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任務・隣国
シャロの任務・隣国 3
しおりを挟む謁見の間に残されたニサはアギー王太子と二人きり。アギーは目の前に膝をつくニサに歩み寄り、話かけた。
「ニサ、どうやら我々の動きを国王に警戒されているようだ。ニサが消えてから、この宮殿に私の警備を厳戒にするようとの名目で…王の息のかかった近衛騎士が派遣された。」
「なっ…」
「ああ。君が我が友の計らいもあって流した噂を不審に思っての事だろう。王が信頼する者だ…バハートへ何度か攻め込み竜騎士とやりあった事もあるやつだ。侮るな。」
ニサは一瞬脳裏にバハートからシャロの助手として来た、竜騎士キアヌの姿が浮かび…みるみるうちに顔を青ざめさせ、肩を震わせ、絞り出すように言葉を発した。
「はぁ…ふぅ…た…大変です陛か…シャロ…様の助手として来ている男は…ば…バハートの竜騎士…なのしれた男です。国に、バハートの竜騎士が侵入していると知られたら…陛下の計画が…」
「そうか。だが、彼の側にはあの転移をこなした少女がいる。ニサは彼女ほどの魔法は使えなかったと思うが…?」
「はい。彼女がいなければ、こんなにも早く陛下にバハートの王太子殿下の返事を届けることはできませんでした。」
「うむ。ならば彼女に賭けるしかないようですね。」
「…はい。」
二人の謁見の間での話を知らないシャロとキアヌ。
シャロにへばりつくように同行するキアヌは何も知らないまま、シャロと共に獣舎へと向かうのだった。
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