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子は鎹
173 取り戻す
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魔法を取り戻して一時間がたった。
いまだによくわからない既視感と感覚に苛まれているが、よくわからない感覚の方は魔力を関知しているのだろうと先生に言われた。
よくわからない既視感については、多分でがあるが記憶はなくしても体が覚えていると言うやつなんだろう。
剣道と言うやつも、実践するまでわからなかったがリアンさんという獣人の人が性格には違うけど襲いかかってきたときに咄嗟に受け止めて反撃に移れたのもそれなんだろう。
まぁ、結果的に反撃は意味がなく、体をなくした影響もあるのかあっさりと負けてしまったけれどね。
記憶を無くした影響がないというのなら、普段から簡単に転がされていたことになるんだろうけど、それは認めたくないので違うと思いたい。
「ふぅ……まだ、ちょっと気分が悪いな」
あまりの疲弊っぷりに、魔法が使えることが確認できたから寮で休んでいて良いと言われてたので寮__ではなく、送ろうとしてくれたザベル先生の申し出を断り、休み休み裏庭に向かっているのだ。
そして、なんとか裏庭についたが裏庭自体が広い。
一体どこにいるのか、そう思ってふらふらと探しているが、できるとこなら早く座りたい。
「……あ、いた」
特徴的な頭が木の後ろから見えていた。
「リコスさん~」
「あ、来た。って、顔色悪くない?」
「一口飲んだら気絶するような劇物をコップ一杯分飲んで五時間後の姿ですよ」
「よく動けるね……」
職員室を出る前に先生に治癒魔法をかけてもらったり、保健室に寄って、保険医に吐き気止めの薬をもらったりしたので今は大分楽になっている。
木を背もたれにするように座り、一息つく。
「その状態出来てよかったの?日が変わるまでは待つつもりだったんだけど……」
「……ついでみたいなものです」
「ついで?」
「そう、劇物を飲むのに腹をくくりました。それの後に「あ、これ今いかないと何かと理由をつけて記憶を取り戻そうと動かなくなるな」って思って……」
今までがそうだったし……。
怖い怖いと言って、周りがどんな風に傷ついているか、どんな風に思っているのか、どれほど心配しているのかを無視してきた。
結果的に篠野部くんは精神的に不安定というか……。
ある意味爆発して、周囲に気を遣わせる自体に至ったのだし。
「薬の件だって逃げようとしたし……」
「いや、あれは逃げるでしょ……」
まぁ、完飲しなきゃいけないのに一口で気絶してしまうような代物だしね……。
とわいえだ。あれだって飲まなければ私のためにならないし、記憶だって取り戻さないと私のためにもならない。
魔法が使えなければ魔法学校のせいとでいられないし、そうなったら天涯孤独の身である私は身の振り方を考えなければいけない。
ある程度動ける質なのはリアンさんとの稽古でわかっているが、それを実践できるかどうかは別だから身の安全のためにも便利的な意味でも魔法があった方がいい。
それに、篠野部くんと離れなければいけないしね。
それと一緒だ。
記憶だってあった方がいいのは今まで生活していて身に染みてわかっている。
それに怖いや思い出したくないと思ってはいるが、それとは反対に思い出したいと思っているのも、また事実だ。
矛盾しているといわれるだろうが、魔法学校に来てから関わったという事件が気になるし、篠野部くんの言う元の世界と言うのも気になる。
私の家族のことも、まるで別人みたいだと言われる所以も、私が持っていたノートに書かれたものの意味も知りたいのだ。
知りたいのならば、思い出す他ない。
「まぁ、ともかくですよ。私の気が変わらないにうちにとっとと終わらせようとも思いましてね」
「思いきりがいいのか、自暴自棄なのか判断つかないのが困るなあ……」
確かにちょっと自暴自棄なっているかもしれない。
それもこれも篠野部くんがいなくなって疎外感を感じることが多くなったのが理由だけどね。
「本当に記憶を取り戻すんだね?」
「だからここに来ているんですよ」
「そう。なんか、自分から言っておいてなんだけど僕としては複雑だなあ」
リコスさんは、その言葉と共に立ち上がり、私の前にしゃがみこんだ。
「じゃあ、いいんだね?」
「はい。でも、どうやって記憶を取り戻すんですか?」
言われたときから考えていた疑問を本人にぶつけてみる。
「荒療治で記憶を覗く魔法を応用したもので、あんまり世間には広まってない方法がから内緒ね。目、瞑ってて」
え、そんなプライバシーも何もない魔法あるの???
