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薬草図鑑と四葉模様 1/1
しおりを挟む世界中の様々な植物の情報を集めた図鑑がここにある。
家への帰り道、木陰に入りリゼは待ちきれずに篭から図鑑を取り出しゆっくりと開けた。
【祝福の種】自然に愛された者を祝福する、災いから護るためにその身に宿る種。人はそれを緑の加護と呼ぶ。
この図鑑を手にした草花を愛する全ての者達に祝福の種がやってきますよう。
図鑑を開けて最初のページには図鑑の監修をした昔の魔導士の言葉が添えられ、リゼはその文章を読み終えた瞬間…図鑑が光りリゼの心臓もドクンと強く弾むと同時に額にちくりと痛みを感じ、そのまま木の根元で気絶した。
『やっと見つけたら…こんなところでお昼寝か。ん?額に四葉の模様??』
黒い武装服の男はリゼに触れようと前に屈んだ瞬間…地面から無数の樹の根が出現して男を捕らえ、男はリゼを護る緑色の光に覆われ次に姿を現すと、その両手首には緑色の蔦の模様がリングの様に現れていた。
『せっかく人に変化して探しに来てみれば…これが緑の加護というやつか、荷物と子供を家に送り届けろなんて…厄介な。』
武装服の男は仕方なくリゼを抱き上げ、自身の脳裏に現れた場所へ向かい歩き始めた。
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