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「藍様、朝ですよ~」
まだ眠いんだよ。もうちょっと寝かせてくれ。
「はいはーい、起きましょうねー」
バサァっと勢いよく布団を取られてしまった。
「藍様、はいお手手」
言われた通りこの人の手に自分の手をのせると、グイッと起こされてしまった。
そういえば先程から俺の事を藍と呼んでいるから、俺の名前は藍なのか。藍と言えば、俺の前世で担当していたキャラの名前と同じだが…。たまたまだよな、うん。そう思っとこう!
目の前にいる男の人に、着替えるために衣装部屋みたいな所に連れていかれた。衣装部屋には勿論鏡がある訳で、自分の容姿と初対面…ってあれ。今1番見たくなかった顔が見えるんだけど。あのBLキャラの悪役さんが見えるんだけど~??
認めたくはないが、この世界はもしやBLゲームの世界なのかもしれない。
そうなったらこの世界には女の子が1人も居ないぞ?!美少女は?!ハーレムは?!
うわぁぁぁあああ!!なんで神様よりに寄ってこんな世界に転生させるんだよ!!
俺はこれからどうやって生きればいいのやら…。
◇◇◇
衣装部屋で初対面してから1、2時間ほど立った今。これからの事について考えるとする。
運のよく俺はこの役だったため、このキャラについてはよく知っている。
このキャラは公爵家の息子で、いわゆる坊ちゃん。藍の上には兄が居て、その兄の名前は
伊吹。伊吹は文武両道で更に顔面偏差値も世界遺産。そんな兄に藍は嫉妬していくが、ある時藍は伊吹に好きな人が居ると知る。今まで兄を妬んできた藍だからこそ、その好きな人を探し当て虐めをするようになる。伊吹は
好きな人の様子を敏感に感じ取り、何があったのか話を聞くのだが、好きな人を虐めていた相手が自分の弟だと分かると、伊吹は血縁者にも関わらず藍を処刑かまたは国外追放をして、伊吹は好きな人とハッピーエンドというストーリーだ。
俺は今3歳な訳だけど、ゲームで兄に嫉妬し始めるのは5歳から。何にでも上手くこなす兄と比べて自分は…ってうん。そんな環境俺でも嫌になるわ。だけどゲーム通りに進めば処刑されるので、ひとまず兄に嫌われないように媚でも売るとしますか。
この頃の兄はまだ新しい弟に興味をもってるので本当によかった。もし転生して来た時が5歳以上だったら、家から飛び出してましたね。
という事でさっそく兄様の部屋にレッツゴー!(兄様呼びは藍が伊吹に嫉妬する前に呼んでたから!)
兄様の部屋を目標地点として早10分後。
完全に迷いました。前世を思い出せば、BLゲームに家の内装なんて書かれてなかったし、まずこの家広すぎ!まあ公爵家なんで当たり前なんですけどね…。
現在地は扉が左右にある長い廊下です。
誰か居ないかなーっと歩いていたら丁度目の前のドアが開いて俺の顔にドンッとぶつかった。
めっっちゃ痛い!タイミングめっちゃ悪いよ!もう、どこの誰…よ?!
相手を確認するべく、扉の向こう側を見ると、なんとそこには俺が今1番会いたかった人がいた。
「兄様っ!!」
「えっ!藍?!さっき扉にあたったのって藍…。ごめん!大丈夫??怪我はない??」
「だいじょーぶぅ!」
「そっか、良かった…。そういえば藍は何でここにいるの?」
「兄様に会いたかったの!!」
「!! あ~もうっ 藍は本当に可愛いなぁ。ほら、俺の部屋に行こう」
「は~い」
兄の部屋に入ったのはいいとして、この頃のの兄、藍のこと好きすぎんか?
今も俺の事がっちりホールドして頬っぺスリスリしてるよ。
たまに嫌がる素振りをすると更に抱きしめてくるから諦めてるんだけど。
でもさ、これなら俺が主人公を虐めない限り大丈夫かと思うが、何があるか分からないので、更に兄に媚びを売ろうとしよう。
まだ眠いんだよ。もうちょっと寝かせてくれ。
「はいはーい、起きましょうねー」
バサァっと勢いよく布団を取られてしまった。
「藍様、はいお手手」
言われた通りこの人の手に自分の手をのせると、グイッと起こされてしまった。
そういえば先程から俺の事を藍と呼んでいるから、俺の名前は藍なのか。藍と言えば、俺の前世で担当していたキャラの名前と同じだが…。たまたまだよな、うん。そう思っとこう!
目の前にいる男の人に、着替えるために衣装部屋みたいな所に連れていかれた。衣装部屋には勿論鏡がある訳で、自分の容姿と初対面…ってあれ。今1番見たくなかった顔が見えるんだけど。あのBLキャラの悪役さんが見えるんだけど~??
認めたくはないが、この世界はもしやBLゲームの世界なのかもしれない。
そうなったらこの世界には女の子が1人も居ないぞ?!美少女は?!ハーレムは?!
うわぁぁぁあああ!!なんで神様よりに寄ってこんな世界に転生させるんだよ!!
俺はこれからどうやって生きればいいのやら…。
◇◇◇
衣装部屋で初対面してから1、2時間ほど立った今。これからの事について考えるとする。
運のよく俺はこの役だったため、このキャラについてはよく知っている。
このキャラは公爵家の息子で、いわゆる坊ちゃん。藍の上には兄が居て、その兄の名前は
伊吹。伊吹は文武両道で更に顔面偏差値も世界遺産。そんな兄に藍は嫉妬していくが、ある時藍は伊吹に好きな人が居ると知る。今まで兄を妬んできた藍だからこそ、その好きな人を探し当て虐めをするようになる。伊吹は
好きな人の様子を敏感に感じ取り、何があったのか話を聞くのだが、好きな人を虐めていた相手が自分の弟だと分かると、伊吹は血縁者にも関わらず藍を処刑かまたは国外追放をして、伊吹は好きな人とハッピーエンドというストーリーだ。
俺は今3歳な訳だけど、ゲームで兄に嫉妬し始めるのは5歳から。何にでも上手くこなす兄と比べて自分は…ってうん。そんな環境俺でも嫌になるわ。だけどゲーム通りに進めば処刑されるので、ひとまず兄に嫌われないように媚でも売るとしますか。
この頃の兄はまだ新しい弟に興味をもってるので本当によかった。もし転生して来た時が5歳以上だったら、家から飛び出してましたね。
という事でさっそく兄様の部屋にレッツゴー!(兄様呼びは藍が伊吹に嫉妬する前に呼んでたから!)
兄様の部屋を目標地点として早10分後。
完全に迷いました。前世を思い出せば、BLゲームに家の内装なんて書かれてなかったし、まずこの家広すぎ!まあ公爵家なんで当たり前なんですけどね…。
現在地は扉が左右にある長い廊下です。
誰か居ないかなーっと歩いていたら丁度目の前のドアが開いて俺の顔にドンッとぶつかった。
めっっちゃ痛い!タイミングめっちゃ悪いよ!もう、どこの誰…よ?!
相手を確認するべく、扉の向こう側を見ると、なんとそこには俺が今1番会いたかった人がいた。
「兄様っ!!」
「えっ!藍?!さっき扉にあたったのって藍…。ごめん!大丈夫??怪我はない??」
「だいじょーぶぅ!」
「そっか、良かった…。そういえば藍は何でここにいるの?」
「兄様に会いたかったの!!」
「!! あ~もうっ 藍は本当に可愛いなぁ。ほら、俺の部屋に行こう」
「は~い」
兄の部屋に入ったのはいいとして、この頃のの兄、藍のこと好きすぎんか?
今も俺の事がっちりホールドして頬っぺスリスリしてるよ。
たまに嫌がる素振りをすると更に抱きしめてくるから諦めてるんだけど。
でもさ、これなら俺が主人公を虐めない限り大丈夫かと思うが、何があるか分からないので、更に兄に媚びを売ろうとしよう。
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