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続編その①〜初めての発情期編〜

6.※発情※

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————————side Freyjaフレイヤ ————————


ハルオミが眠った後も、しばらく私は彼の肌に触れてその柔らかい感触を楽しんでいた。触れるだけで心身の不快感がどこかへ消えてしまうのだから、番の存在というのは本当に神秘的だ。

眠るハルオミの頬や唇や瞼に、そして首筋に咲く花紋にたくさんの口付けを落とし、彼が少しでも安らかな夢を見られるようにと願いを込めた。


彼と触れ合った後の仕事は我ながら卒がない。魔物を討伐する自分の体が非常に軽く感じる。

思い通りに四肢が動くことにこれほどありがたみを感じるようになるとは、呪いを受ける前の自分では想像もつかなかった。

「フレイヤ兄さん、今日も調子良いみたいだね」

「ああ」

剣を鞘にしまいながら話しかけて来たのは弟ビェラ。

続いて兄もひと段落ついたのか、いつものようにちょっかいを出してきた。

「いやぁ、ハルオミ君と番になってからのお前は無敵だな。仕事が楽になって助かるぜ」

「兄さんもサボらず働いてくれるかい……と言いたいところだが、私がハルオミに付きっきりになっていた時は、兄さんにもビェラにも世話をかけたからね。なるべく恩返しができるように頑張るよ」

ハルオミと番になった直後、彼はこの世界の人間になるための体質変化に体が耐えきれず、発熱をして動けない日々が続いていた。

その時に味方になってくれたのはやはり家族だった。

父も私の代わりを快く引き受けてくれて、兄さんとビェラも「仕事のことはこちらに任せてハルオミに付いていろ」と頼もしい言葉をかけてくれた。

「ふふっ、呪いが解けてからのフレイヤ兄さんは、人が変わったように柔らかくなったよね」

「ああ、気色悪りぃ」

「そうかい?  私は元々こうだ」

「お前よく言うぜ。昔から屋敷の奴らは皆お前にビビりっぱなしで寄り付かなかった。ウラーもそう言ってたろ」

「ニエルド兄さん、天然無自覚のフレイヤ兄さんに言っても無駄だよ」

「ハッ、だな」

2人は何故だか楽しそうに私のことについて言い合っている。兄弟の仲が良いのは喜ばしいことだ。


ほっこりとした雰囲気に心を和ませていると……



「———ッ、!」

不意に胸騒ぎがした。
不安感とも焦燥感とも言い切れない不穏な感覚が胸を締め付けたのだ。

「?  どうしたフレイヤ」

「フレイヤ兄さん……?」

ニエルド兄さんとビェラが心配そうに覗き込む。

この感覚は "番"の感覚だ。ハルオミの体調がすぐれない時や彼に危険が及んでいる時は何となくその気配が分かる。

彼に今、何かが起こっている。そんな予感がするのである。

「もしかしてハルオミ君のこと?」

2人もそれを察知してか、眉を歪めた。

「フレイヤ、早く戻れ。あとは任せろ」

「しかし、」

「いいからいいから、調子の良いフレイヤ兄さんのおかげで僕ら今日あんまり働いてないんだから。早く戻ってあげて?」

ぐいぐいと背中を押され(兄さんには足で)、戻れと促される。彼らの心遣いに感謝し、私はすぐに屋敷へと転移した。







「これは……っ」

気を失ってしまいそうなほど甘ったるい匂い、気を抜くと眩暈がして立っていられない。膝をついてしまいそうになるのを気力で耐え、部屋を見回す。

シーツは乱れ、衣装棚は開けられ中身があたりに散乱している。まるで盗賊にでも荒らされたような形跡だが、部屋の中にはハルオミの気配ただひとつだった。

床に撒き散らされた私の衣類。そのそばには、顔を紅潮させ汗を流し下履きを脱ぎ捨てたハルオミが、涙を流しながら私の服を抱きしめ細い腰を擦り付けていた。

「ふれ…や、さん……っ」

「ハルオミ!」

駆け寄り肩を抱くと、彼はその華奢な体をビクビクと震わせ、あられも無い声を上げた。

「んっ、ぁぁあっ!」

下腹部には、薄くなった精液がまとわりついている。どうやら今私が触れた刺激で達してしまったようだ。

「もぅ…やだ……ごめん、なさい、汚しちゃ…」

羞恥と罪悪感からか、涙を溢れさせ謝り続けるハルオミ。
私の衣類たちは彼の放った白濁で濡れていた。

「大丈夫だよハルオミ、やっと発情期が来たんだ、これは通常の反応だから気にすることはない」

発情期の詳細はクールベ叔父上にあらかじめ聞いていた。
番の香りに包まれたいという本能が働き、私の匂いがするものを手当たり次第かき集めたのだろう。あらゆる感覚が敏感になり、意図に反して何度も達してしまい、辛かったろう。


