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〔5章〕結婚へ。前編
母の変化と…
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仕事が終わり、更衣室にいたとき、母から電話がかかってきた。
あれから、母が心配で私がいれば考えてしまうからと実家によらないようにしていた。そしたら母からの電話が来たのだ。
「もしもし?」
「深雪?お母さんだけど…今日ね、戸山さんのお母様から電話があったの!お野菜良かったら食べてくださいって、今日着で送ったって!で、さっき届いたんだけど、お手紙まで入ってたのよ!お母さん感激しちゃった。」
スマホの向こうで母が声高くはしゃいでいる…。
あの悶えていた母が!!
私は何がなんだかわからなく、唯唯母の話を聞きながら更衣室を出、裏口から店を出て立ち止まり耳を傾けていた。
圭樹さんのこれまでと、私と付き合いだしてからの様子、そして、結婚の話が書かれていたそうだ。
「なんかね、深雪が末っ子でしょ?すぐに人を信じるし…流されやすくて…お母さんずっと心配でいたの…。」
「うん、うん…うん…。」
なんだかなあ~お母さんに反発していたことが懐かしくもあるが…迷惑かけたぶん私への心配が膨れ上がっていたのだろうな。
「あなたの事とっても気に入ってるみたいねお母さん。それでね、あなたに聞きたいことがあるの…」
「何?」
「彼を支えなさい。できる?」
「勿論!」
「男はね、女次第でどうとでも変わるのよ、お父さんがいい例よ。」
「頑張りなさい。」
「うん。」
「そーゆー事だから近々彼とご飯食べに来なさい。結婚の話込みで!…じゃあね。」
「うん。」
母が電話を切ったので、私はゆっくりスマホを耳から離し…
目から涙と言う名の水滴が…
ポツポツと…
頬を伝い流れ落ちた。
ありがとう、お母さん。
あれから、母が心配で私がいれば考えてしまうからと実家によらないようにしていた。そしたら母からの電話が来たのだ。
「もしもし?」
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スマホの向こうで母が声高くはしゃいでいる…。
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「勿論!」
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「頑張りなさい。」
「うん。」
「そーゆー事だから近々彼とご飯食べに来なさい。結婚の話込みで!…じゃあね。」
「うん。」
母が電話を切ったので、私はゆっくりスマホを耳から離し…
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頬を伝い流れ落ちた。
ありがとう、お母さん。
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