83 / 84
#07
#07-16
しおりを挟む
「黙れ!!」
源蔵がこれまでで一番力を込めて私を殴りつけてきた。
その顔に余裕はなく、一心不乱にスティックを振り回す。
やがて力尽きた源蔵はその場に座り込んでしまった。
その顔にはもはや生気が感じられない。
私は源蔵に問いただす。
「どうすればサキを救えますか?」
源蔵は少し歯ぎしりすると、一枚のカードを私の前に投げ捨てた。
「体をもってゲートに行け……」
そう小さく呟くと、源蔵は力尽きたのか気絶してしまった。
私はそのカードを拾い、サキの体を抱えて部屋を出た。
その後ろをぬーちゃんがついてくる。
廊下に出て、向かいのゲートにカードを刺す。
何十にもかけられたセキュリティが剥がされていく。
やがてゲートが開くと中には人間サイズの巨大なカプセルがあり、淡い光を放っている。
その光は音もなく外に出るとサキの体に宿った。
サキがゆっくりと目を開く。
「……あなたは?」
「私は……」
そこで私は一瞬口を閉じたが、私は自信をもって答えた。
「……私は、イチローです。あなたがくれた名前です」
そう言うと、サキは優しく微笑んだ。
源蔵がこれまでで一番力を込めて私を殴りつけてきた。
その顔に余裕はなく、一心不乱にスティックを振り回す。
やがて力尽きた源蔵はその場に座り込んでしまった。
その顔にはもはや生気が感じられない。
私は源蔵に問いただす。
「どうすればサキを救えますか?」
源蔵は少し歯ぎしりすると、一枚のカードを私の前に投げ捨てた。
「体をもってゲートに行け……」
そう小さく呟くと、源蔵は力尽きたのか気絶してしまった。
私はそのカードを拾い、サキの体を抱えて部屋を出た。
その後ろをぬーちゃんがついてくる。
廊下に出て、向かいのゲートにカードを刺す。
何十にもかけられたセキュリティが剥がされていく。
やがてゲートが開くと中には人間サイズの巨大なカプセルがあり、淡い光を放っている。
その光は音もなく外に出るとサキの体に宿った。
サキがゆっくりと目を開く。
「……あなたは?」
「私は……」
そこで私は一瞬口を閉じたが、私は自信をもって答えた。
「……私は、イチローです。あなたがくれた名前です」
そう言うと、サキは優しく微笑んだ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
真夏の温泉物語
矢木羽研
青春
山奥の温泉にのんびり浸かっていた俺の前に現れた謎の少女は何者……?ちょっとエッチ(R15)で切ない、真夏の白昼夢。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
【ショートショート】雨のおはなし
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
青春
◆こちらは声劇、朗読用台本になりますが普通に読んで頂ける作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる