存在している。それを分かっていながら、意に介さず攻められる大胆さが津田 算長の凄さというしかない。脱帽するばかりだ。

 ただ、これで終わりとならない所が当家らしいと言えば良いのか。西筑後は肥前渋川家が独力で攻め取ったのだから、そのまま自分達で領有するのが筋である。肥前渋川家の家臣達もそれを望むだろう。

 けれども、そうはならない。西筑後はいらないと俺に献上してきた。穀倉地帯を抱え、鍛冶を含めた各種産業を持ち、海外との交易をも行える良港のある肥前国があれば、もう十分なのだという。つまりは大きなリターンを得られる投資先が既にあるから、それに集中させるためにも無駄に投資先を増やしたくないという話である。何とも羨ましい限りだ。

 また、肥前渋川家には肥前国にまだ手付かずの地が残っている。特に平戸ひらどはキリスト教日本支部の本拠という爆弾があるものの、倭寇やポルトガル商人の住む交易の旨味が大きい地だ。

 それだけではない。平戸にはこの時代の日の本で唯一ジャンク船が建造可能な技術者もいる。これを知っていれば、西筑後に魅力を感じないのは納得できてしまう。

 余談ではあるが、室町時代の「唐船からふね」の言葉は単純にから (明)行きをする船という意味であり、船自体は平底の和船である。から製の船というジャンク船を指し示す言葉ではない。和船の性能が上がったために、それで事足りるようになった。結果としてジャンク船は作られなくなり、その技術が失われたという経緯がある。

 お陰で史実における江戸期の朱印船貿易では、船の建造を平戸・明・シャム (タイ)の三か所で行っていたという。和船の耐久性では明までは航行できても、その先が持たない。そうなると東南アジアまでの航海なら、やはりジャンク船でなければ駄目だという結論が出たという訳だ。まさに一度失った技術は簡単には取り戻せない典型と言えよう。

 話は逸れたが、今回の献上はあくまで肥前渋川家内の事情によるものだ。何も西筑後の地が不毛の大地だからいらないという話ではない。むしろ筑後国は筑後平野を抱える優良な場所であり、土佐や阿波あわよりも格段に治め易い国である。石高も国全体で三〇万石近い。この時代は何より食料生産が優先されるだけに、十分満足できるだろう。

 そこで俺は、西筑後へ雑賀さいか衆の鈴木 重意すずきしげおきを送ると決める。鈴木 重意は現状雑賀衆を束ねる木沢 相政きざわ すけまさの陪臣扱いであるため、本来引き抜きはご法度であろう。

 とは言え、雑賀衆の中ではいち早く当家に臣従したという経緯を持ち、これまで数々の戦功を上げてきた。その上、紀伊きい鈴木党の治める南郷の地は穀倉地帯というのもあり、長年安値で米を売ってくれていたという恩もある。それだけにいずれは引き上げて、報いなければならないと考えていた者だ。

 また、空いた南郷の地が紀伊木沢家の直轄地となれば、純粋に収入増となる。これが意外と大きい。戦力の損失は痛いだろうが、結果として今回の引き抜きは、紀伊鈴木党と紀伊木沢家の両家に利益を齎す形となる。そういった思惑による人事であった。

