憧れのあの人に会えるまで

好奇心からの出会い

話してみた感じ

　連絡先の交換も終わり、後は電話がかかってくるのを待つだけの状態。

　イヤホンを付け、今か今かと緊張しつつ待っていると、電話が鳴る。

「もしもーし、聞こえる？」

「も、もしもし！聞こえます！」

　緊張しつつも始まった電話。今まで投稿内の動画で聞いていた声がイヤホンを通して直接聞こえてくる。そして私の名前を呼ぶ。

「どう？緊張してる？」

「う、してます。過去一緊張してます」

　そう伝えると聞こえる笑い声。以前からSさんの耳馴染みの良い声や楽しそうに笑っている声が好きだったこともあり、緊張は限界を迎える。

　Sさんは、私が緊張で話せなくなっている事に、気付いていて色々な話を振ってくれる。

　主にTwitterの投稿に関する内容だった。

　どれくらい前から見てくれているのか、興味ある内容はあったか、今はどこに住んでいるのかなどなどたくさんの事を話した。

　それから、私自身も自分の性関連の事で悩みがあることも話した。

　私は、通常より感度が低いと自分で思っていて、今まで彼氏とそういう事をしても気持ちいいと感じたことがないことや、演技ばかりしていて本当の自分が分からなくなっている事、一人でする時も道具を使っているためどんどん悪化してそうだということなど、普段人に話さないことまで話した。

　長くなった私の話を最後までちゃんと聞いてくれて、今までSさんが会った人の中にも同じような悩みを持っていた人がいた事を教えてくれた。

　そこからは、「Sさんと私がもし会う事になったら」という話をした。

　されたいこと、してみたいこと、興味のある事など私の過去のツイートも見てくれており、色んな事を把握してくれていた。

　そこから考えて、もし会うってなるとこんな感じなんだろうなとか、こんなことしたら楽しそうなど話していると時間はあっという間だった。

　初めは吐きそうなほど緊張していたのに、最後には敬語も外れ自然体で話している私がいた。

　本当にお話が上手で、緊張をほぐすのも得意なんだなと感じた。

　その日は夜も遅く、私は大学、Sさんは仕事があったので、電話は終わり眠りについた。