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コンヤクノハジマリ
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しおりを挟む今日は、私の騎士団入団日。数日前正規の入団審査を通り、入団する。
私と訓練生同期(人間や同族、他の肉食獣人)の数名と、先輩たち(人間含む同族と他の肉食獣人達)の集まる会議室。
彼らの前に立つ私は狼の獣人(人間の姿で獣耳をはやし、フサフサの尻尾をもつ)の補佐役の方に紹介を受け、挨拶をした。
「ミュウラ・レッド・ライーズ、2年前に騎士団養成所を卒業。訳あって入団に2年遅れていることもあり卒業大会優勝者の彼女には団長と副団長の助手を務めてもらう。」
「ミュウラ・レッド・ライーズと申します。よろしくお願いします。」
私はこの服を着るとどうしても笑顔が消えてしまう。私は卒業後の花嫁修業を思い出し、女性らしくニコリと微笑み、深々と頭を下げた。
「あの赤獅子の牙と呼ばれる…」
騎士団メンバーの中からそんな呟きが聞こえてざわついた。
「この2年で人間らしくなりましたのでご安心ください。」
私は顔を上げもう一度笑顔で答えると…思っていた以上に皆笑顔を返してくれ、私は少し安心していると…騎士団長が釘を刺した。
「ミュウラ・レッド・ライーズくんはこのカエン・レッド・リシュアの婚約者に、なった。ちょっかいを出せば、カエンの牙がお前たちに向くだろう。」
なごみかけた空気は一気に凍てつき、カエン様がその言葉に乗っかるように皆さんに言葉をかけた。
「…そう言うことだ。騎士団の一員として彼女を迎えるように。」
「「はい!」」
「よろしくお願いします。」
私はこの状況に…少し顔を引つらせながら笑顔を向け頭を下げた。
『婚約者』の言葉に重みを感じ、夢だった騎士団生活は…少しだけ不安に感じてしまったのでした。
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