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〔3章〕変化
一人暮らし。
しおりを挟むある日のこと、私は両親と実家暮らしだが…親戚がワンルームマンションをたてたらしくて、私に住まないかと話が来た。
家賃は安くしてくれるみたいだし、家事と洗濯はいつも母がしてくれている。
自立したいと思うこの頃。
両親も近くだから、お試しで一年借りることが決まった。
彼は最近営業所内の移動もあり、私の勤めるデパートから担当が外れた。
新幹線で二時間ほどの距離にある都会に配属され、今はその近くにアパートを借りているらしい。
遠距離恋愛だ。
近くにいすぎて、側に居るのが当たり前だったから~デートで食べあるきしたり、彼の家で一緒にケーキ造りしたりしたのが懐かしい。
だから一日に一回、夜に電話での会話をするのが日課で、大事な時間。
私は一人暮らしが決まったその日の夜、彼に電話で報告した。
「圭樹さん、一人暮らし始めることにしたよ。」
「えっ大丈夫?一人なんて何で?危なくない?」
彼はとても心配性だ。
◇ ◆ ◇
それは私とのあの出来事に、終止符をつけた…次の日から始った。
最初はメールの返事を必ず送る。
私からの着信あれば、折り返しでも掛ける。
ーー最初は大変だったと思う。自分を変える改革でもある作業なのだからーー
〔意識するようになったことで、返事を必ず返す。意思表示を他者にはっきり告げる。その事が大事であることを圭樹は実感し…今では、深雪をとても気にかけて、それが自然にできるようになってきていた。〕
◇ ◆ ◇
「荷物運ぶの手伝うから、引っ越しのひを教えて!仕事の日なら有休取るから。」
「助かるけど、いいの?」
「重たい荷物とか運んだりするでしょ?荷物持ちは多い方がいい。それに部屋見てみたいし。」
「ふふ。そうだね、ありがとう。」
こうして私は引っ越しの当日を迎えたのでした。
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