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しおりを挟むキキョウはこの日空いた時間に、カイと庭の散歩に来ていた。
「キキョウ、珍しいものがてには言ったんだ。」
カイはそう言い、手にもつ紙袋をキキョウに渡した。
「中見て良いですか?」
「ああ、あそこのベンチに座ろう。」
キキョウはカイとベンチに座ると紙袋から砂糖がしを取り出した。
「食べてみよう?」
カイは袋から砂糖のお菓子を一粒摘まむとそれをキキョウの口に運べば、思わずカイの指ごと口に含んでしまった。
キキョウの口から指を抜いたカイはその指でもう一粒摘まむと口に運んでシャリシャリと二人笑顔を向けて一粒、二粒と食べていった。
お菓子も空になり、二人は寄りかかり合いながら、庭に咲く色とりどりのはなを眺めれば、ベンチに置いていたキキョウの手に、カイの手が重なった。
「カイ様?」
キキョウは顔を紅くして恥ずかしそうにカイを見ればカイはキキョウの指と自分の指を絡ませギュッとにぎった。
「君が侍女だったことは許されなかったけど…これからは遠慮しなくてもいいね。キキョウの体温を感じる。」
キキョウが恥ずかしくなり手を振りはらおうとすれば、カイはその手に力を込め自分の方へと引き寄せた。
「きゃっ!」
キキョウはカイの胸に引き寄せられ、その腕に抱き締められて身動きがとれなくなった。
「カイ様?」
うでの隙間から抵抗するように少し動き、見上げれば、熱視線のカイがいた。
「逃げないで。」
キキョウは接近するその瞳から目をそらすことができず見つめていると、カイの目蓋は閉ざされ、自分の唇とカイの唇が重なるのを感じた。
「目を閉じて…私を受け入れてほしい。」
微かに重なる唇から発する言葉に、ドキドキサさせたキキョウは言われたとうり目蓋を閉じ、返事をした。
「はい…っ!」
返事をしてる途中カイの唇が勢いよく重なり、暖かなものが口に侵入し、キキョウは大人のキスを初体験した。
時間の許す限りキスをした二人は親密度をまして…各々の場所に戻るため名残惜しみながら別れたのだった。
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