驚いて目を見開いていたが、眼前に持ってこられたリコスさんの手から放たれる光が眩しくて、目を閉じた。
リコスさんの声で、今まで聞いたこともない詠唱が聞こえる。
これで思い出せるんだろうかと言う若干の不安を胸に、大人しくしていると私が忘れていた記憶が間欠泉のように溢れだしてきた。
家族のこと、幼馴染みのこと、元の世界での学校のこと、この世界に来てからのこと、魔法ガッコに入学してから起きたこと。
それから、私が記憶を思い出そうとする度に体の奥底から沸き上がってきていた恐怖の正体も、理解してしまった。
光と詠唱が止んですぐ、私はその場から弾かれたように走りだし、裏庭の隅で空っぽの胃をひっくり返したように胃液を吐いてしまった。
「うぅ……」
フラッシュバックする血の赤く染まった暗い部屋と豪華な料理、降りしきる雨と雷、死んだ四対の目、血が滴るナイフを持って私を見る男。
すべからく、恐怖の対象で、私が記憶を取り戻すことに恐怖していた原因。
「最悪……」
「とりあえず、水飲みな?」
すぐに後を追いかけて、背中をさすってくれたリコスさんの進めて水で口の中をすすいで、残った水を一気に飲む。
幸いなのは“神秘の魔法薬”の解毒薬がすでに消化されていたことだ。
あれも吐き出してしまっていたなら、もう一度劇物を飲むと言う鬼畜の所業をやらなきゃいけないとこになるところだった。
よかった、ほんと。
「落ち着いた?」
「はい……」
「よかった。いきなり走っていってはいたからビックリしたよ」
「すみません。あのままだったらかけちゃいそうだったんで……」
そうなったら申し訳が無さすぎて立つ瀬がなくなっちゃう……。
「仕方のない子だ。魔法できれいに出来るから気にしなくてもよかったのに……。まぁ、いいや。その様子だと思い出せたみたいだね」
「えぇ、やらないといけないことも思い出しましたよ」
記憶を取り戻した今、やなければいけないことがある。
それは“篠野部”を取り戻すことだ。
連中の狙いは十中八九、私と篠野部だ。
優先度的に篠野部の方が優先されているようにも思える。
それなら危険なことにはなっていないだろうが、結末はろくでもない結果になることは確定していると言ってもいいだろう。
「これからどうするの?」
「私を襲った連中に後悔させてやるんですよ」
「はは、怖いな。まぁ、頑張れば?」
「記憶を取り戻させてくれてありがとうございます」
「いいよ。僕も忘れられたままなのは嫌だったし」
リコスさん、篠野部みたいなこと言ってるな。
「じゃあ、僕は用事もすんだことだしお暇しようかな」
「帰るんですか?」
「あんまり好き勝手していると怒られちゃうからね。用事もすんだし」
「そうですか……。最近物騒なので、気を付けてくださいね」
「君もね」
リコスさんと別れた私は、一先ず先生達のもとに向かう。
「思い出したことを報告して、“モカノフ”について調べてもらわないとね」
ほぼ勘だけど、“モカノフ”を調べれば篠野部についてもわかると確信していた。
いまだによくわからない既視感と感覚に苛まれているが、よくわからない感覚の方は魔力を関知しているのだろうと先生に言われた。
よくわからない既視感については、多分でがあるが記憶はなくしても体が覚えていると言うやつなんだろう。
剣道と言うやつも、実践するまでわからなかったがリアンさんという獣人の人が性格には違うけど襲いかかってきたときに咄嗟に受け止めて反撃に移れたのもそれなんだろう。
まぁ、結果的に反撃は意味がなく、体をなくした影響もあるのかあっさりと負けてしまったけれどね。
記憶を無くした影響がないというのなら、普段から簡単に転がされていたことになるんだろうけど、それは認めたくないので違うと思いたい。
「ふぅ……まだ、ちょっと気分が悪いな」
あまりの疲弊っぷりに、魔法が使えることが確認できたから寮で休んでいて良いと言われてたので寮__ではなく、送ろうとしてくれたザベル先生の申し出を断り、休み休み裏庭に向かっているのだ。
そして、なんとか裏庭についたが裏庭自体が広い。
一体どこにいるのか、そう思ってふらふらと探しているが、できるとこなら早く座りたい。
「……あ、いた」
特徴的な頭が木の後ろから見えていた。
「リコスさん~」
「あ、来た。って、顔色悪くない?」
「一口飲んだら気絶するような劇物をコップ一杯分飲んで五時間後の姿ですよ」
「よく動けるね……」
職員室を出る前に先生に治癒魔法をかけてもらったり、保健室に寄って、保険医に吐き気止めの薬をもらったりしたので今は大分楽になっている。
木を背もたれにするように座り、一息つく。
「その状態出来てよかったの?日が変わるまでは待つつもりだったんだけど……」
「……ついでみたいなものです」
「ついで?」
「そう、劇物を飲むのに腹をくくりました。それの後に「あ、これ今いかないと何かと理由をつけて記憶を取り戻そうと動かなくなるな」って思って……」
今までがそうだったし……。
怖い怖いと言って、周りがどんな風に傷ついているか、どんな風に思っているのか、どれほど心配しているのかを無視してきた。
結果的に篠野部くんは精神的に不安定というか……。
