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〔2章〕想定外なこと。
圭樹さんを呼び出しました。
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私は、結さん似の女性を接客した後の休憩で、久しぶりに彼にメールをしてみた。
緊張しながら文章を打ち込み送信。
《今日の夜、遅くなっても良いからこれからの話がしたいので、会ってください。》
私は、ちゃんと怒ろうと心に決めた。
即、メールの返信が来た。
《わかった。他の店の手伝いがあるから、終わり次第向かうね、》
…と。
夕方の休憩にメールしたため、時間はあっと言うまにやってきた。
彼は早く仕事を切り上げたそうで裏口前に待っていた。
「深雪ちゃん、どこに行く?」
「圭樹さんのお友達の店でも良いですか?」
「うん、」
私は彼のてを引き歩いた。久しぶりに見た彼は少し窶れて見えた。
その日私はお座敷にあがり二人静かに座れば…私は彼に私の胸のうちを全て吐き出した。
強面な彼の顔は私の前では無力化していて、私の怒りを受け止めた。
彼が私に怒られ切れたなら、私とは合わないだろう。
目の前の彼からは、言い訳はなく、私の好きになった、正直者で優しい彼が私の顔をじっと見ていた。
「僕が悪い。深雪ちゃんに甘えすぎてた…。本当にごめんなさい。」
「…私は傷付いたの。それは忘れないで。」
私の言葉に彼は頷き、次の瞬間声がした。
「ご注文そろそろ伺いましょうか?」
座敷に顔をだした店長が気まずそうに聞いてきた。
その後は店長さんが気を利かせて料理を運んできては、場をなごませてくれた。
彼は人柄は良いのだろう。だから優しい人が集まるのかもしれない。
ああ、結さんは除外ですけどね。
彼の顔色は次第に良くなり、私も心配していたぶんホッとした。
子犬みたいに見えた彼を…胸がキュンとしてしまい、本当は抱き締めたいけど…今は我慢しよう。甘やかしてしまう。
今回の件で私達は成長できたのだろうか…
そんなことを思いながら二人、てを繋いで店を出た。
緊張しながら文章を打ち込み送信。
《今日の夜、遅くなっても良いからこれからの話がしたいので、会ってください。》
私は、ちゃんと怒ろうと心に決めた。
即、メールの返信が来た。
《わかった。他の店の手伝いがあるから、終わり次第向かうね、》
…と。
夕方の休憩にメールしたため、時間はあっと言うまにやってきた。
彼は早く仕事を切り上げたそうで裏口前に待っていた。
「深雪ちゃん、どこに行く?」
「圭樹さんのお友達の店でも良いですか?」
「うん、」
私は彼のてを引き歩いた。久しぶりに見た彼は少し窶れて見えた。
その日私はお座敷にあがり二人静かに座れば…私は彼に私の胸のうちを全て吐き出した。
強面な彼の顔は私の前では無力化していて、私の怒りを受け止めた。
彼が私に怒られ切れたなら、私とは合わないだろう。
目の前の彼からは、言い訳はなく、私の好きになった、正直者で優しい彼が私の顔をじっと見ていた。
「僕が悪い。深雪ちゃんに甘えすぎてた…。本当にごめんなさい。」
「…私は傷付いたの。それは忘れないで。」
私の言葉に彼は頷き、次の瞬間声がした。
「ご注文そろそろ伺いましょうか?」
座敷に顔をだした店長が気まずそうに聞いてきた。
その後は店長さんが気を利かせて料理を運んできては、場をなごませてくれた。
彼は人柄は良いのだろう。だから優しい人が集まるのかもしれない。
ああ、結さんは除外ですけどね。
彼の顔色は次第に良くなり、私も心配していたぶんホッとした。
子犬みたいに見えた彼を…胸がキュンとしてしまい、本当は抱き締めたいけど…今は我慢しよう。甘やかしてしまう。
今回の件で私達は成長できたのだろうか…
そんなことを思いながら二人、てを繋いで店を出た。
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