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王都
癒しのちから
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食べ進めていると、向かい側の隊員さん達と目が合う。
これは……「おいしいね」って訴えかけてる目だ。
そうですよね、美味しいですよね。
僕もそんな思いを込めて、下手くそな微笑みを返した。
多分かろうじて口角が上がっているだけで、”笑み”とは程遠い顔をしてるだろう。
それでも隊員さん達は、もっと素敵な笑顔を返してくれた。
すると隣のテーブルからも視線を感じたので目をやると、同じくお食事中の皆さんと目が合う。
また微笑み返すと、また笑顔を返してくれた。
よくよく周りを見てみると、食堂にいるほぼ全員が幸せそうににこにこしている。
すごい。
美味しい料理ってこんなに人から笑顔を引き出すんだ。
そういえば遠方で支援活動した時も、ジルさんの炊き出しをみんな楽しみにしてたってイガさん言っていた。
美味しいものをみんなで食べるのは、なんだか生きてるって実感する。
テンションが上がってしまった僕はどんどん食が進み、おいしいおいしいとジルさんに伝えながらあっという間に完食してしまった。
とっても、お腹が張り裂けそう……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おまけ
ジルとアキオがほのぼのランチを楽しんでいる頃、時を同じくしてクリス隊員とニーソン隊員も食堂で昼食を摂っていた。
少し離れた場所から二人を観察している。
「なんなんだあの甘い空気は……」
「あれって、本当にジルルドオクタイ最高司令官……?
それとも俺の見間違い?」
「いや、お前も見ただろうニーソン。
さっき一瞬で場の空気をマイナス20度にまで導いた。あの恐ろしいまでの気迫は正真正銘司令官だ」
「やっぱりそうだよね。
………アキオ殿って何者なの?」
「本当に、末恐ろしいな……。
でも見てみろよ。あの美味しそうな顔。ほっぺた膨らませて、ウサギみてぇじゃねぇか。あぁ癒される。天使のようだ。一生見ていられる」
「全く同意見だよクリス。というか、みんな同じ事考えてるんじゃないか?」
二人はぐるりと周囲を見渡す。
ある者は周りにお花を飛ばし、ある者は緩み切った口元から水が溢れている。また、普段厳しく隊員に接するある部隊の隊長は、孫でも見るような目でそれはもうニコニコと目を細める。
「…………だな」
ジルをも綻ばせる凄まじい癒し力を目の当たりにした二人は、皆と同じようにニコニコとアキオの方を眺めながらいつもより美味しいランチを楽しんだのだった。
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これは……「おいしいね」って訴えかけてる目だ。
そうですよね、美味しいですよね。
僕もそんな思いを込めて、下手くそな微笑みを返した。
多分かろうじて口角が上がっているだけで、”笑み”とは程遠い顔をしてるだろう。
それでも隊員さん達は、もっと素敵な笑顔を返してくれた。
すると隣のテーブルからも視線を感じたので目をやると、同じくお食事中の皆さんと目が合う。
また微笑み返すと、また笑顔を返してくれた。
よくよく周りを見てみると、食堂にいるほぼ全員が幸せそうににこにこしている。
すごい。
美味しい料理ってこんなに人から笑顔を引き出すんだ。
そういえば遠方で支援活動した時も、ジルさんの炊き出しをみんな楽しみにしてたってイガさん言っていた。
美味しいものをみんなで食べるのは、なんだか生きてるって実感する。
テンションが上がってしまった僕はどんどん食が進み、おいしいおいしいとジルさんに伝えながらあっという間に完食してしまった。
とっても、お腹が張り裂けそう……。
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おまけ
ジルとアキオがほのぼのランチを楽しんでいる頃、時を同じくしてクリス隊員とニーソン隊員も食堂で昼食を摂っていた。
少し離れた場所から二人を観察している。
「なんなんだあの甘い空気は……」
「あれって、本当にジルルドオクタイ最高司令官……?
それとも俺の見間違い?」
「いや、お前も見ただろうニーソン。
さっき一瞬で場の空気をマイナス20度にまで導いた。あの恐ろしいまでの気迫は正真正銘司令官だ」
「やっぱりそうだよね。
………アキオ殿って何者なの?」
「本当に、末恐ろしいな……。
でも見てみろよ。あの美味しそうな顔。ほっぺた膨らませて、ウサギみてぇじゃねぇか。あぁ癒される。天使のようだ。一生見ていられる」
「全く同意見だよクリス。というか、みんな同じ事考えてるんじゃないか?」
二人はぐるりと周囲を見渡す。
ある者は周りにお花を飛ばし、ある者は緩み切った口元から水が溢れている。また、普段厳しく隊員に接するある部隊の隊長は、孫でも見るような目でそれはもうニコニコと目を細める。
「…………だな」
ジルをも綻ばせる凄まじい癒し力を目の当たりにした二人は、皆と同じようにニコニコとアキオの方を眺めながらいつもより美味しいランチを楽しんだのだった。
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