おそらくここ数日眠気が覚めなかったのも、ホルモンバランスが崩れてしまっていたからかもしれない。

「気付いてあげられなくて、ごめんねハルオミ。もう大丈夫だよ」

「んっ、んぁぁ…ふれ、や…さん……はぁっ、んぁ」

きつく抱きしめると、彼は私の首筋に吸い付いて小さな体をモゾモゾと動かし、悩ましげな声を上げる。

すこし体を離して見ると、ハルオミは自身の後孔に指を入れ、腰を私の脚に擦り付けながら自慰に耽っており、正気は保てていないようだった。

ぐずぐずに濡れて柔らかくなった穴は、彼の頬のように紅潮して物欲しそうにヒクついている。

「ハルオミ、そこが気持ちいいのかい?」

「あぁっ、ぁんん、きもちよく、ない……っ」

「でも、こんなに柔らかくなって君の指を飲み込んでいるよ」

「んんっぁ、おく、とどかな……ふれいやさんのが、いい…はやく……」

助けを求めるように縋り付いてくる彼がたまらなく愛おしくて、私も正気を保てなくなってしまいそうだ。

このままでは酷く抱いてしまいそうな自分が怖い。

「ハルオミ……」

私はハルオミの指をそこから引き抜き、寝台に寝ころばせ、脚を開き今しがた彼が自分でいじっていた穴を観察する。

「やぁ、っ、やだ、いれて……」

何も入れるものがなくなってしまったそこは激しく収縮している。

両手の親指で少しだけ広げて、赤く腫れた中を開いて見ると、トプっと透明の粘液が流れ出た。

「これが分泌液か。クールベ叔父上の言った通り、やはり発情期で間違いないな」

「あぁぁっ、フレイヤさんっ……はやく、ちょうだい」

腰を動かしながら私の手を掴みそこへ導こうとするハルオミ。私は欲に飲まれそうになるのをなんとか抑えた。

「ハルオミ、ここが赤くなっている。無理に指を動かしたのかい? 」

分泌液が無ければ切れていたかもしれないほど腫れているハルオミの中は、彼が指を乱暴に動かしたことを物語っていた。

「だって……ふれ、や、さんが…触ってくれるのと、違うもん…ぼくがやっても、気持ちよくないの…」

彼は一生懸命に言葉を紡ぎながら、ふたたび涙を流してしまった。少々意地悪だったかもしれない。

「そうか、自分では気持ちいいところが分からなかったのかい?」

「うん…わかん、ない……っ」

絶対にが外れてしまわぬよう気をグッと保ち、私は彼に口付けを落とした。

「んんっ、ん、ふっ……」

熱い熱い口内を舌で充分に刺激しながら、なるべくゆっくりとハルオミの後孔に指を埋めると、いとも簡単に私の指を導き入れた。

「んんんっ、んぁ、ぁぁあっ、」

「ハルオミ、君の気持ちいいところを教えてあげるから、もう乱暴にしてはいけないよ」

「ああっ、あっ、んんん…」

「このくらい入れて……少しお腹側に曲げたところだ。ほら、ここ」

「つ!?!? ぁっ、あぁぁっ、そこ、きもち…ぁぁんんっ!」

ビクビクビク、と腰と太ももを痙攣させて、ハルオミは放たずに何度も達した。その淫らな姿に、私は頭を金槌で打たれたような衝撃を感じた。何度もハルオミのいやらしい姿は見ているはずだが、発情期の彼は比べ物にならないくらい艶かしい。
もしかすると番である私も彼に当てられ、私自身どこか抑制が効かなくなっているのかもしれない。

「何度も擦り続けるとどうなるかな、」

「ぁぁぁっ、ぁあっ! やっ、ぁぁあっ」

「どんどんしこりが大きく硬くなってきたね、もう一本指を入れて、挟んで動かしてみようか」

「ぁ……あぁっ! んっ、ひゃああああっ!!」

ゆっくりともう一本の指を中に入れてしこりを集中的に擦ると、ハルオミは嬌声をあげて腰を浮かせた。

前からも後ろからも、ひっきりなしに粘液が垂れ流れている。

それを勿体無いと感じた私は無意識にハルオミの小ぶりな陰茎を咥え込み、一滴たりとも溢さぬよう吸い上げていた。

「———!?!?、っ、ぁ、!!!」

身体をビクンッとそらし、声にならない声をあげてジタバタと震えるハルオミ。
私は彼の蜜の甘さに驚愕しつつ、後ろへの刺激は続ける。トントンと優しく叩くように動きを変えると、ギュッと蕾を収縮させ私の指を離すまいと締め付けた。

「ぁっ、ぁぁあァっ、んんっ、!! きもちぃ…きもち、ふれいやさんっ、」

「…っ」

正直に感じたままの快楽を伝えてくれる姿が可愛らしくて、私の張り詰めた熱ももう限界を迎えそうになっていた。





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