憧れのあの人に会えるまで

関係の発展

具体的なお話

　初めて電話して以来、何度かタイミングが合った時は電話をするようになった。

　車移動の間の話し相手や、夜寝る前のちょっとした雑談など何度か電話を繰り返していた。

　ある日、「実際に会った時の事をしっかり想像できるように、具体的な話をしよう」ということになった。

　以前話した時は、ふわっとしたイメージしか話してなかった部分をより鮮明に深堀していった。

　待ち合わせをする時、どんな場所でするのか。

　会うとなったらどんな服装で会うのか。

　どれくらいの時間帯に会うのか。

　どれくらいの時間一緒にいるのか。

　どんな感じで始まり、どんなことをするのか。

　具体的な言葉や説明を入れながらゆっくり話していった。

　前回と違い、具体的でよりリアルな話をしているため、元々想像力豊かな私は初回の緊張とは違う緊張感に包まれた。

　すると、Sさんから思わぬ反応が

「具体的に想像して、意識してきた？」

　いきなり図星をつかれ、驚きました。

「え、まぁ、してきたけど…何で分かったん？」

　私としてはポーカーフェイスは得意だと思っていたし、声音も変わっている自覚もなかった。だからバレた事に驚いていると、

「声のトーンとか、喋り方が違うよ。なにより、俺の言葉をしっかり聞こうとしてる感じあるからね」

　言われたことは全て図星だった。より具体的に想像できるように次の言葉を待っていたし、ドキドキしながら話していた。

　それからは、話すたびに少しずつ会った時の事を想像して、プレイの内容も話す様になった。

　特に、私は自分が不感症だと思っているので、心の問題や考え方のところから変えていかなきゃ難しいかもしれないとのことで、私自身のことについても話す機会が増えていった。