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〔4章〕将来
戸山家の大家族にご挨拶。
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レンタカーで、圭樹さんの運転で車を走らせ高速に入る。景色は街並みから山々のエリアへ、それを抜け、高速をおりて田畑が広がる場所を走り抜けちらほらと建つ古くて大きな畑のなかに転々と見え始めた。
車は畑の間の細い道に入ると一件の家の敷地に入り、車庫に車を止めた。
畑では赤紫の割烹着の初老の女性が野菜の収穫をし、かごに入れてこちらに向かって歩いてきた。
「圭樹!」
「ただいま、母さん。話してた女性だよ、坂津深雪さん。」
「は、初めまして!坂津です。」
私はド緊張しながらペコペコと頭を下げた。お母さんはケラケラと笑い
「さあさあ、なかに入ってちょうだい。」
そう促されて、圭樹さんに手を引かれて家の中へとお邪魔した。
中には圭樹さんのお兄さん家族にお爺さんにお祖母さん。大家族状態で、お兄さんの中学生くらいの娘さんとお兄さんのお嫁さん、そしてお母さんがキッチンに並ぶ。
娘さんが用意された長いテーブルに煮物や揚げ物等の乗った器を運び、並べる。祖父母が先に席についていた。
私はどうしてよいか混乱して、そわそわしたら、お嫁さんが、
「お客様は座ってて。」
と、笑顔で促されるまま座る。
未知の世界過ぎて圧倒され…私はあまり話もできずに時間だけがどんどん過ぎて、夕飯まで食べたら帰りが遅くなるからと圭樹さんと帰る事を家族に伝えた。
「可愛い娘さんね、お付き合い長いようだけど…圭樹のお嫁さんになるなら、我が家にもなれてもらわないとね。」
「あ、はい。頑張ります。」
私は圧倒されながらつい、まだ結婚話がでたわけじゃないのに返事をしてしまった。
圭樹さんは顔が強張り私は彼の頬を引っ張った。
「深雪ちゃんごめんね、先に結婚申し込もうと思ってたんだけど…口止めできなくて…。」
帰りの車の中、私は彼にプロポーズされた。
「僕と、結婚してくれますか?」
高速のサービスエリアに車を止め、彼から受けたプロポーズ、私は速答。
「勿論です!」
そう答えたらハグされて…外も暗くなった車の中、私は彼に抱きつき、いちゃいちゃした。
私にとって彼にとっても特別な日だった。
さて、彼は私の両親に結婚の話を後日することになるのだけど…オッケーしてくれるのか、少し心配もある。
考えすぎなだけで済めばよいのだけど…
車は畑の間の細い道に入ると一件の家の敷地に入り、車庫に車を止めた。
畑では赤紫の割烹着の初老の女性が野菜の収穫をし、かごに入れてこちらに向かって歩いてきた。
「圭樹!」
「ただいま、母さん。話してた女性だよ、坂津深雪さん。」
「は、初めまして!坂津です。」
私はド緊張しながらペコペコと頭を下げた。お母さんはケラケラと笑い
「さあさあ、なかに入ってちょうだい。」
そう促されて、圭樹さんに手を引かれて家の中へとお邪魔した。
中には圭樹さんのお兄さん家族にお爺さんにお祖母さん。大家族状態で、お兄さんの中学生くらいの娘さんとお兄さんのお嫁さん、そしてお母さんがキッチンに並ぶ。
娘さんが用意された長いテーブルに煮物や揚げ物等の乗った器を運び、並べる。祖父母が先に席についていた。
私はどうしてよいか混乱して、そわそわしたら、お嫁さんが、
「お客様は座ってて。」
と、笑顔で促されるまま座る。
未知の世界過ぎて圧倒され…私はあまり話もできずに時間だけがどんどん過ぎて、夕飯まで食べたら帰りが遅くなるからと圭樹さんと帰る事を家族に伝えた。
「可愛い娘さんね、お付き合い長いようだけど…圭樹のお嫁さんになるなら、我が家にもなれてもらわないとね。」
「あ、はい。頑張ります。」
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圭樹さんは顔が強張り私は彼の頬を引っ張った。
「深雪ちゃんごめんね、先に結婚申し込もうと思ってたんだけど…口止めできなくて…。」
帰りの車の中、私は彼にプロポーズされた。
「僕と、結婚してくれますか?」
高速のサービスエリアに車を止め、彼から受けたプロポーズ、私は速答。
「勿論です!」
そう答えたらハグされて…外も暗くなった車の中、私は彼に抱きつき、いちゃいちゃした。
私にとって彼にとっても特別な日だった。
さて、彼は私の両親に結婚の話を後日することになるのだけど…オッケーしてくれるのか、少し心配もある。
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