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5話 旅獣人…シスタン【ホウモンシャ】
④
しおりを挟むお屋敷に無事到着した私は、白鷲の姿のまま、部屋のとまり木に着地。領主様に伝書を届け終えました。
「ふむふむ…よくわかった。事は大きくなりそうだな、屋敷に待機している部隊長を呼んで…部隊を村に向かわせるとしよう。サイはいるか?」
「はい、お呼びでしょうか。」
クイナ・ガラン様に仕えてる側近の綺麗な壮年のその人は、騎士の身なりをしています。
部屋の外に見えたみたいです。
「荒れ地の村は第2部隊の管轄だな?急ぎ荒れ地の村に向かわせ、先に調査に行っている、漆黒の部隊と合流せよ。」
「かしこまりました。急ぎ第2部隊を向かわせます!」
クイナ・ガラン様の命令に従ったサイ様は部隊を集めに行かれたようです。さて…
「伝書屋、部隊の応援は手配した。漆黒にその旨を伝えよ。」
「わかりました。では私はこれから漆黒騎士のもとに戻ります。」
「その前に、疲労が出ているだろう。伝書屋の活躍の褒美に…」
私はクイナ・ガラン様からご褒美に木苺を頂きました。
「ありがとうございます。もぎゅもぎゅ。」
頬張れば体力回復。
「頼んだぞ。」
私はペコリと頭を下げ、お屋敷を去りました。
飛ぶうちに空は茜色に変わり始め、荒れ地の村まで少しの所で、地上からこちらに向い無数の石の様な物が飛んできて、私は逃げ回るように村へ向かったのでした。
低空飛行する先に部下を連れたシャドーを見つけ彼がこちらに気がついて、ホッとしたのもつかの間。シャドーは剣を抜いてこちらに跳んできます。
「ミナ!避けろ高く翔べ!」
そんな急に方向を変えられなくて焦っていると、別の何かに押されて空高く飛び上がり、飛んできた矢を避けて、急接近したシャドーの剣が矢を切り落としたのでした。
地上へと舞い降りシャドーの肩にとまると、そこには見知らぬ人?がいました。背中に小さな翼のある、私と同族に思われる身なりの良い、青年でした。
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