強面営業マンに恋してます。

yu-kie

文字の大きさ
上 下
1 / 96

出会い

しおりを挟む


  贈答品コーナーは和食器、洋食器、お盆やお椀などを扱う漆器、家庭用品コーナー、手芸コーナーを占める3階。

ここは某デパート。

  私はここの食器メーカーの販売員、坂津さかつ深雪みゆき。身長155、小さめだ。

  今日は高齢の女性が祝い善の事で来られ私は漆器メーカーの空間に案内して、漆器メーカーの店長に接客を託した。

その後は引出物の注文もあり、一段落。

  私の担当の食器売り場に戻れば、甘い香りを纏わせた強面な体格のよい同年代にも思えるグレーのスーツの男性が、洋食器を睨み…
皆、固唾を飲んで見守る。私は何時ものように、しばらく様子を見て、声をかけた。
すると、表情が柔和に変わり…私は彼の相談を受ける事に。

どんな方に贈るか聞けば…

  昔の恋人が友人と結婚するから、そのお祝いなのだと頭を抱えて話された。
適当には選べれず、一番売れてるペアのティーカップに決まった。
本来はお祝いののしをお付けするのだが、お客様の要望で包装してリボンをつけた。

「ありがとう。」

 会計も済み、笑顔で帰るお客様を見送ると、むなしさを感じた。

(なんかやだな。友達に彼女とられたみたいで…そんな相手を祝いたいなんて、真面目な人だな。強面だけど…笑顔が可愛かった…。)

  そして私はふと渡された名刺をポケットに入れていたことを思いだし、取り出す。

『僕はこう言うものです。一応有名な洋菓子屋なんです。』

 営業マンだなと思って笑顔で受け取ったのだが…改めてみて気がついた。

「…洋菓子プー・メッシュの営業マン?」

 おしゃれな空色の名刺に鳩のデザイン。それはプー・メッシュのシンボルマークだ。
下の食品コーナーの奥にはギフトの菓子屋のブースが並んでいる。

 そのなかでも他店舗より大きなブースにプー・メッシュがショーケースに洋菓子の見本を大々的に展開している。
私はそれを思いだし、休憩時間に覗いてみることにした。

 背の高い彼の名刺にある名は戸山とやま圭樹けいじゅ担当は営業とあった。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

おじさんは予防線にはなりません

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「俺はただの……ただのおじさんだ」 それは、私を完全に拒絶する言葉でした――。 4月から私が派遣された職場はとてもキラキラしたところだったけれど。 女性ばかりでギスギスしていて、上司は影が薄くて頼りにならない。 「おじさんでよかったら、いつでも相談に乗るから」 そう声をかけてくれたおじさんは唯一、頼れそうでした。 でもまさか、この人を好きになるなんて思ってもなかった。 さらにおじさんは、私の気持ちを知って遠ざける。 だから私は、私に好意を持ってくれている宗正さんと偽装恋愛することにした。 ……おじさんに、前と同じように笑いかけてほしくて。 羽坂詩乃 24歳、派遣社員 地味で堅実 真面目 一生懸命で応援してあげたくなる感じ × 池松和佳 38歳、アパレル総合商社レディースファッション部係長 気配り上手でLF部の良心 怒ると怖い 黒ラブ系眼鏡男子 ただし、既婚 × 宗正大河 28歳、アパレル総合商社LF部主任 可愛いのは実は計算? でももしかして根は真面目? ミニチュアダックス系男子 選ぶのはもちろん大河? それとも禁断の恋に手を出すの……? ****** 表紙 巴世里様 Twitter@parsley0129 ****** 毎日20:10更新

拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】 僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。 ※他サイトでも投稿中

妹は奪わない

緑谷めい
恋愛
 妹はいつも奪っていく。私のお気に入りのモノを……  私は伯爵家の長女パニーラ。2つ年下の妹アリスは、幼い頃から私のお気に入りのモノを必ず欲しがり、奪っていく――――――な~んてね!?

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

愛すべきマリア

志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。 学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。 家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。 早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。 頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。 その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。 体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。 しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。 他サイトでも掲載しています。 表紙は写真ACより転載しました。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

処理中です...