「という訳で重意、頼むぞ。住み慣れた地を離れるとは言え、栄転だからな。以後、筑後鈴木家は国持ちとなる。頑張って残りの東筑後も手に入れろよ」

「あの、国虎様……」

「どうした? もしかして相政が引き抜きに難色を示したのか?」

 しかし、現実にはそれも机上の空論となるのが世の常である。撫養むや城にやって来た鈴木 重意は、喜ぶ顔一つ見せずにただただ困惑をする。

「いえ、そちらの方は何も問題はありませぬ。むしろ鈴木党の出世を喜んでくれました」

「なら何が問題なんだ?」 

「それは……息子の事です。我が息子ながらお恥ずかしい話ですが、重秀しげひでに国主は務まらぬかと」

「何言ってんだ。重意には長男がいるじゃないか。確か専光寺せんこうじの住職をしているんだよな。その長男を呼び戻せば良いだけだろ?」

「申し訳ございませぬ。長男の順勝じゅんしょう (元中嶋 孫太郎)は木沢様のお気に入りでして、筑後国に呼び寄せはできぬのです」

 要は事前に根回しをせずにいきなり国主を任命した俺が悪いという話である。予期せぬ西筑後の献上だったとは言え、もう少し相手の事情を調べていれば良かった。

 鈴木 重意の年齢は既に四〇の後半に差し掛かっている。そのため、国主に任命してもその統治期間は長くない。近い将来引退をして代替わりをさせる必要がある。

 ここで困るのが、跡継ぎにはヤンキーの鈴木  重秀しかいないという点だ。昔に比べれば落ち着いてはいるものの、どう考えても国主の柄ではない。その辺は鈴木 重意も分かっているらしく、それが理由で国主就任を喜べないでいたようだ。しかも頼みの綱となる長男は、木沢 相政が手放したくないとくる。

「……という事は、重意が国主になるなら、家の存続のために養子を取るしかないのか。悪いな。知らなかったとは言え、余計な真似をしたか」

「いえ、我が息子の性根がもう少し真っすぐであればこうはならなかったのですが……。それでも、国虎様の配慮に儂を含め一族が喜んでおるのは事実です。ですので国虎様が良い養子をご紹介くだされば、此度の国主の話を受けようかと考えております」

「分かった。俺も重意の働きには報いたい。それでだな……養子は当家で養っている駿河今川するがいまがわ 当主 今川 義元いまがわ よしもと殿の子息はどうだ? 長得ちょうとくなら血筋が良い上に性格も真面目だ。次代の国主として相応しい人物だと思うぞ」

「ありがとうございまする。それと図々しいようですが、もう一点我儘をお聞きくだされ」

「どうした?」

「我が鈴木党は紀伊国の南郷に根を下ろすまでは一向衆と共にあったため、武家としての歴史がございませぬ」

「なるほど。鈴木の名では権威が足りないと言いたいんだな。一国を従えるには不安だと。分かった。こちらは当家で保護している京極 高延きょうごくたかのぶ殿に重意の養子入りを相談しておく。京極 高延殿は五〇を超える年齢だからな。重意でも養子に入れるだろう。しかし、それで良いのか?」

「と仰いますと?」

「養子を迎えるだけではなく、家名も捨てるとなれば、重意に何が残る?」

「一族の繁栄と筑後国での浄土真宗布教となりまする。それに鈴木の家名は重秀が継ぎ、土佐鈴木家として存続させますので問題ありませぬ」

「なら納得できる。そう言えば鈴木党は熱心な一向門徒だったか。当家は本願寺教団との距離が近いからな。浸透していない国があるというのをすっかり忘れていたよ」

 ふと、それなら養子は一族から迎えるので良かったのではないだろうかという疑問が出る。しかしこれは逆に悪手だと気付き、その判断は間違いではないと自己完結した。

 国を治めるというのは一人の力のみではできない。頼りとなる一族や家臣達がいて、初めて成せるものだ。そう考えると地域の有力者との良い関係を築くには、婚姻の弾は多い方が良い。特にそれが由緒正しい出自となれば、地盤強化に大いに役立つだろう。中央から外れた地方ほど権威が有効だというのを分かっている。鈴木 重意のそんな深い読みに感心するばかりであった。

 惜しむらくは、後は息子の鈴木 重秀がヤンキーを卒業してくれていればどんなに良かったか。養育をしていた子供達の中で、唯一鈴木 重秀のみが一切政を学ぼうとしなかったという伝説を残している。

 その結果が養子の養子だ。こういう時、武家は個の意思よりも家という集団を優先するのだと改めて知る出来事となる。

 ともあれ、今回のやり取りで如何に鈴木 重意が国主就任を真面目に考えていたか分かった。これなら、西筑後は安泰となるであろう。
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