65 / 96
〔5章〕結婚へ。後編
過去への嫉妬
しおりを挟む
入籍した夜、新居に戻り私は手作りのチョコを渡した。
彼の腕には叶わないが…手作りが欲しいと請求されて、頑張って作ったブラウニー。
形はいびつだけど美味しいって食べてくれ、私は彼がプー・メッシュで買ってきてくれた限定チョコケーキを堪能した。至福のひととき~。
そのあとはラブラブな時間を夜明けまで過ごした。
◆ ◇ ◆ ◇
valentineから数日後。
プー・メッシュ〇〇支店でトラブルがおきた。
それはお店を閉めた夜の事。
圭樹が店からでて家路につこうと外に出たとき…例の運送屋と出くわした。
「お疲れ様でーす。」
三宅玲が圭樹に声をかけた。
てには納品の荷物をもっていて、店に届けるところだった。
「お疲れ様、失礼します。」
圭樹はあからさまに眉間に皺を寄せて睨むように挨拶をした。
「あ、ちょっと待って。」
玲は荷物を、持参の台車にのせて、ポケットから写真を取りだした。
「僕にはもう必要ないので深雪に返してくれますか?」
渡された、その写真には23歳位の時の玲と深雪が深いキスをしている写真。攻めてるのは玲み見えるが、深雪はそれを頬を紅くし受け入れていた。
「タイマーセットして撮ったやつです。今はあんたとよろしくしてるんでしょ?」
圭樹は自分の知らない時をこの非常識な男と過ごしていたことに酷く嫉妬した。
圭樹が写真を受け取り動揺し固まっている前を玲は台車を引いて通りすぎ、店のインターホンを押していた。
「じゃあ、俺はしごとあるんで失礼します。」
そういって店長が扉を開け、その中へと姿を消した。
店長のステーが扉外をちらりとみて圭樹と目が合い、ステーは心配そうに扉を閉めた。
圭樹は震えるてに写真を握りしめ、スーツのポケットに無造作にしまい、深雪の待つマンションへと向かった。
*
玄関前まで来ると煮物の匂いが漂ってくる。
深雪ちゃんの過去を妄想してしまい、情けないほど嫉妬している自分がいて…扉の取っ手を持つのもためらってしまう。
*
私は夕飯の準備もしてベランダから外を見下ろせば彼がなんだか項垂れてマンションに入って行く姿が見えて、玄関へ向かう。玄関横の窓に見える人影は動かない。
ためらいはあったけど圭樹さんと同じフォルム。間違いないと確信して扉を開けたら鈍い音。
ドフッ!
扉の向こうで頭を抱えて悶える圭樹さんがいた。
「あれ?ごめんなさい当たった?何で入らないの?」
圭樹さんは強面な顔を崩して何でもないと言ってどんよりしたまま家の中へと入った。
何でもないわけがない。
私は吐かせてやると意気込んだ。
だって心配だから…。
彼の腕には叶わないが…手作りが欲しいと請求されて、頑張って作ったブラウニー。
形はいびつだけど美味しいって食べてくれ、私は彼がプー・メッシュで買ってきてくれた限定チョコケーキを堪能した。至福のひととき~。
そのあとはラブラブな時間を夜明けまで過ごした。
◆ ◇ ◆ ◇
valentineから数日後。
プー・メッシュ〇〇支店でトラブルがおきた。
それはお店を閉めた夜の事。
圭樹が店からでて家路につこうと外に出たとき…例の運送屋と出くわした。
「お疲れ様でーす。」
三宅玲が圭樹に声をかけた。
てには納品の荷物をもっていて、店に届けるところだった。
「お疲れ様、失礼します。」
圭樹はあからさまに眉間に皺を寄せて睨むように挨拶をした。
「あ、ちょっと待って。」
玲は荷物を、持参の台車にのせて、ポケットから写真を取りだした。
「僕にはもう必要ないので深雪に返してくれますか?」
渡された、その写真には23歳位の時の玲と深雪が深いキスをしている写真。攻めてるのは玲み見えるが、深雪はそれを頬を紅くし受け入れていた。
「タイマーセットして撮ったやつです。今はあんたとよろしくしてるんでしょ?」
圭樹は自分の知らない時をこの非常識な男と過ごしていたことに酷く嫉妬した。
圭樹が写真を受け取り動揺し固まっている前を玲は台車を引いて通りすぎ、店のインターホンを押していた。
「じゃあ、俺はしごとあるんで失礼します。」
そういって店長が扉を開け、その中へと姿を消した。
店長のステーが扉外をちらりとみて圭樹と目が合い、ステーは心配そうに扉を閉めた。
圭樹は震えるてに写真を握りしめ、スーツのポケットに無造作にしまい、深雪の待つマンションへと向かった。
*
玄関前まで来ると煮物の匂いが漂ってくる。
深雪ちゃんの過去を妄想してしまい、情けないほど嫉妬している自分がいて…扉の取っ手を持つのもためらってしまう。
*
私は夕飯の準備もしてベランダから外を見下ろせば彼がなんだか項垂れてマンションに入って行く姿が見えて、玄関へ向かう。玄関横の窓に見える人影は動かない。
ためらいはあったけど圭樹さんと同じフォルム。間違いないと確信して扉を開けたら鈍い音。
ドフッ!
扉の向こうで頭を抱えて悶える圭樹さんがいた。
「あれ?ごめんなさい当たった?何で入らないの?」
圭樹さんは強面な顔を崩して何でもないと言ってどんよりしたまま家の中へと入った。
何でもないわけがない。
私は吐かせてやると意気込んだ。
だって心配だから…。
0
お気に入りに追加
144
あなたにおすすめの小説

【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)

妹は奪わない
緑谷めい
恋愛
妹はいつも奪っていく。私のお気に入りのモノを……
私は伯爵家の長女パニーラ。2つ年下の妹アリスは、幼い頃から私のお気に入りのモノを必ず欲しがり、奪っていく――――――な~んてね!?

聖女のわたしを隣国に売っておいて、いまさら「母国が滅んでもよいのか」と言われましても。
ふまさ
恋愛
「──わかった、これまでのことは謝罪しよう。とりあえず、国に帰ってきてくれ。次の聖女は急ぎ見つけることを約束する。それまでは我慢してくれないか。でないと国が滅びる。お前もそれは嫌だろ?」
出来るだけ優しく、テンサンド王国の第一王子であるショーンがアーリンに語りかける。ひきつった笑みを浮かべながら。
だがアーリンは考える間もなく、
「──お断りします」
と、きっぱりと告げたのだった。


アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした
さこの
恋愛
幼い頃に誘拐されたマリアベル。保護してくれた男の人をお母さんと呼び、父でもあり兄でもあり家族として暮らしていた。
誘拐される以前の記憶は全くないが、ネックレスにマリアベルと名前が記されていた。
数年後にマリアベルの元に侯爵家の遣いがやってきて、自分は貴族の娘だと知る事になる。
お母さんと呼ぶ男の人と離れるのは嫌だが家に戻り家族と会う事になった。
片田舎で暮らしていたマリアベルは貴族の子女として学ぶ事になるが、不思議と読み書きは出来るし食事のマナーも悪くない。
お母さんと呼ばれていた男は何者だったのだろうか……? マリアベルは貴族社会に馴染めるのか……
っと言った感じのストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる