121 / 147
続編その①〜初めての発情期編〜
29.お庭でランチ
しおりを挟む◆
四人でのお茶会はそれから数時間続いた。しかし時間が経つにつれ中々フレイヤさんたちが帰ってこないことに心配になり、皆で中庭に移動した。外に出たからって状況が分かる訳では無いのだけど、なんとなく気持ち的にソワソワしていたのだ。
結果的に無事帰ってきたフレイヤさん、ニエルド様、ビェラ様から、「他の地へ応援に行っていていつもより戻る時間が遅くなっただけだ」と聞かされ、ほっと胸を撫で下ろした。
また、ちょうど庭に四人でいたところに三人が帰って来たのでピクニックみたいな雰囲気になって、せっかくだからということでお庭でランチをした。
「しかしみんな揃ってお出迎えしてくれるなんて嬉しいな~」
ビェラさんがニコニコ嬉しそうに言うと、イザベラはぷくっと頬を膨らませて「別に出迎えた訳じゃねえし。いつもより遅いから気になっただけだ」と反論した。
「そっかそっか、心配してくれたんだね。イザベラは優しいね」
「別に心配なんかしてない!」
それ、多分ビェラさんにとっては可愛いだけだぞ、イザベラ。
案の定ビェラさんはイザベラの反論にもにっこり目を細め、微笑ましそうにふわふわの金髪を撫でた。そして行儀良く背筋を正して遠慮なくたくさん食べているウラーさんに視線を向けた。
「それにしても、ウラーのオフに遭遇できるなんてなぁ。もしかしてイザベラが無理矢理呼び出した? せっかくの休みなのに、予定とかあったんじゃない?」
「いえ、……まあまあ楽しい時間を過ごせましたから」
きゅん。
としたのは僕だけじゃなかったみたいで、パネースさんがウラーさんの頭をよしよしした。
「おっ、いいなそれ。パネース、俺も撫でてくれ」
「ニエルドさんは午後のお仕事が終わったらゆっくり撫でてあげますから。頑張ってくださいね?」
「ほぉ……楽しみだ」
おお、パネースさん、これが大人の色気ってやつですか。さすがやるなあ。でもニエルドさんの目が獲物をとらえた狩人みたいになってるから気をつけて。
「ハルオミ、今日のおやつはまた珍しい色をしているね。皆で作ったのかい?」
「うん! フレイヤさんと一緒に買った餅米と、豆を使ってるんだ」
「米と豆の甘味か、珍しいね。早速いただくとしよう」
「是非是非!」
召し上がれ、と促せば、ニエルドさんとビェラさんも手を伸ばす。
「お、俺もひとつ貰うぜ」
「僕もいただきま~す!」
「どうぞ! あ、……ふふふっ」
「? どうしたんだい?ハルオミ」
「いや……だってね、その濃い色の『あんこ』はパネースさんが作って、薄い色の『きなこ』はイザベラが作ったんです。僕まだ何も言ってないのに、ニエルドさんはあんこを、ビェラさんはきなこを手に取ったから、なんか感動しちゃって」
それぞれの愛しい人が一生懸命に拵えたおはぎが手に取られていたことに驚きと感動が芽生え、つい頬が緩んでしまった。
「パネース、この黒いのお前が作ったのか」
「はい。ほとんどハルオミ君につきっきりで教えてもらったので、私は言われた通りやっただけなんですけれどね」
「ん……美味い。甘すぎるかと思ったが意外とそうでもないな」
「そうでしょう? お米がたんぱくな味だから、よく合うでしょう?」
「ああ。食ったことない味だがクセになる」
「イザベラが作ったこの、粉? これもすごく美味しいよ! ほんのちょっぴりしょっぱいのがまた良いね!」
「まぁ、俺だけじゃなくてウラーも手伝ったからな」
照れながらも嬉しそうに言うイザベラの頬に、ビェラさんはたまらず口付けをした。
「!?!? や、やめろこんな真っ昼間にみんなの前で!!」
「真昼間にみんなの前じゃ駄目なのか……夜に二人きりだったらいいの? じゃあ午後の仕事も張り切らなきゃ」
「は!? 別にそんなこと言ってないだろ!」
「そっか~、イザベラ今日は気分じゃないか……なら仕方ないね」
「べ、別に気分じゃないとも言ってないだろ……!!」
慌てたようビェラさんの服の袖を掴み、上目遣いで必死に訂正するイザベラ。
そういうところだぞ。
こんなふうに大集合して食事をするなんて、お屋敷の食事会以外にはなかったから新鮮だ。
しかも今日はウラーさんも一緒。賑やかで楽しいランチはあっという間に終わり、フレイヤさんたちは再び午後の仕事に戻った。
1
お気に入りに追加
1,376
あなたにおすすめの小説
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる