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〔2章〕想定外なこと。
その頃圭樹は…。
しおりを挟む僕はまた、やってしまった。
昔言われた事を思い出す。
* * * *
友人と前の彼女の里菜と三人でつるんでいた昔…僕らは同じ高校に通い三人で一緒にいることが多かった。
あの時、他の女性との接触もなく…この怖そうな顔のせいで周りからびびられて…。
笑えば不自然で鏡越しでみても笑顔には見えなかった。
そんな僕に里菜に好きだと告白されて嬉かった。
でも、僕は何事にも疎すぎて、男友達とつるむのが楽しくて、彼女に優先順位を問われ…彼女の位置についてはじめて考えたが答えれず…
結果フラれた。
あの後、相談を受けてた親友、麻田隼人と良い仲に。
アイツは紳士な奴で女性を大事にする奴で、彼女を尊重していて…
菓子屋の営業職についてあれから一年たてば二人と会うこともなく淡々と仕事をこなして…何年か後に来た知らせは…二人が晴れて結婚することになったと言うことだった。
あれから誰かと付き合うこともなく、里菜の双子の妹が僕の職場に就職していたときは驚いた。
けど…恋愛に懲りた僕は、僕の強面な顔に惚れたと言われても迷惑なだけ。
僕の所属する営業所は都心より離れた場所、2号店を拠点にその周辺に売り込んで、晴れてデパートに売り場を置けた。
彼女は企画とかでも成績がよく本店を拠点に営業をしていると聞いた。そして…何度目かの研修で初めて同じバスに乗ることになり僕の仲のよい同期の面々とも顔見知りになって行った。
* * * *
現在デパートの休憩室からでて、誰もいない通路で僕は彼女に謝罪といいわけを連ねた。
彼女が気にすることは言わないようになんて…器用なことはできなくて…、足りない言葉の数々に頭が回らず、必死。彼女の最後に許すと言った言葉に悲しくなった。
彼女の声が弱々しくて、ため息が聞こえて…呆れられたと実感した。
僕は、深雪ちゃんと連絡がとれなくなってようやく親友隼人に相談した。
新婚の二人、里菜と隼人に、こっぴどく怒られて、僕は大変なことをしたとあらためて反省したのだった。
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