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治療院 Ⅱ
炎竜と治療院 2
しおりを挟む治療院に戻って数日が過ぎました。今朝もキアヌさんは朝一で小さな花束を持って来てくれました。今は、騎士服を身に着けて腰には剣を下げ、キアヌさんの本来の姿がそこにはありました。
「魔女シャロの治療院はこちらか?」
開店したばかり。鍵を開けていた扉が開き、キアヌさんと違う色の騎士服を身に着けて胸には勲章をいくつかつけた青年と、続いて入る方は身なりの良い壮年でした。
「はい…どうぞ。」
「なっ何故あなたが。」
待合室の花瓶にお花を活けてくれたキアヌさんは入店されたお二人にとても驚いていました。
「キアヌさん?」
「シャロ様、俺…私もお側に控えさせていただきます。」
キアヌさんは、眉間に皺を寄せて、私の護衛になったのでしょうか、真後ろに仁王立ちして、彼の視線の先には入店されたお二人がいて、とっても近づくなオーラを出しています。
「シュン!」
部屋の奥、転移魔法陣が設置した部屋からの音。これは今魔法陣で移動してきた人がいるという事を示しています。ですが今は来客の話を聞くのが先です。
「キアヌさん、多分ニサさんが来た音かと…獣舎の診療のお迎えだと思うので。後日日を改めて往診にゆくと伝えてくれますか?」
私の采配はうまく行かなかったのでニサさんが部屋の奥からあらわれてしまいました。
「魔女様ぁ~!」
「マテ!ニサ、奥で話そうじゃないか。」
キアヌさんが部屋から顔を出したニサさんに被さるように奥の部屋へ一緒に入ってゆきました。
騒がしいニサさんがキアヌさんに連れられて奥のお部屋にむかいます。さて、客人お二人に待合室の椅子に腰掛けていただき、今日いらした理由を聞くことにしました。
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