ママは男の娘

#07

#07-05

「これが、アストロギー……？」

　私は驚きの連続に疲れを覚え始めた。

　アストロギーの製造方法が、こんなにも簡単で不可解なものだとは思わなかった。

「私は子供の頃からこの光を生み出すことが出来ました。でもあの人にはできませんでした」

「あの人というのは、源蔵のことですか？」

「はい、私はあの人の弟なのです」

　ここに来てから、情報が多すぎて目眩がしてきた。

「この光がとてつもないエネルギーを持っていることに気づいた兄は、この工場を作りました。世界を救うためだと……」

　源蔵がサキにたいしても行っていた言葉だ。

　ということは、サキにも同じ能力があるということだろう。

「でも、そんな私に限界が来ました。今はもう、こんな小さな光を生み出すのが精一杯なのです」

「それで、貴方のクローンを？」

　そっくりさんは黙って頷いた。

「ロボットさん、どうかあなたにお願いします」

「お願い？」

　そっくりさんのお願いというのは、私には受け入れがたいものだった。

「どうかあの人の……兄のしていることを止めないでください」