ママは男の娘

狐猫(キツネコ)

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#07-16

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「黙れ!!」

 源蔵がこれまでで一番力を込めて私を殴りつけてきた。

 その顔に余裕はなく、一心不乱にスティックを振り回す。

 やがて力尽きた源蔵はその場に座り込んでしまった。

 その顔にはもはや生気が感じられない。

 私は源蔵に問いただす。

「どうすればサキを救えますか?」

 源蔵は少し歯ぎしりすると、一枚のカードを私の前に投げ捨てた。

「体をもってゲートに行け……」

 そう小さく呟くと、源蔵は力尽きたのか気絶してしまった。

 私はそのカードを拾い、サキの体を抱えて部屋を出た。

 その後ろをぬーちゃんがついてくる。

 廊下に出て、向かいのゲートにカードを刺す。

 何十にもかけられたセキュリティが剥がされていく。

 やがてゲートが開くと中には人間サイズの巨大なカプセルがあり、淡い光を放っている。

 その光は音もなく外に出るとサキの体に宿った。

 サキがゆっくりと目を開く。

「……あなたは?」

「私は……」

 そこで私は一瞬口を閉じたが、私は自信をもって答えた。

「……私は、イチローです。あなたがくれた名前です」

 そう言うと、サキは優しく微笑んだ。
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