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出会い
しおりを挟む贈答品コーナーは和食器、洋食器、お盆やお椀などを扱う漆器、家庭用品コーナー、手芸コーナーを占める3階。
ここは某デパート。
私はここの食器メーカーの販売員、坂津深雪。身長155、小さめだ。
今日は高齢の女性が祝い善の事で来られ私は漆器メーカーの空間に案内して、漆器メーカーの店長に接客を託した。
その後は引出物の注文もあり、一段落。
私の担当の食器売り場に戻れば、甘い香りを纏わせた強面な体格のよい同年代にも思えるグレーのスーツの男性が、洋食器を睨み…
皆、固唾を飲んで見守る。私は何時ものように、しばらく様子を見て、声をかけた。
すると、表情が柔和に変わり…私は彼の相談を受ける事に。
どんな方に贈るか聞けば…
昔の恋人が友人と結婚するから、そのお祝いなのだと頭を抱えて話された。
適当には選べれず、一番売れてるペアのティーカップに決まった。
本来はお祝いののしをお付けするのだが、お客様の要望で包装してリボンをつけた。
「ありがとう。」
会計も済み、笑顔で帰るお客様を見送ると、むなしさを感じた。
(なんかやだな。友達に彼女とられたみたいで…そんな相手を祝いたいなんて、真面目な人だな。強面だけど…笑顔が可愛かった…。)
そして私はふと渡された名刺をポケットに入れていたことを思いだし、取り出す。
『僕はこう言うものです。一応有名な洋菓子屋なんです。』
営業マンだなと思って笑顔で受け取ったのだが…改めてみて気がついた。
「…洋菓子プー・メッシュの営業マン?」
おしゃれな空色の名刺に鳩のデザイン。それはプー・メッシュのシンボルマークだ。
下の食品コーナーの奥にはギフトの菓子屋のブースが並んでいる。
そのなかでも他店舗より大きなブースにプー・メッシュがショーケースに洋菓子の見本を大々的に展開している。
私はそれを思いだし、休憩時間に覗いてみることにした。
背の高い彼の名刺にある名は戸山圭樹担当は営業とあった。
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