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誘いの森の薬草採取 1/2
しおりを挟む私はリゼ、人間の騎士の父と…診療所を開ている見た目可憐な女性の姿をした魔女の母を親に持つ『特殊』な子供です。
皆と違う自分に悩んだけれど、これは私の個性なのだと両親は言う。
私の瞳は父譲りで、国に住む人々によくある亜麻色。人の血が濃いせいか母の魔力量には遠く及ばない。
両親が花をこよなく愛し恋愛も花により成就し、土から切り離され枯れるのを待つ花を捨てず大事にしてきたから…大地にいるとされる緑の精霊の加護を受けて産まれたのが私。
大気にそれは存在してるけど目には見えない。その加護は草木を操り存在を示す。
今私の前に喉を鳴らし現れた森の番人様を前にし母を追い返したのは『森』を守る番人様が『緑の精霊の加護』を前に手を出せるわけがないと私は知っているから。
✤
「森の番人様、お帰りください。」
『うぬ。』
森の木々が揺らぎ魔獣の足元から木の根が無数に飛び出すと、リゼに近寄らないよう蠢き魔獣の足に絡みつこうと地面から伸びる…それはまるで生きた触手のよう。
『厄介な緑の加護か…』
「はい。番人様の森を荒らしていないので帰らせてもらいます。それではごきげんよう。」
リゼは魔獣に動じることなく、再びワンピースの裾を摘み小さくお辞儀をした後、草花をいっぱいにした篭をてにして森を去った。
狼の魔獣は、凶器となり威嚇する様に地から伸びた無数の木の根を前にし、緑の精霊の怒りを恐れ諦め…食べられなかった魔獣の無念な声が森に響き渡った。
「クォウ~クォウ~クォウ……」
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