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♯エピローグ♯ 1で完結
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しおりを挟むあの日から私は春樹さんをみるとソワソワしてしまいます。
菊池さんに言われるまで気が付かなかったけど、言われてから記憶をいくつかたどれば…春樹さんと私のやり取りは他人ではない関係なのではと…思わなくもない。
今日は春樹さんが帰ってこないらしくて、私はお店を閉め、春樹さんの部屋で猫のお世話中。
「こうして猫ちゃんの世話に来ているけど…ここは男性の部屋…なんだよね。」
にゃんこと戯れながら私はふと気がついた。
今まで春樹さんの事は家族みたいな感覚でいたんだよね。
「春樹さんはどう思ってるのかな~。」
私はにゃんこ達に話しかけるのだけど…ご飯食べてお腹いっぱいになった2匹は寝床で丸まって話し相手にはなってくれなくて、私はスマホの時計を見て驚いた。
「やばい、帰らなきゃ。」
時刻は9時を過ぎたところ。春樹さんの部屋を出て、裏口から帰る途中、車から降りる大きな体の人がこちらに向かって歩いてきた。
「あっ!美奈ちゃん…」
「春樹さん、今日大丈夫だったんですね。」
私は思わず春樹さんめがけ駆け出していた。
「猫たちの世話してたんだよね…悪いな、こんな時間まで…家は近いの?」
「15分くらい歩いた先です。」
「送るよ…徒歩だけど。今日はあまり身体動かせなくて~動きたくて。」
「そうなんですね、ふふふ。でも大丈夫ですよ、何時も通っている道なので。」
「美奈ちゃん、」
春樹さんに抱き寄せられ、私は彼の腕の中に収まっていた。
「自転車、ぶつかりそうだったから。」
私が腕の中で春樹さんの顔を見ようと見上げたら、春樹さんに頭をくシャリと撫でられた。
「美奈ちゃんは俺が守る。」
「ふふふ。」
「笑うとこ?」
「嬉しくて。」
「あっでも…好きな人いるんだよね、誤解されたら大変か。」
春樹さんはパッと腕を広げて私を解放してしまった。
「好きな人ですか?」
「この前言ってた…あ…意識してる人だったか?」
春樹さんの問いに私はこくんと頷いて、たまらなく愛しく思ってしまい、春樹さんの、胸に飛び込んでいた。
「美奈ちゃん?」
「私が意識してるのは春樹さんの事です!」
私は恥ずかしくて下を向いたままそう言うと、春樹さんはまた大きな体に私を包み込んでしまった。
「まじか…」
「ふふふ。」
私は彼の腕からすり抜け、先導するように歩き始めた。なんだか両思いみたいで嬉しくて、あとを追う春樹さんにふり返り足を止め、春樹さんが追いついた。
「いっその事ご両親に挨拶に!」
「春樹さん…ふふふ、急がなくても、もうこんな時間ですよ?」
「ああそうか、挨拶には遅いよな。」
そこからは、家の前まで彼と肩を並べ手をつないで帰宅した。
明日になればまた喫茶ポポで彼に会えます。
明日からの日常が前よりもウキウキしてしまいそうです。
明日の朝は彼に特別メニューのサンドイッチを用意しようと考えながら私の楽しみはどんどん増えてゆくのでした。
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