強面営業マンに恋してます。

yu-kie

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〔5章〕結婚へ。後編

特別なvalentine。1

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――夜はあっと言う間にやって来た――

仕事も終わり、バレンタインのイベントがおこなわれた会場に向かい設置されたディスプレイに飾られたサンプルの化粧品をまとめる。

「坂津さんこっちも終わるからあがりましょ?」

箱詰めも終わり、台車にのせて倉庫に向かう。先導する主任は、ちょっとテンション高め。

「しのさん、なんかいいことありました?」

「え?いやぁ~ここだけの話なんだけど、外商の人なんだけどね彼氏ができたの。」

「へぇ!凄いじゃないですか!」

私は主任に台車の上の箱を順に手渡しする。主任がそれを倉庫の棚に片付けながら…

「なかなかね、この歳まで独身だからね~不倫はしたくないけど、独身も貴重でね…坂津さんより少し年上の子よ。」

《※外商はデパート内にある外商サロンが関係しています。表で接客するわけでわなく、上お得意様の専属の方々がいて、お客様の欲しいものをデパート内の売り場からリサーチしてお客様にお届けする、デパートの命を繋ぐ部署である。(あくまで深雪の解釈であるが簡単に言えばそんなポジション。)》

「じゃあ、今夜は彼とお泊まりですか?」

私は目を輝かせてぐいぐい接近して聞いてみた。

「うまくいけばね。」

主任は顔を赤くしていて可愛かった。

「さ、帰りましょ。」

こうして私達は、帰路についた。

  ◇  ◆  ◇  ◆

電車に揺られて40分暗い闇に広がる建物の明かり。

駅まであとすこし。

駅について改札を出た先に…プー・メッシュのお店が閉店の準備を始める。時間は九時を指していて、私は圭樹さんにチョコケーキを買って欲しいと頼んでいたことを思いだし、少しうきうき。

目の前に見えてきたマンションの玄関へと向かう。

そんなときに嫌なやつに遭遇した。

運送の仕事できただろう、トラックが道路の脇に横付けされてプー・メッシュに荷物を運び入れていた。

元カレの三宅みやけれいの姿が目にはいる。私は慌てて背を向けて、マンションないへと足早に入った。

一瞬目があった気がして気持ち悪くて、今夜は圭樹さんが話があると言っていたし、私も隠している手作りチョコを渡す為に、私も話があると、約束している。

部屋に入り明かりをつけ、部屋着に着替えるとソファーに腰かけた。

「話ってなんだろう…」

私は、ソファーに腰掛けまま、彼の帰りをまちながら…さっきの玲をおもいだす。

玲に見つかれば何をするか…嫌な不安が沸々と湧き上がり、早く圭樹さんに会いたいと…抱き締めて欲しいと…ソファーの上に膝を抱え頭を埋めた。
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