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風邪引きさん
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布団に包まるが、布団を重ね掛けしても寒くて仕方がない。紅葉が色付いて、秋を感じる季節に突入したわけだが……うっかりして、風邪をひいてしまったらしい。
布団から顔を出す楓の頬は赤くなっていて、喉の痛みに顔を顰めた。
季節の変わり目は風邪を引きやすいから、かなり気をつけていたつもりだったが……風呂上り、扇風機を強にしたまま寝落ちしていたのだ。
起きた後、喉の違和感を感じたが、のど飴で十分だろうと思ったのが間違いだったかもしれない。
どうしても外せない講義があり、薬を飲んで眠くなったら怒られる。
そう思って、薬を飲まずにのど飴で対処したのだが、眠くなっても良いから薬を飲めばよかったと後悔していた。
今日は何も無い日だったから、カフェに行こうと思っていたのに、ぼんやりとした思考で考えるのは、熊田が作ってくれるカフェご飯だ。
食べたかったなぁ。風邪が治るまではオアズケだ。
スマートフォンを取り出し、従姉の沙織にメッセージを送る。
《風邪引きました。時間がある時で大丈夫なので、ご飯とスポドリを買ってきてくれませんか?》
沙織からの返事を待たず、楓は布団を引っ張り顔を覆い隠した。
独り暮らしで体調を崩すと、こんなにも心細くなるのか。
どうしようもない不安を覚え、誰でも良いから傍にいて欲しいと思いながら、楓は夢の中へと落ちていった。
布団から顔を出す楓の頬は赤くなっていて、喉の痛みに顔を顰めた。
季節の変わり目は風邪を引きやすいから、かなり気をつけていたつもりだったが……風呂上り、扇風機を強にしたまま寝落ちしていたのだ。
起きた後、喉の違和感を感じたが、のど飴で十分だろうと思ったのが間違いだったかもしれない。
どうしても外せない講義があり、薬を飲んで眠くなったら怒られる。
そう思って、薬を飲まずにのど飴で対処したのだが、眠くなっても良いから薬を飲めばよかったと後悔していた。
今日は何も無い日だったから、カフェに行こうと思っていたのに、ぼんやりとした思考で考えるのは、熊田が作ってくれるカフェご飯だ。
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