ある意味爆発して、周囲に気を遣わせる自体に至ったのだし。
「薬の件だって逃げようとしたし……」
「いや、あれは逃げるでしょ……」
まぁ、完飲しなきゃいけないのに一口で気絶してしまうような代物だしね……。
とわいえだ。あれだって飲まなければ私のためにならないし、記憶だって取り戻さないと私のためにもならない。
魔法が使えなければ魔法学校のせいとでいられないし、そうなったら天涯孤独の身である私は身の振り方を考えなければいけない。
ある程度動ける質なのはリアンさんとの稽古でわかっているが、それを実践できるかどうかは別だから身の安全のためにも便利的な意味でも魔法があった方がいい。
それに、篠野部くんと離れなければいけないしね。
それと一緒だ。
記憶だってあった方がいいのは今まで生活していて身に染みてわかっている。
それに怖いや思い出したくないと思ってはいるが、それとは反対に思い出したいと思っているのも、また事実だ。
矛盾しているといわれるだろうが、魔法学校に来てから関わったという事件が気になるし、篠野部くんの言う元の世界と言うのも気になる。
私の家族のことも、まるで別人みたいだと言われる所以も、私が持っていたノートに書かれたものの意味も知りたいのだ。
知りたいのならば、思い出す他ない。
「まぁ、ともかくですよ。私の気が変わらないにうちにとっとと終わらせようとも思いましてね」
「思いきりがいいのか、自暴自棄なのか判断つかないのが困るなあ……」
確かにちょっと自暴自棄なっているかもしれない。
それもこれも篠野部くんがいなくなって疎外感を感じることが多くなったのが理由だけどね。
「本当に記憶を取り戻すんだね?」
「だからここに来ているんですよ」
「そう。なんか、自分から言っておいてなんだけど僕としては複雑だなあ」
リコスさんは、その言葉と共に立ち上がり、私の前にしゃがみこんだ。
「じゃあ、いいんだね?」
「はい。でも、どうやって記憶を取り戻すんですか?」
言われたときから考えていた疑問を本人にぶつけてみる。
「荒療治で記憶を覗く魔法を応用したもので、あんまり世間には広まってない方法がから内緒ね。目、瞑ってて」
え、そんなプライバシーも何もない魔法あるの???
驚いて目を見開いていたが、眼前に持ってこられたリコスさんの手から放たれる光が眩しくて、目を閉じた。
リコスさんの声で、今まで聞いたこともない詠唱が聞こえる。
これで思い出せるんだろうかと言う若干の不安を胸に、大人しくしていると私が忘れていた記憶が間欠泉のように溢れだしてきた。
家族のこと、幼馴染みのこと、元の世界での学校のこと、この世界に来てからのこと、魔法ガッコに入学してから起きたこと。
それから、私が記憶を思い出そうとする度に体の奥底から沸き上がってきていた恐怖の正体も、理解してしまった。
光と詠唱が止んですぐ、私はその場から弾かれたように走りだし、裏庭の隅で空っぽの胃をひっくり返したように胃液を吐いてしまった。
「うぅ……」
フラッシュバックする血の赤く染まった暗い部屋と豪華な料理、降りしきる雨と雷、死んだ四対の目、血が滴るナイフを持って私を見る男。
すべからく、恐怖の対象で、私が記憶を取り戻すことに恐怖していた原因。
「最悪……」
「とりあえず、水飲みな?」
すぐに後を追いかけて、背中をさすってくれたリコスさんの進めて水で口の中をすすいで、残った水を一気に飲む。
幸いなのは“神秘の魔法薬”の解毒薬がすでに消化されていたことだ。
あれも吐き出してしまっていたなら、もう一度劇物を飲むと言う鬼畜の所業をやらなきゃいけないとこになるところだった。
よかった、ほんと。
「落ち着いた?」
「はい……」
「よかった。いきなり走っていってはいたからビックリしたよ」
「すみません。あのままだったらかけちゃいそうだったんで……」
そうなったら申し訳が無さすぎて立つ瀬がなくなっちゃう……。
「仕方のない子だ。魔法できれいに出来るから気にしなくてもよかったのに……。まぁ、いいや。その様子だと思い出せたみたいだね」
「えぇ、やらないといけないことも思い出しましたよ」
記憶を取り戻した今、やなければいけないことがある。
それは“篠野部”を取り戻すことだ。
連中の狙いは十中八九、私と篠野部だ。
優先度的に篠野部の方が優先されているようにも思える。
それなら危険なことにはなっていないだろうが、結末はろくでもない結果になることは確定していると言ってもいいだろう。
「これからどうするの?」
「私を襲った連中に後悔させてやるんですよ」
「はは、怖いな。まぁ、頑張れば?」
「記憶を取り戻させてくれてありがとうございます」
「いいよ。僕も忘れられたままなのは嫌だったし」
リコスさん、篠野部みたいなこと言ってるな。
「じゃあ、僕は用事もすんだことだしお暇しようかな」
「帰るんですか?」
「あんまり好き勝手していると怒られちゃうからね。用事もすんだし」
「そうですか……。最近物騒なので、気を付けてくださいね」
「君もね」
リコスさんと別れた私は、一先ず先生達のもとに向かう。
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